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編集者:ももすけ
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「殺せるといいですねぇ 卒業までに」

プロフィール

名前殺せんせー
生年月日不明
身長背伸びすると3mくらい
体重見た目より軽いっぽい
経歴超破壊生物→E組担任
趣味、特技超音速巡航
座右の銘学殺一体
弱点不明
長所描くのがめっちゃ簡単

概要

物語の舞台となる、椚ヶ丘中学校3年E組の担任教師に就任した謎の超生物。

どういうわけか地球の爆破を目論んでおり、そのため世界中の軍隊・自衛隊とE組の生徒たちから命を狙われているが、持ち前の圧倒的な能力により、余裕で逃げおおせている。

月の大部分を破壊し、翌年3月には全人類を死滅させると予告しているにもかかわらず、なぜかそれまでの間「3年E組の担任教師ならやってもいい」と申し出た事から、物語が始まる。

行動原理や出自など、謎の多い存在。

「殺せんせー」という名前はE組の茅野カエデがつけたあだ名であり、名乗るような本名はないらしい。

能力

月の7割を破壊して三日月にするほどのパワーを持つ。

高速で動く事ができ、最高速度はマッハ20。

この素早さを生かして分身を作り、同時に複数の人とコミュニケーションを取る事も可能。

銃による攻撃を避けながら他人の眉毛の手入れをしたり、音速飛行中にテストの採点をしたりといった器用さも持ち合わせる。

彼のパワーはそのスピードに由来するものであるため、素の筋力はそれほどでもなく、動いていない状態を拘束されると身動きが取れなくなる。(出来れば、の話であるが)

ある特定の化合物に接触すると触れた部分の細胞が破壊されるという性質を持つ。

その化合物は人工的に生成でき、『対先生物質』と名付けられている。

対先生物質は殺せんせー最大の弱点だが、逆にこの対先生物質以外ではどんな強靭な武器でも傷一つ与えられない。

国は対先生物質を素材にした特殊兵器(ナイフBB弾。人体にはゴム同然で無害)を開発しているが、マッハ20で動く殺せんせーにとっては当たらなければどうということはない代物である。

もし対先生物質に触れて身体の一部が破壊されたとしても数秒で再生出来るが、肉体の破壊が大規模になると動きが鈍っていく。

殺せんせーの暗殺を成功させるには再生するよりも速く肉体を完全に破壊する必要があり、潮田渚は「すべての触手を一度に破壊するくらいでないとダメ」と推測している。

知能は非常に高く、あらゆる教科を完璧に教える事が出来る。

生徒たちからは教え方が上手いと高評価を得ているが、体育だけは不評。動きが速すぎて常人には真似出来ないのである。

さまざまな目的(主にグルメと娯楽)のために世界中を飛び回っており、地理力もあるようだ。

一ヶ月に一度、脱皮をする。その皮で殺せんせーを模したデコイを作ったり、衝撃を吸収する事が出来る。

後述にもあるように、水に触れるとふやけてしまうため、泳げない。

外見、生態など

性別・年齢・種族は不明。当然、人間ではない。本人曰く「地球生まれの地球育ち」。

球状の顔と無数の触手、色とりどりに変化する皮膚を持つ。

体は水を含むとふやけたり湿気たりする。水を含んだ体を絞る事も出来る。

普段の服装はアカデミックドレスと三日月をあしらったネクタイ。

触手だらけの下半身ははいてないようだが、羞恥心はない模様。

一方風呂を覗かれた際はお湯と粘液で体を隠し、死神の目を欺くためやむなく素っ裸になった(ゲル状になっていたため体の作りなどは不明)際は恥ずかしがっていた。

エネルギー源は不明だが、常人が口にする食物から、ペンやコップなど無機物までなんでも食べる。

なお、食物の中では甘い物を好む傾向がある。

回想シーンでは、本編とはやや姿が違うようだが……?

