浅野學峯
あさのがくほう
「教育に恐怖は必要です」
「全て私の支配下だということをお忘れなく……」
物語の舞台・椚ヶ丘中学校の理事長であり、3年E組制度を創った張本人。
殺せんせーが人間だった頃の事と、今の姿になった経緯を知っているそぶりがあり、謎が多い人物でもある。
あらゆることに秀でた完璧超人であり、その能力を教育に注ぐ。「教育バカで意地っ張り 自分の命を使ってでも教育の完成を目指すでしょう」とは(自分と似た者同士と感じた)殺せんせーの弁。
3年E組を「暗殺教室」として利用する事については、防衛省から多額の口止め料を受け取る事で了承している。ただし度々追加料金を要求しており、11月の時点で総額が殺せんせーの賞金(100億円)に近い額になっているという。
徹底的な合理主義者で学校を全国指折りの進学校にしている敏腕経営者だが、その穏やかで理知的な顔の裏側に隠された本性は、冷酷かつ狡猾そのもの。
一部の人間を徹底的に差別して貶めることにより、残りの人間に優越感と、その差別される側になりたくないという危機感を与えることで向上させるというのが彼の教育手法であり、被差別側(E組)にはいかなる反抗も許さず、成長することすらも認めず、どんな手段を使ってでも叩き潰そうとする。
そのため、定期テストや学校行事を通じてE組に改めて「自分たちが底辺なのだ」と思い知らせるべく、度々行動を仕掛けてくる。
一学期の中間テストでは試験の二日前に全教科のテスト範囲を大幅に変更し、E組にのみ連絡や通知を行わないという露骨過ぎる真似(烏間曰く不正ギリギリ)をしたが、これ以降はあくまでA組の学力を向上させる方針を取っている。
とはいえ、あくまで学校の教育方針を順守している関係上、「E組=底辺というシステム」自体には固執する一方で、他の教諭や生徒とは対照的にE組の生徒達に蔑視や侮辱の感情は無く、今年のE組が成果を出しているという事実までは否定していない。
生徒と交わした取り決めを守ったり、常軌を逸したスパルタ教育(の皮を被った虐待行為)で生徒に危害を加える鷹岡のような教員を自身の教育方針に見合わないとして排除したりするように、時にはE組にとって結果的にはプラスになるよう上手く立ち回るなど、教師としての筋は通すことはある(ただしこの際でも自身が学園の実権を握っていることをハッキリ見せつけるのは忘れない)。
また、各科目の指導能力は殺せんせーと引けを取らず、体育祭の助っ人でやって来た大柄の留学生を瞬く間に蹴散らすほどの並外れた格闘能力の持ち主でもある。
息子の浅野学秀は3年A組トップの優秀な生徒だが、父親同様に腹黒い支配欲の権化であり、お互い「理事長」「浅野君」とよそよそしく呼び合うほど険悪な関係で、相手を完全に支配下に置く日を狙っている。
しかし、E組への危機感をますます募らせ、妨害作戦を徐々にエスカレートさせていくが、2学期期末試験の結果を機に、学秀を筆頭としたA組の生徒たちがE組の強さと実力を正式に認め自分の教育法を否定。それが元で遂に思考回路が暴走してしまい……。
名前の由来は赤穂藩主浅野内匠頭長矩と考えられる。
以下、ネタバレが含まれますので未読の方は閲覧注意 |
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上記のプロフィール欄にもあるように、元々は学園の前身に当たる小さな私塾の講師をしていた。
その塾の教室として使われていたのが、現3年E組が使用している山奥の木造旧校舎で、差別のためではなく余人の入り込まない静かな環境を目的としていた。
塾の第1期生は僅か3人と利益を度外視した経営だったが、生徒たちを「伸び伸び育てる方針」の下導いていき、生徒からも慕われていた(なお、経営の赤字は株取引により補填していた)。
そんな彼の教育方針は口コミで評判を呼び、次第に塾生も増えていったのだが、ある日卒業した第1期生の1人・池田がいじめを苦に自殺してしまう。
池田が誰にも相談したり言い返せなかったこと(実際死ぬ直前に學峯へ電話したのだが、學峯は悩んでいることに気付けず、池田は相談しようとすることもできなかった)を悔やみ自分の「伸び伸び育てる方針」が間違っていると思い込み、「生徒のいいところを伸ばして、社会にはばたけるようになって欲しい」が「(たとえ弱者を踏みつけようと)より社会で強く生きていける生徒を育てる」という理想に歪んでしまった。そして、池田を自殺に追い込んだいじめっ子を洗脳して堕落させるなど人の心を動かす強さについても学び直し、並外れた格闘能力もこの過程で身につけたものであった。
