空手道に古くから伝わる
守りの型
呼吸のコントロールによって
完成されるこの型は
完全になされた時には あらゆる
打撃に耐えると言われる
概要
空手をやっていた人(特に剛柔流などの那覇手系統の流派)ならだれでも知っているであろう、基本中の基本の構え。
どちらかの足を半歩~一歩ほど前に出しつつ肩幅程度に開き、両足のつま先を数cmほど内側に向けてハの字にして立つ。
その状態で軽く膝を曲げると自然と内股ぎみになると同時に、足の裏の外側(足刀)で地面に対して外向きに体重をかける立ち方となる。
ついでに、両手は脇を締めながら両手で拳を作り、手首は曲げず、裏拳を相手に向けるように構えるのが一般的(肘から拳が逆ハの字の形になる)。
空手の練習では、この立ち方で正拳突きの練習をよくする。
なお、この立ち方は非常に下半身に力が入るので、本当に滅多には倒れなくなる。(かかとに力の入りにくいハイヒールではさすがに無理だが)
満員電車などで立っていなければならないときはぜひ試してもらいたい。
純粋に三戦の型をとっているイラストよりも漫画『グラップラー刃牙』で愚地独歩が使用した時の三戦の解説をパロディにしたイラストの方が多い。
なお、「相手に対し斜め立ちになって左脚を半歩前に出し、握り拳を顔の高さに掲げた構え」のイラストもかなり多いが、これは本来の三戦ではない。これはこのへんとかこのへんとかを「三戦みたい…」といじったネタである。
三戦の起源
空手は沖縄(琉球王国)独自の武術である「ティー、ウチナーディー」(日本語で「手」「沖縄手」)をベースに、本土の日本武術やその他アジア系の武術の要素も取り入れて発展したものだが、ティーには発祥地域によって大きく三流派があった。
- ナーファディー(那覇手):現在の那覇市国場川河口地区で発祥
- スイディー(首里手):現在の那覇市首里地区で発祥
- トマイディ(泊手):現在の那覇市安里川河口地区で発祥
このうち、三戦はナーファディーからもたらされたもので、通説では清代中国から琉球に伝えられたとされる。事実、中国拳法の一つである白鶴拳には、三戦に似た套路(とうろ。練習方法の一種で、連続的な攻撃方法、防御方法、立ち方、歩き方、呼吸法、運気法などを総合的に盛り込んだ一連の身体動作。日本空手の「型」に近い)がある。
ナーファディーの流れを汲む空手流派個別でも三戦の詳細は異なるが、『グラップラー刃牙』で紹介されたのは伝統派空手(いわゆる寸止め空手)四大流派の一つ・剛柔流の三戦と考えられる。
関連イラスト
関連動画
“三戦”の演舞