弱点

世界最強の生物であるのだが、下記「性格」の項目にもあるように、メンタル的な側面ではわりと人間じみた隙が多い……というか隙だらけである。

作中ではそういう隙が発覚するたびに、渚によって「殺せんせーの弱点」としてリスト化される。

ほとんどは殺せんせー暗殺に直接には役立たないものばかりだが、応用次第というところだろう。

なお、ごく少数だが本気でガチな弱点もある。(太字になっているもの)

特に水分によって動きが鈍るというのはかなり致命的なものであり、殺せんせー側も自身が水中に閉じ込められた場合の脱出策を常に講じている。他にも落とし穴には計3度引っかかっている。

下記の弱点メモは渚がクラスメイトたちと共に暗殺する事を前提に記したものであるが、殺せんせーの最大の弱点は他ならない生徒そのものであり、他の暗殺者がE組を巻き込む形で暗殺を仕掛けてくると彼らを庇おうとする。

#内容備考
0敏感肌身体的弱点。単行本16巻のおまけページで判明
1カッコつけるとボロが出る精神的弱点
2テンパるのが意外と早い精神的弱点。触手の扱いは精神状態に左右されるため、場合によっては致命的
3器が小さい精神的弱点。教育者としては立派な大器だが、個人としては逐一仕返しするなどみみっちい所がある
4パンチがヤワい身体的弱点
5おっぱい精神的弱点。性的嗜好は成人男性と同じ
6上司には下手に出る精神的弱点
7知恵の輪でテンパる精神的弱点。件の上司に無茶ぶりされ露呈
8乗り物で酔う身体的弱点。解放的なトロッコ列車は平気
9枕が変わると眠れない精神的弱点
10世間体を気にする精神的弱点
11猫舌身体的弱点。レッドアイとの食事で判明
12湿気る身体的弱点。肥大して動きが鈍くなる
13下世話精神的弱点。生徒や同僚をネタに恋愛私小説を書こうとしている
14ベタベタで泣く精神的弱点
15噂に踊らされる精神的弱点、転校生の前評判を聞き警戒
16脱皮直後身体的弱点。シロ情報
17再生直後身体的弱点。シロ情報
18特殊な光線を浴びると硬直する身体的弱点。シロ情報
19シリアスの後我に返ると恥ずかしい精神的弱点。ギャグキャラである事を自覚しており、つかみどころのない天然キャラを売りとしていた
20安い絵しか描けない技術的弱点。たまにプリントや冊子に絵や漫画を描く事がある
21夏バテ身体的弱点
22プールマナーにやたら厳しい精神的弱点。自分が作ったフィールドなので王様気取りとなり小うるさかった
23泳げない身体的弱点。ふやけるから。特製の水着を着用すれば平気
24夢をすぐあきらめる精神的弱点
25(案の定)オカルトに弱い精神的弱点
26集まりが悪いと自分に価値がないような気になる精神的弱点
27音痴技術的弱点
28隠れるのが下手技術的弱点
29役職で図に乗る精神的弱点
30心臓身体的弱点。イトナ経由で判明したシロ情報
31他人なのに親バカ精神的弱点
32傷つかないよう保険をかける精神的弱点
33「自分たちのサッカー」が何なのかよく知らないW杯限定のにわかサッカーファン。普段は野球派らしい
34実況下手技術的弱点
35運転中は人格が荒む精神的弱点
36リストラ精神的弱点。さすがに解雇されては先生でいられないため
37大勢で押さえられれば捕まえられる身体的弱点
38傷口に塩を塗る精神的弱点
39肝心な時に段取りが悪い精神的弱点

※39の数字は「サンキュー(=ありがとう)」と掛けた物とする説がある。

オトナの弱点

1痛ハウス技術的弱点
2汚部屋技術的弱点
3賭け方がみみっちい精神的弱点
4干物タコ精神的弱点
5もはや使う事より集める事が目的になってしまっている精神的弱点。指している事柄は世界中から集めてきたエロ本
61杯目からカシスオレンジ精神的弱点
7つまみを決めるのが遅い精神的弱点
8当然のように酒に弱い身体的弱点。カシスオレンジ一舐めでベロベロ
9飲むと泣き入る精神的弱点
6トレンドが古い精神的弱点。女子大生に過度に憧れる