A組の面々から教育を否定されたことも相まって、思考回路が暴走し殺せんせーに勝負を持ちかけるが、その勝負後殺せんせーの掛けた言葉で、E組制度を通して本当に自分がやりたかったこと・成し遂げたかったことが、落ちこぼれの生徒が起死回生のチャンスを掴みのびのびと育っていくことであると自覚し、それによって自身のかつての教育が間違っていなかったと思い至る。
嘗て池田少年にも「1日1回先生を攻撃し、攻撃が成功すればその日の宿題は免除する」と暗殺教室に似たことを行っていたことを思い出し、また殺せんせーの言葉をきっかけに、池田少年の一件による敗北への恐れについても自分なりにケリをつけ、ようやく殺せんせーの教育方針もE組のことも正式に認めるようになる。
これを機に学秀との親子仲も(対抗心の強い彼らなりに)改善の兆しが見えており、息子から初めて「父さん」と呼ばれ、騒動前後の問題を裁判で決着をつけるべく訴状を出し合う約束をする等して進展を窺わせている。
和解後の動向
E組の茅野カエデの本性を知る、数少ない人物であったことが判明。
転入試験を合格した茅野が「素行不良が行くクラスがあるんですよね?」と言いながら自分の目の前で校長室のトロフィーを薙ぎ倒し、その後殺せんせーの事が判明したことで彼女の真の目的を察していた。しかしそれを殺せんせーたちに伝えることはなく、彼女がもうじき動くことを察しながら成り行きを見守ることにしていた。
160話では「E組の生徒を成長させた」実績をもとに殺せんせーへ残留話を持ち掛けるが、断られている(教育者として相通ずるものがあった以上、現在の見た目が人外であろうと過去がどうであろうと問わない、という懐の広さを示したエピソードと言える)。
なおこの際雪村あぐりに対し「惜しい人を亡くした」「あと数年あれば卓越した教師になっていただろう」と発言しており、彼女には期待をしていたようである(E組のシステムは新人教師の技量を鍛えさせる場も兼ねているため、あぐりを担任とした時点で彼女の将来を見込んでいたものと思われる)。
殺せんせーの存在が(事の真相を隠蔽したままながらも)最終章で遂に政府によって明らかにされ世間がパニック状態に陥った際は、殺せんせーを雇っていたがためにマスコミから質問の嵐を受けることになるも、一部のしつこい記者を洗脳する等自分なりの方法で殺せんせーを援護した。この際殺せんせーを最後に狙う本当の暗殺者は全人類だという見解を示している。
ネタバレ注意(最終巻、卒業アルバムの時間の内容について)
最終回前の179話では、学園の生徒を危険にさらしたということやエンドのE組システムなど、彼の教育方針の問題が浮き彫りとなったことで世間から猛烈に批判され、理事長職を辞任せざるを得なくなり、学園を去ることになる。それに伴いE組制度も廃止となったが、彼にとっては想定内のことのようであった。この時点で既に自らが真に理想とする教育方針を見出していたため、世間に公にならなかったとしてもE組制度は今年限りにするつもりだったのだろう。
出ていく前に部屋の片付けをしていた際に「恩師と弟弟子達のためにもできることをしたい」という理由で会いにきたかつての教え子である長井と森の二人と再会。
会話の後、今は亡き池田も含めたかつての教え子達三人を思い浮かべながら生徒たちの近況や彼自身の愚痴も含めた現在の様子を語り合っていた。
卒業アルバムの時間によると、新たに浅野塾を開校し、その辣腕を惜しまれて大きな起業の話が次々舞い込んでいるらしい。また、渚を講師としてスカウト中。
余談だが、スピンオフ漫画の一つでも登場している一方、実写映画版では直接的に顔が映るシーンがほとんどなく、原作・テレビアニメに比べて登場シーンが大幅に削られている。
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コメント
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