概要
アニメ『おそ松さん』の第21話Aパートのサブタイトル。
(後半はともかく)前半は完全に麻雀の知識がないと、台詞の意味が分からないどころか、全くついていけないぐらいのガチぶりになっている。
あらすじ(ネタバレ注意)
日頃はクソニートな六つ子たちの、数少ない真剣勝負の場・松野家麻雀。その第一回戦は起家チョロ松で幕を開けた。
まず6巡目におそ松がリーチ。チョロ松、トド松、さらにあの十四松までもが、本格麻雀劇画ばりの読みを巡らせて警戒する。
しかし全員の深読みも虚しく、流局となって開かれたおそ松の手牌はリーのみのペン3筒。臍を噛む3人を他所に、主導権を握り、全ツッパで押しまくるおそ松だったが、守備力の無さから十四松に親満2連続、トド松にも親ッパネを振ってあっさり飛んだ。
その後メンツが入れ替わり、3人聴牌に包囲され小便をチビるトド松、リーチをかけるだけで声が裏返るチョロ松、少牌・フリテン当たり前の十四松、負けるとキレて雀卓をひっくり返す一松、自身のマイスタイル(カラ松の実況まとめ参照)にこだわり過ぎてツモられ貧乏なカラ松など、一通りの芸風が披露された。
一通り順番が回ってきたところで、某長期連載麻雀漫画の主人公のような尖った鼻とアゴの顔になったおそ松が「真剣勝負をしようぜ」と提案。全員それに乗り、「青天井・トビなし」のルールで本気の対局が開始された。
そして流れを掴んだのはおそ松。怒涛の連荘で東一局は50042本場目を迎えた。
だが、ここから残りの松野クソブラザーズ達の逆襲?が始まる。
トド松は現物牌を通して大はしゃぎ、チョロ松は落書きした牌を通し、カラ松は一索を14枚並べて「神満十四松!」と言い出して、十四松は4メンツ晒して裸単騎になると同時に文字通り全裸になり、トドメの一撃に一松が麻雀牌でアート作品を作り上げたことで、遂に収拾がつかなくなった。
弟5人「あ、そ~れ!大三元!字一色!ポン!チー!ポン!チー!聖澤! 」
お「ずりぃんだよお前ら…俺せっかく勝ってたのに!もうお前らとは二度と麻雀やらないから! 」
全裸で踊り狂う5人と、ブチ切れるおそ松。かくして松野家麻雀はグダグダになって終局を迎えた。
カラ松実況まとめ
第21話Aパート本編中、カラ松が六つ子それぞれのプレイスタイルを解説していた。尚、これらのプレイスタイルは各六つ子の性格に合わせつつパロディネタ用であるものも存在する。
※順番は本編での紹介順。
- おそ松のスタイル
おそ松の麻雀ポリシー。それは全ツッパ。カンチャン・ペンチャンはもちろん単騎の即リーもいとわない。しかも一度鳴いたら降りない。親リーだろうが押しの一手、押して押して押しまくる。故に…守備力が皆無!トビ率100%、『オーラス知らずのおそ松』
- トド松のスタイル
トド松の麻雀は一味違う。最速最強をうたう鳴き麻雀。スピードだけじゃない、時には下家に甘い牌を下ろしライバル同士の潰し合いを演出。ただし…押されたら小便ちびるほどのメンタルの弱さ、長考最高時間40分。『ベタオリの貴公子、トド松』
- チョロ松のスタイル
守備型の理論派デジタル雀士。場況読みに長けその場その場の最善手を尽くす。流れやツキは一切信じない最強に分類される麻雀。ただし嘘がつけない性格が災いし待ちが目に出てしまう。ロンは絶望。『ノーリターンなオープンリーチ、チョロ松』
- 十四松のスタイル
説明不能のオカルトシステム。なんてことない安手。だがこれをきっかけにゾーンに入る。十四松タイムは絶対攻撃時間。乗れば何人たりとも阻めない。ただし…テンションアップと同時にチョンボ率も大幅UP!『フリテンの暴君、十四松』
- 一松のスタイル
異様な捨て牌、異様な鳴き。早さも打点も全く読めないブラックボックス麻雀。ただし…普通に弱く普通に負け機嫌が悪い。『卓かえしの一松』
- カラ松のスタイル
手役アーティスト。妥協したアガリに意味はない。満貫、跳満、メンチンは論外。倍満すら聴牌取らずの役満縛り。故に毎回ツモられ貧乏。『不和了のファンタジスタ、カラ松』
簡単な用語解説
第21話Aパート中に出てきた用語のみに絞って解説。
※基本的なルール及びより詳しく知りたい場合は「麻雀」の記事を参照。