これらの「オトナの弱点」は番外編にて判明した。

皮膚と色

感情によって文字通り「顔色が変わる」。本人の意思で自由に変化させたり、○や×といった模様を浮かべる事も出来る。

ページがモノクロなので確認しづらいが、カラーページや周囲の人間の反応で確認できたパターンを下に記す。

もっとも、作者の松井優征先生は「殺せんせーのカラーリングは基本完全フリーです。何なら皆さんで塗って下さい」(2012年35号目次コメント)と発言しており、創作の上では気にしなくてもいいようだ。

黄色暗殺教室暗殺教室by羽熙平常時その1。単行本1巻の表紙でもある基本色の一つ
薄い殺せんせー殺せんせーbyKaOS平常時その2。表紙・カラーページで見られる基本色の一つ
オレンジ【暗殺教室】せんせーと暗殺者たち【暗殺教室】せんせーと暗殺者たちby春町フユコ平常時その3。表紙・カラーページで見られる基本色の一つ
緑のしましませんせーせんせーby烏鷺山@イラストレーター完全にナメきっている
触手の選択肢のひとつ
真っ赤暗殺教室暗殺教室by羽熙軽~中度の怒り。または、月を破壊した時(第2話センターカラー)
暗い暗殺教室暗殺教室by羽熙解答が間違っている
明るい朱色暗殺教室暗殺教室by羽熙正解
薄いピンク昼食後の油断する時間帯
真っ黒ド怒り

表情と形状

基本的に笑顔。

怒っている時や焦っている時も口元の笑みは絶やさず、ゴマのような目と汗や涙で感情を表現する。

たまに真顔になる時があるが、普段の笑顔は意識的なものかは不明。

頭は球状の丸顔だが、軟体動物なので変形する事もある。

笑顔暗 殺 教 室暗 殺 教 室by寝路@プロフ必読三日月状の口から縦に平行に伸びた歯を覗かせる。基本的な表情
ド怒り顔面に血管を浮かせ、歯がおどろおどろしくなる。顔が真っ黒になっているため、目が見えない。非常に怖い表情だが、同時に声色もドスの利いたものに変わる
目を光らせる何かの力を発揮する時。カラーページでは赤く塗られていた
トリケラトプス奥田愛美の毒を飲んだ時
ドラゴン奥田愛美の毒を飲んだ時その2
真顔(前田敦子)【無断転載・無断使用厳禁】ころせんせー【無断転載・無断使用厳禁】ころせんせーby魅亜奥田愛美の作った「王水」を飲んだ時の顔。目と口がセンターに寄る。別名「悪い大人の顔」。しらんぷりをする時にも使う
デレデレ好みの女性が現れた時の反応。鼻の下(?)を伸ばし、顔を赤らめる(もしくはピンクになる)

性格

(恐らく世界中の)人語を解し、普段は慇懃無礼で飄々としている。

人類に殺されない事には絶対的な自信を持っており、殺しに来た者を逆にもてなすなど完全に余裕綽々の態度。

口癖は「殺せるといいですねぇ」で、「ヌルフフフ」「ニュルフフフ」という特徴的な笑い方をする。

それでも殺される気は毛頭ないため、防衛行動は取るが、殺しに来る相手には「手入れ」と称して、全て真っ向から迎え撃つ。

その反面、自身の能力に酔うあまりに隙を突かれて焦るなど、良くも悪くも人間臭い。

上記の弱点リストにもあるように、「カッコつけるとボロが出る」「テンパりやすい」など、メンタルは意外と弱い事が推測される。

他にも、目先のことに囚われて視野が狭まってしまいがちな傾向も見受けられ、時折そのせいで手痛い失敗を味わってしまうこともある。(例えば、1学期中間テストで怠惰に陥っていた生徒達の目を覚まさせようと成果を焦る余り、理事長の浅野學峯の力を侮ってしまったこと等)

焦ると反応速度は常人並みになり、大人気ない行動に出る事も多い。

またやたらと保険を貼りまくったり(例としてはビッチ先生の教職続行を掛けたロヴロとの烏間暗殺訓練では『烏間が今日一日凌いだら烏間の前で一秒間何があっても動かない』と約束したが、後日明らかに自分用の全身甲冑を用意していた)、給料日前で危うい時はティッシュ配りに分身して並び、ティッシュを唐揚げにして喰うという教師どころか生物としての尊厳を投げっぱした行動をとったりと、いちいち凄くてセコい真似をする。

