概要
中国唐代の段成式による随筆「酉陽雑俎(ゆうようざっそ)」に記載される、鯨によく似た姿をした怪魚の一種。
隊長は2、3丈(約6~9m)程あり、鯰のような色をしており、頂に孔があるが、鯨の様に潮は吹かず、その代わりに“気”を出すとされ、奔䱐が“気”を出す時は大風が吹く前兆であるといわれている。また“気”を出す時は、孔から「ホッホッ」という音が聞こえてくるとされる。
一説によれば、この巨大怪魚は怠け者の女房が変化した存在だといわれており、雌雄の別があり、両乳は腹の下にあって、性器は何方も人間とよく似ているという。
またこの子供を取り上げて岸に置くと、赤ん坊の様な声を発するとされる。
尚、奔䱐1頭から膏(あぶら)が3、4斛(こく:約540~720L)も取れ、これを灯火として燃やして照らすと読書や糸を紡ぐ際はほんのりと明るいが、歓楽に関わる用途で照らすと、其れよりも遥かに明るく照らすといわれている。