皇帝・天皇の正妃(正妻)たる女性に与えられた称号、及びその称号を与えられた人物のこと。
一夫多妻制が採用されていた場合には妃達のうち最高位にある者の称号となる。西洋や中近東の皇帝たちの正妃の称号を和訳する時にも、この語が用いられる。
日本の皇后
古来のオオキミのキサキの最上位たる「オオキサキ」の漢訳として日本書紀から用いられている。厳密には、この天皇の正妃という意味に加えて、皇后宮職という家政機関を得た人という意味も指す。実際、上皇の寵姫となった(つまり天皇の后ではなかった)人物に名誉称号としての「皇后」位が贈られることもあった。また、藤原道隆が娘藤原定子を二人目の皇后として強引に入内させて以来、平安時代から江戸時代にかけて二人目の皇后を置いていた。これには、中宮職という家政機関を付けていたので、一人目の皇后と区別して中宮と呼んでいる。中宮職とは、奈良時代律令制では全ての皇妃の世話をする役所を指したが、醍醐天皇の皇后に藤原穏子が立てられた時に中宮職は皇后の世話をする職務となり、中宮とは皇后の別称になっている。道隆はここに目をつけて、皇后宮職と中宮職、皇后と中宮を分離したのである。
平成24年3月現在の皇后は美智子様(旧姓正田、昭和9年10月20日 - )。
歴史上著名な皇后
()内は配偶者である皇帝・天皇。
日本
中宮号を受けた人物も含む。
神功皇后(第14代仲哀天皇)