上司の顔色を伺うなど、情けない面もよく見せる。

驚くと「にゅやッ!」などと叫ぶ。

教師としては非常に優秀であり、勉強を教えるのが上手いばかりでなく、一人ひとりと正面から向き合うなど、生徒をとても大切にし、常に寛容な態度を取っている。

反面、生徒が他者を危険に晒すような行為に及んだり、卑劣な手段を用いたり、怠惰に堕ちたりすると非常に怒り、ドスの効いた声で「今すぐ教師をやめて地球を破壊する」などといった脅迫じみた説教に及んだりもする。

いずれ皆殺しにするつもりにもかかわらず、生徒たちとの学校生活を楽しんでおり、3月までは教師生活をエンジョイするつもりらしい。

教師である事には強いこだわりとプライドがあり、教師としての権威を損なう行為は避けている。

そのため、自身が面目ない行為をしてしまった事に気付くと、非常に恥ずかしがる。

超生物なのに教師としての給料で暮らしており、給料日前はピンチに陥る事が多々ある。

性的嗜好は完全に成人男性のそれであり、巨乳の女子大生と仲良くなる妄想をして喜んだり、岡島大河によるエロ本のトラップに何度もひっかかったりしている。

触手にも強いこだわりがあり、「"触手なりけり"を使って短歌を作れ」といった無茶な課題を出したりもする。

対人関係

「殺せない先生」という事で、第1話のラストで茅野カエデに「殺せんせー」とのあだ名を命名される。

それ以前は単に「先生」「あいつ」「タコ」などと呼ばれていた。

本人もこのあだ名を気に入っており、体操服に「殺せんせー」という札を付け、烏間惟臣にもそう呼ぶよう発言している。

テストの解答用紙に書くイラストやゲームのマイキャラもタコである。

月が破壊された事は世界的なニュースになっているが、その犯人が「殺せんせー」である事は機密事項になっている。

これを知っているのは各国首脳、防衛省特務部の人間、特務部に雇われた殺し屋たち、椚ヶ丘中学校理事長の浅野學峯、そしてE組の生徒のみ(親も知らない)。

「殺せんせー」が外部と接触する時は、帽子・かつら・付け鼻・手袋で変装するが、体型が明らかに異様なため、出会った人間を驚愕させてしまいがち。

E組の担任になったのは「ある人物」との約束らしいが、過去について追求されても話す事を拒否したり、はぐらかしたりしていたためある一件までは詳細不明となっていた。

太鼓の達人とのコラボ

バンダイナムコゲームス太鼓の達人でコラボする事に。青春サツバツ論をプレイすればおなじみのきせがえ。QUESTIONをプレイするとリラックス殺せんせーのきせがえをゲットできる。3DSゲーム、太鼓の達人ドコドンミステリーアドベンチャー!でもコラボし、ストーリーモードのみ仲間にする事が可能に。ただし、太鼓魔法のみとなっている。

さらには任天堂カービィデデデ大王バンダイラキたまCAPCOM成歩堂龍一オトモアイルー上海アリス幻樂団博麗霊夢霧雨魔理沙十六夜咲夜レベルファイブジバニャンガンホーのタマゾー、スタジオジブリのまうちゅー、ジャンプ仲間の斉木楠雄※1とは事実上初共演である。

※1

斉木楠雄とはジェイスターズビクトリーバーサスで共演している。

余談

作者曰く、キーボードでは「ころせ」「(変換)」「んせー」と打つのが一番打ちやすいらしい。

又、担当キャストの福山潤の前代は関智一だが、この二人は某RPGではを演じている。正に世代交代と言った所か。

後年の学園RPGでは殺せんせーは生徒役、渚は先生役と立場が逆転している。

過去と真実

以下、漫画『暗殺教室』第133話以降の、またとあるE組生徒の重大なネタバレを含みますので閲覧は自己責任でお願いします。

死ぬまで過去を話さずにいようとしていた殺せんせーだったが、期末テストが終わり冬休みも間近に迫ったタイミングで、それまで静観を貫いていた茅野カエデが自身の正体を明かし、己の命をも顧みない暗殺を決行。

