石炭を運ぶこと。
特に炭鉱から港あるいは消費地まで鉄道・船・道路等の交通機関を用いて石炭を輸送する一連の流れを指す。
日本においては特に北海道と九州北部(筑豊地域)において運炭を主な使命とする鉄道路線が多く建設された。
世界的に石炭は燃料以外では製鉄原料として使うケースが多い。ただ海外においては石炭産地と鉄山を双方向にホッパ車で輸送する例が多いのだが(「コンビナート」は原型では内陸にも当たり前にある)、日本の場合、本格的な近代形鉄山がなく戦前・戦後とも鉄鉱石は他地域(外地・外国)からの船舶による移入であり、製鉄所もそれを前提として沿岸部に建設されたため、運炭輸送は基本的に産炭地からの片方向輸送となり双方向型より効率は劣る。昭和時代中期以降に炭鉱の閉山が相次ぐと、都市近郊路線や地域幹線として脱皮することに成功した一部の路線を除き、その多くが国鉄末期に不採算路線に指定され、後に廃止されている。
現在、国内に於いては川崎市の三井埠頭から陸揚げされた海外炭を内陸部のセメント工場まで輸送する列車(川崎市→熊谷市)、及び北海道釧路に残った国内唯一の炭鉱が所有している専用鉄道内の輸送列車の2か所に残るのみとなっている。
なお、海外では現在でも石炭の鉄道輸送は普通に行われており、特に北米ではその規模も非常に大規模であり、1列車で10000トンを超えるような列車も珍しくない。
カナダに至っては、日本向けの輸出のために、鉱山の開発と運炭鉄道の建設を行った例もある。
かつての九州ことに石炭列車を多く走らせていた北九州では鉄道システムもこれに特化した構造となっており、レールが上下で太さが違っていたり(空車である下りは細い)、ダイヤも予め使いそうなものを全て点線で書き込んであり、実際に使うことになったものを朱で実線として引き直すなど、ダイヤ運行とトレイン・オーダー・システムの中間のような方法を用いていた。
なお、どこぞのアニメはあんまり関係ない。
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