※間違い&もっとわかりやすい表現などがありましたら追記・修正お願いします。
前提(解説を読むための簡単な予備知識)
- 起家(チーチャ)
「親」の中でも特に対局開始時の第一回戦、つまり東一局の親のことを指す。サイコロの出目によって決まるため、基本的に誰がなるかはランダム。「起家チョロ松」とは、チョロ松が東一局の親であることを指す。
親になるとツモられて負けた時の点数が倍になるリスクと引き換えにロン・ツモを問わず得点が1.5倍になる。
更に、自らが和了るか流局時に聴牌していることで引き続き親を継続することが可能(所謂「連荘」)。劇中後半のおそ松無双がこれにあたり、この時の東一局50042本場とは「親が変わらないまま50042試合目を迎えた」という意味である(「○○本場」という単位は連荘回数の表示に点棒を使うことに由来する)。
- 放銃(ホウジュウ)
対局者のアタリ牌を打ってしまうこと。「振り込む」・「ウツ」ともいう。
- 鳴き(なき)
ツモではなく相手の捨て牌を用いて手を進めること。
手牌含めて対象の牌三つで成立する「ポン」「チー」、四つで成立する「カン」の三種類があり、その際には鳴きの宣言と、鳴いたことでそろえた牌を他家にさらす必要がある(トド松が牌を表にして自フィールドの右端に移動させていたのがそれ)。
前述の通り基本的には相手の捨て牌をもらうことで手を進める手法だが、カンだけは自分の手牌及びツモのみで鳴くこと(暗カン)も可能。
- 和了(ホーラ、あがり)
手牌を一定の形に揃えて公開すること。他のゲームにおける「あがり」に相当する。動詞化して「和了る」「和がる」「和る」(全部読みは「あがる」)のように表記されることもある。
カラ松の場合、「不和了(ノーホーラ)」…つまりあがったことがないということ。
- 牌(パイ)
麻雀において使う道具で、将棋でいう駒のこと。牌山とはその山のこと。
- 役(やく)
麻雀において、和了したときの手牌の特定のパターン、および、和了した ときの特定の状況。ちなみに「役満」とは麻雀で特に難易度の高い役の総称、あるいはそれで得られる得点 のこと。
本編に出てきた用語解説
- 立直(リーチ)
聴牌したことを他家に宣言すること。聴牌後は手牌の形を変えらえない。場に1000点供託する。
- タンピン
全て2から8の数牌で揃えるだけのタンヤオ、メンゼンで順子を4つと役牌でない雀頭を揃え、テンパイ時の待ちがリャンメンという条件で宣言できるピンフという役の複合。
- オープンリーチ
手牌を晒して、待ちを他者に知らせる事で通常のリーチより高い点にする役。オープンリーチの場合、地域等でルールの差異が最も多く、取り決めには事前に確認が必要。
※チョロ松の場合、手牌を晒さずに目が待ちを自覚なく教えているので、通常のリーチ扱いとなる。
- 好形(こうけい)
牌効率が良く、受け入れ枚数が多い状態。
- 筒子(ピンズ)
筒を描いた1~9までの数牌。全36枚。
- 聴牌(テンパイ)
あと1枚必要な牌がくれば和りになる状態。
- 安牌(あんぱい)
安全牌のこと。放銃(他家に打ち込んでしまうこと)の危険がない牌。
- 一向聴(イーシャンテン)
あと1枚必要な牌がくれば、テンパイになる状態。
- ロン
他家の捨てた牌で和りになる事。またその時の発声。
- 嵌張(カンチャン)待ち・辺張(ペンチャン)待ち・両面(リャンメン)待ち
カンチャンは「2・4」「3・6」など、間に一枚嵌る牌を待っている状態。ペンチャンとは「1・2」「8・9」という、前者は3、後者は7を待っている状態。「2・3」「6・7」など和り牌が二種類あるリャンメンに比べると悪い待ち方。
- オーラス
そのゲームの最後の局。 東風戦で東4局、東南戦で南4局のこと。
おそ松の「オーラス知らず」とは、この最後の局がくる前に負けてしまうということ。
- 飛び
誰かの持ち点が0以下になるとその時点でゲームを終了してしまうというルールがある局の時、持ち点がゼロ以下になること。
通常(飛びがない場合)は支払いできない分を「借り」ということにしてオーラスまでゲームを続ける。
- ツモ
牌山から順番に牌を1枚ずつ持ってくる事。ツモ和りの事を略してツモとも言う。漢字では「自摸」と書く。