この一件を機に彼女の誤解を解く目的も兼ねて、ついに自身の過去を話す事にした。

茅野は殺せんせーに全ベクトルで殺意を向けていたが、殺せんせーの尽力と渚を筆頭とする生徒たちの制止で死闘を終わらせる。

一段落の後に殺せんせーは、これまで自分がはぐらかし続けていた自身の秘密を語り出した。

「優れた殺し屋は万の事に通じる」、この言葉は全ての教科を満遍なく教えられる殺せんせーにも当てはまる事。

自身の”かつて”の姿。

そして――

殺せんせーは何もしなくても来年の3月には死んでしまう事。

その際、殺せんせーの意思に関わらず地球全土を破壊するほどの爆発を起こしてしまうという事。

「3月までに自分を殺さないと地球を爆破する」というのは、この爆発のタイムリミットの事だった。

殺せんせーの正体は、伝説の殺し屋死神であった。

なお、以前登場した「死神」はかつて彼を裏切ってその名を簒奪した元弟子である。

元々は普通の人間であり、劣悪なスラム街で裏切りばかりを見て育った彼は、「殺せば人は死ぬ」という真実のみを信じて殺し屋になる道を選んだ。

生まれてから戸籍を与えられなかったため、本名、国籍、年齢いずれも本人にも分からない。カエデによって今のあだ名をつけられるまで、名乗る名前がないと主張していたのはこのためである。

彼は超人的な技能により素晴らしい業績を挙げ、千人殺したあたりで「死神」と呼ばれるようになったという。

とある仕事の後、以前殺したターゲットの息子である少年が死神に弟子入りを志願した。

死神も「自分と同じ技能を持つ者がいれば殺しの幅が広がる」と考えた事から彼を弟子に取り、力で抑えつつも彼の望む力を与える事で上手くコントロールした……つもりでいたのだが、ある日突然その弟子に裏切られて捕縛されてしまい、国を超えた非公式の研究組織に所属する柳沢誇太郎リンク先重大ネタバレ注意)の研究機関に、人体実験の被験体として連行されてしまう。

柳沢が死神に対して行った人体実験の目標は、反物質の体内生成。

反物質は0.1gから核爆弾並みのエネルギーが発生するが、生産効率が非常に悪く科学者達からは石油や原子力の代わりになるとは思われていなかった。

しかし柳沢は、反物質の生成サイクルを生命における細胞分裂のサイクルに組み込み、生命の中で反物質を生成させようとしていた。

つまり、死神を生きている限り反物質を生産するシステムに改造しようとしていたのだ。

死神は、そこで監視役として派遣された研究員兼椚ヶ丘中学校3年E組担任・雪村あぐりと出会う。

あぐりを利用しての脱走を目論んでいた死神だが、不測の事態が起こった時自分が真っ先に犠牲となる事を知りながらも、何も聞かず微笑んで接するあぐりの姿は彼の心に響く。

そして2人は、監視の目を盗んでお互いの事を話すようになった。

実験が進み、手足が変化して触手と呼ばれるようになると、現在の「殺せんせー」よろしくあぐりの胸に反応して鼻血を出すなど感情豊かになっていった。

殺せんせーの持つ並外れた能力も、様々な武器や化学物質に対する耐性も、全て柳沢に仕込まれた反物質生成細胞の影響で肉体が変質してしまった結果であり、現在の豊かな顔色や表情はあぐりの影響から生まれたものだったのである。

今のE組が編成されても2人の交流は続き、あぐりは出会って1年が経過した事を記念して死神に「ある物」をプレゼントする。

同時に、柳沢から正式に研究員になるよう催促されているため、今年が教師として最後のチャンスである事と、E組の生徒たちを救いたいが力不足と不安を感じている事を死神に吐露する。

そんなあぐりに彼は、極細の触手で2人を隔てるアクリル板を通り抜け、直接触れて励ました。

だが、そんな穏やかな時間は直後に終わりを告げる事になった。

死神の細胞を移植され、月面で同じ実験をしていたマウスが月ごと爆死し反物質生成細胞の欠陥が明らかになったためである(つまり、殺せんせーが月爆破の犯人というのは全くの嘘であり、直接的な犯人ではない)。

研究室は想定外の事態に混乱しながらも反物質生成サイクルから計算した結果「死神も1年後の3月13日に同じ運命を辿る(=地球が滅亡する)」という結論を出し、殺処分に踏み切ろうとする。

