概要
ビデオゲームのアクセシビリティ関連の設定の1つ。
世の中には「蜘蛛恐怖症」(アラクノフォビア)を持っている人が少なからず存在しており、そのような人に向けて、蜘蛛、もしくは近しい外見の外生物・モンスターの外見を変えるオプションであり、機能をONにすると別の"何か"になる。
プレイヤーによってはこのモードの方が性癖に刺さる、といったケースも少なくないとか。
MHWildsのオープンβテストクライアントにこの設定が存在することで話題になったが、アーリーアクセス時点から実装が公言されていたSatisfactoryなど、それ以前から配慮された作品が存在する。
そもそも「蜘蛛恐怖症」って?
蜘蛛恐怖症(アラクノフォビア・Arachnophobia)とは恐怖症の一種で、
「蜘蛛やそれに近い節足動物に強い生理的嫌悪を催す症状」を指す。
捉え方によっては「重度の虫嫌い」と思われるかもしれないがその実態は対象の生物を見ただけで震えや発汗、動悸、パニックなどを起こし、ひどい時には過呼吸や失神状態などに陥る危険な恐怖症である。
場合によっては蜘蛛の巣や蜘蛛のおもちゃ等を見ただけで発症することもある。
また、外出した後などは服や体に蜘蛛がついていないか必要以上に確認する傾向がある。
恐怖症の多くがそうであるが、発症者は「対象(蜘蛛)の外見や毒」そのものに強い恐怖心を抱き、そこに複雑な理由は存在しない。
従って「多くの蜘蛛は噛んだりせず、害虫を食べる益虫なので怖がる必要はない」というフォローは的外れである。
ご存知の通り、蜘蛛を含めた虫(節足動物)はごくありふれた存在であり、普通に過ごしていればどうしても視界に入ってしまう。
そのため、発症者は日常生活に支障をきたしてしまうこともある。
以上の観点から、単なる「虫嫌い」とは区別して扱われ、強い理解が求められる。
「たかが虫嫌い」と笑いものにし、発症者にわざと蜘蛛を見せつけるなど言語道断である。
なお、あくまで「蜘蛛に似た節足動物」に対する恐怖症のため、対象がおおよそそうした生物に見えない、あるいはそのような生物を連想しないものだと発症しない場合が多い。(大幅なデフォルメ、蝶などの脚が目立たない種を遠目で見るなど)
ゲームにおける対策モードはそうしたプレーヤーに対する配慮であり、ユーザー数を減らしてしまうリスクも軽減するものである。
「意味のあるモードには見えない」とする意見もあるが発症者にとっては蜘蛛に見えないことが重要である。
なお、この恐怖症があるからといって「蜘蛛やそれを好む人物」を悪とするのは間違いである。恐怖症は「〇〇嫌い」では済まされないことも含めてしっかりとTPOを守るようにしよう。