手の内に1枚ある毎に一飜が加算される懸賞牌。但し、役ではない。
- ベタ降り(べたおり)
自分の和りを完全に放棄して降りる事。
- 少牌(ショーハイ)
局の進行中に手牌が13枚より少なくなってしまう事。発覚後は和り放棄。
和れない状態であるにもかかわらず、故意にまたは間違って和りを宣言する事。チョンボした時点で局は終了。
- 満貫(まんがん)
和り点の上限を設定する為の単位。満貫以上の和りは、あらかじめ得点が定められている。子は8000点、親は12000点。つまりカラ松は本来この時点でも十分上がれる状態である。
- 青天井(あおてんじょう)
満貫以上の和りに対しても、原則通りに符と飜数の掛け算で計算するルールのこと。つまり通常時よりも点数がインフレする。但し、計算も非常に複雑になる。
- 現物(げんぶつ)
一対局者がすでに切っている牌。他家に対する安全牌・危険牌を判断する上でのひとつの材料となる。
- 危険牌(きけんハイ)
捨て牌などから見て、放銃の可能性の高い牌。
- 河(ほー)・吃(ちー)
河とは、捨て牌を切る所でそのまま「かわ」とも言う。吃とは、順子(同種の数牌で、数位が連続している3枚を組み合わせた面子)を作る為に上家の捨て牌を鳴いてさらす事。
- 裸単騎
十四松がやっていたように「ポン」「ポン」「ポン」「チィ」の四面子を副露しての単騎待ち。もちろん本編のように全裸になるという意味ではない。
なお、ローカル役や海外の役に全求人なる裸単騎で和了れる役はあるが、日本ではかなりマイナーな役なので、採用されていない場合も多い。
※副露(フーロ)とは、鳴きにより他のプレイヤーの打牌を取得することにより面子を完成させること。
※単騎待ちとは、待っている牌は少なくとも意外とアガることが出来る待ちの形のこと。読む要素がほぼないため。
- 三元牌(さんげんはい)
白(はく)・發(はつ)・中(ちゅう)の3種類の牌。全12枚 。
最後のシーンで出てきた大三元(ダイサンゲン)とは、これらを刻子または槓子にしてあがった状態の役満である。
※刻子(コーツ)とは、全種類の牌で同じ3枚の組み合わせのこと。
※槓子(カンツ)とは、全種類の牌で同じ牌4枚の組み合わせのこと。性質上「カン」でしか成立しない。
おそ松の言うようにそんな役は存在しない。存在しないが・・・ リンク先参照。
余談
- 十四松の最初の1000点のアガリ形が、画面では「122334674①①⑦⑧」と見えるので、作画ミスのように思えるが、よくよく見直すと索子代わりのおでんの串の間に黄色い文字で「X」と書いてあり、8索を表現している模様。芸が細かい。
- おそ松が東一局50042本場まで連荘するが、洗牌・山積み・サイコロ振って配牌取り・おそ松がアガって点棒支払いまでの流れを仮に1分で終わらせたとしても、50042分=約834時間=約35日かかる計算になるのだが……もっとも、このクズニート兄弟なら1か月ぶっ通し打ち続けていた可能性も否定できない。
- 棒テン即リー全ツッパで飛びまくり(おそ松)、鳴くだけ鳴いておいて手詰まりになると長考(トド松)、聴牌すると緊張で挙動不審になり待ちがバレバレになる(チョロ松)、調子に乗らせると怖いが落ち着きがなくチョンボも多い(十四松)、負けが込むと露骨に不機嫌になる(一松)、高い手を狙いすぎてツモられ貧乏(カラ松)など、兄弟のスタイルは、麻雀のあるあるネタオンパレード。現物を勿体ぶって「通せ!」と言ったり、牌を積み上げて遊んだり、意味不明なギャグを口に出しまくるなどの行動も、徹マン明けの妙なテンションの時にはよく見られるものであり、とにかくこの回は麻雀を知っている者にはネタ満載、知らない者は徹底して置き去りにした回であった。
- ちなみに、一松と十四松の中の人は某麻雀アニメにて作中少ない男性キャラとして出演経験がある。
関連イラスト
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おそ松さん おそ松さん(アニメ) 神松(Bパート)
麻雀松 ※第21話の前からあった麻雀ネタ用のタグ。二次創作要素が強い。
麻雀 ※麻雀の詳しいルールはこちらを参照。