だが、その事実を先に知ったあぐりが死神本人に伝えてしまい、自分の死という運命を前に死神は「改造された体を使わずに死ぬのはもったいない」と自暴自棄に陥り暴走を始める。

そんな死神をあぐりは必死で止めようとしたが、死神を殺すために研究室側が仕掛けた触手地雷を受け、重傷を負ってしまう。

死神はここで初めて己を悔いた。

死にゆくあぐりは彼に「残された時間をくれるなら、あの子達を教えてあげて」と願った。

君がそう言うのならば、と死神は承諾。

あぐりは息を引き取った。

彼はあぐりが渡そうとしていた「どこで使えばよいのか分からない巨大なネクタイ」を、彼女の懐から見付け、首に巻く。

そして死んだ彼女に触れ、関係者に書き置きを残し、※あぐりの傷口に触れ、飛び去った。

(※あかりが見た場面がここである)

とある山中で、彼は触手に願った。「弱くなりたい」と。

彼は親しみやすい姿に、弱点だらけに変わった。

彼女がやろうとしていた事を、やるために。

繊維の原料となる植物を見つけ、現在のトレードマークであるアカデミックドレスを自作した。

死神は、そのドレスを着込むと、彼女がくれたネクタイに三日月をあしらった。

そして彼は新米教師となり、3年E組へとやって来た。あぐりが遺した生徒たちを導くために。

その教室で雪村あかりによって「殺せんせー」の名を受けたため、雪村姉妹の存在あって現在の殺せんせーが確立したと言える。

これまで防衛省のみならず、幾多の腕利きの殺し屋やE組の生徒が殺せんせーを倒せなかったのも、殺せんせーが「暗殺」をキーワードとして生徒との絆を育もうとしたのも、全て彼自身が万事に通ずる史上最強の殺し屋だったからである。

余りに壮絶すぎる過去を目の前に、殺せんせー暗殺のために送り込まれた転校生を含めたE組全員だけでなく、殺せんせーの出自について断片的に聞かされていた烏間も、彼の抹殺のために送り込まれたイリーナも、全員が言葉を失ってしまう。そんな中、殺せんせーはさらに言葉を続けた。

暗殺者と標的という関係こそが自分たちを結びつけた絆であり、E組が暗殺を完遂してこの暗殺教室を修了させなければ、この絆は失くなってしまうと。

殺せんせー自身は、あぐりから託された生徒たち以外には絶対に殺されたくないという気持ちに揺るぎはなく、E組がもし最後まで自分を殺せないならば容赦なく地球と共に自爆する決意であると。

E組による暗殺の成否が地球の命運を握っているという状況になんら変わりはないが、これらの真実によってE組の皆はこれまで(現実味のなさゆえに)ろくに考えてこなかった「本当に殺せんせーを殺すべきか否か」という問いを真剣に考える事になる。

(この先は漫画『暗殺教室』第175話以降のネタバレを含みます)

殺せんせーの最期

そして迎えた3学期。

卒業まで残り僅かとなったことで腹をくくり、生徒一人ひとりが真剣に問いへの答えを考えて教室にやって来たが、どちらにも理がある以上E組は先生を殺すべきか、助けるべきかで真っ二つに割れそうになってしまう。

暴力沙汰にもなりかけ、下手をしたらクラス崩壊の危機の中、意見をとりまとめる方法を提案したのは当の殺せんせーだった。

殺せんせーにとっては自分の命よりもクラスが崩壊してしまう事、E組の皆が無事に卒業する事が重要だった。

律を除く全員が「助ける派」と「殺す派」に分かれて行った裏山での「暗殺サバイバル」。

激闘の結果「助ける派」が勝利し、1月の間だけは殺せんせーを助ける方法を全力で探し、それが終わったら殺すと言う結論を得たE組はそれに向かって邁進。宇宙ステーションのハイジャックを行い反物質生成細胞の研究データを分析した結果「殺さなくても地球が爆発する可能性は1%以下」という結論へと至る。

その上でE組の皆は、国からの依頼が取り消されない限りは3月までは暗殺を諦めずにチャレンジし続ける事を誓ったのだった。

その後やり残したイベントを1日で消化したり、高校受験やバレンタインなどを経てタイムリミットの3月を迎えた。

暗殺に失敗しても地球が大丈夫というならば、地球を救うためという重責からは解き放たれたも同然である。せんせーを殺さなくても未来はある。その上で自分達と先生のためだけの暗殺は譲らない。それがE組の選んだ結論であった。

しかしこれは、未熟な中学生ならではの大いなる誤認であった。

1%で地球が滅ぶというのは、冷静に考えるととてつもなく高い確率なのである

例えば、航空事故の起こる確率とて0.0009%という1%を切る極小の低確率だが、それでも1年に最低数回は起きてしまっている。

その事実から照らし合わせて考えても、E組の見つけた方法で殺せんせーの寿命が尽きるまで数十年もやり過ごすというのは残念ながら無理があり、このため地球が滅ぶ確率が例え1%以下だとしてもその確率の重さの意味を知る大人たちからすればとても容認できるものではなかった。

故に防衛省を始めとした各国政府はそんな確率など最初から分かっていても、殺せんせーを危険視し続けていたのだ。

さらに言えば彼らはE組による暗殺計画は最初からほとんど期待していなかった。あくまで殺せんせーを一箇所に留めておくための鎖としてしてE組を利用していたのである。

各国政府の暗殺計画の本命は、触手生物を溶解するバリアを裏山に張って幽閉し、衛星から発射されるレーザーで仕留めるというもの。3月の卒業式の直前になってすべての準備が整い、それは実行されることになった。すべてを取り仕切るのは復讐に燃えるシロ。

奇しくもレーザー射出が行われた日は、あぐりが提案した“彼”の誕生日、全ての始まりの日の月夜でもあった。

E組一同は邪魔されないように軟禁されたが、辛くも脱出して警備を突破し旧校舎にたどり着く。

脱出を打診するE組だが、殺せんせーはいずれこうなる事を察していた。そして諭す。社会を否定せず、自分がどのようにその中で泳いでくべきかと。

束の間のひと時が流れるもシロと改造を受けた二代目が襲来。生徒を庇わせてダメージを蓄積させ(詳細は柳沢の項目参照)、更に自責の念から単身立ち向かった茅野を惨殺する。

激昂したかに見えた殺せんせーだったが、ド怒りの黒を超える「全ての感情」を乗せた「純白の光」の段階に到達。その力で柳沢を一蹴、一撃で仕留められなかった二代目にもナイフの一撃で別れを告げた。

かつてあぐりを救えなかった自責から治療の技術を磨いていた殺せんせーは、実は茅野が地に落ちる寸前血液と体細胞をかき集め、無菌に保った空気内へ空中にて保管していた。殺せんせーは生徒の体がバラバラにされても蘇生出来るよう備えていたと語り、戦いの傷も癒えないまま触手によるナノテクを駆使した外科手術を始め、細胞を全て繋げるという人外の技で見事茅野を蘇生させる。茅野に大喜びで駆け寄っていくE組一同。しかしこの手術で再生する力さえ使い果たし、遂に地に臥せた。

30分も待てば衛星からのレーザーで殺せんせーは消滅する。

それでもE組は暗殺で培った絆を完成させるためにあえて自らの手ですべてを終わらせる事を選ぶ。弱点その37「大勢で押さえられれば捕まえられる」を利用して全員の手で押さえ込み、全員の出席を取ったのち、「笑顔で人に胸を張れる暗殺」を実行した潮田渚のナイフにネクタイごと心臓を貫かれて消滅した。

消滅前、彼は生徒一人一人に卒業アルバムとアドバイスブックを残していた。生徒達はそれぞれそのアドバイスを参考に後に順調に志望の進路へ進んでいる。

尚旧校舎周辺の山は殺せんせーを暗殺した際の賞金でE組が買い取り、旧校舎は「二人がいて、みんながいつでも戻ってこられる」ように元E組メンバーが交代で定期的に「手入れ」を行っている。

余談(アニメネタバレ注意)

最期の部分に相当するアニメ2期24話は「OPなし、かつアバンからラストまでCMを一切挟まない」という異例の構成で放映された。

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編集者:ももすけ
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