概要
アイルランド人作家ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュが1872年に著した怪奇小説および作中の登場人物の名前。
カーミラは家柄の良い美しい少女で、馬車の事故に遭い難儀しているところで、物語の語り手である令嬢、ローラの一行と出会い、彼女の居城で世話を受けることになる。
美貌ではあるものの非常に虚弱で、その顔色は常に青白い。陽の光に耐えられず、午後にならなければ起きてこない。食事はわずかにしか摂らず、また薔薇を嫌う。
魅力的なカーミラに心惹かれるローラだが、次第に彼女の振る舞いや言動に不審を抱くようになる。やがてローラの身の回りには奇怪な出来事が起こるようになり……。
可憐な令嬢を狙う美貌の女吸血鬼という妖しい設定は、ただ恐ろしい怪物だったそれまでの吸血鬼にはない魅力を持ち、後のブラム・ストーカーの怪奇小説「ドラキュラ」にも影響を与えた。
そのキャラクターには現代にも通じるものがあり、小説はもちろん、漫画、アニメ、ゲームと様々な媒体の作品で「カーミラ」やそれに類する名前の女吸血鬼が登場している。
ちなみにカーミラは作中でいくつかの名前を使い分けているが、全てCarmilla(生前の名前はMircalla)のアナグラムである。
創作に登場するカーミラ
演劇を題材にした漫画「ガラスの仮面」では、作中で演じられる舞台の一つとして「吸血鬼カーミラ」が登場する。
ヒロインの北島マヤを陥れ、その地位を奪った乙部のりえに激怒した姫川亜弓は、主人公ローラを演じるのりえに対し、カーミラの役を以って対決。カーミラを「吸血鬼という望まない運命を背負わされた、孤独で悲しい少女」として演じ、完全に舞台を乗っ取ってしまう。演技力でも美貌でも亜弓に敵わなかったのりえは打ちのめされ、物語本編からもフェードアウトする。
- 亜弓はカーミラの役作りについて、取材にきた記者に対し、『ベニスの商人』の悪役シャイロックを悲劇的に演じた19世紀のシェイクスピア俳優、エドマンド・キーンの話を持ち出して匂わせていた。
- それまでマヤに対し、「紅天女」を争うライバルとしてひたすら敵愾心を燃やしてきた亜弓が、そのライバルのために痛快な活躍を見せるという名編であり、これで一気に彼女に魅せられてしまったファンも多い。またゴージャスな衣装に身を包んだ、カーミラ亜弓の美しさも必見。
関連タグ
カーミラをモチーフにしているもの
- 「帰ってきたウルトラマン」に登場する吸血宇宙人ドラキュラス。(声は男だが、女性に乗り移っており、出身地もカーミラ星)
- 「悪魔城ドラキュラ」シリーズに登場するボスキャラ。下記にて解説
- 「聖剣伝説」シリーズに登場するモンスター。下記にて解説
- 「ボクらの太陽」シリーズに登場するキャラクター。下記にて解説
- 「革命機ヴァルヴレイヴ」に登場するヴァルヴレイヴ四号機火ノ輪の愛称。
- 「Fate/GrandOrder」に登場するサーヴァント⇒カーミラ(Fate)
- 「エースコンバット インフィニティ」に登場する無人機QFA-44の名称⇒CFA-44
- 「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する西洋妖怪の1人。ちなみに名称はカミーラ表記。⇒女吸血鬼カミーラ
『悪魔城ドラキュラ』のカーミラ
「ドラキュラⅡ呪いの封印」から登場したボスキャラクター。名の由来は上述のカーミラ。ただし名前は説明書では「女吸血鬼」、攻略本では「カミーラ」であった。以降のシリーズ作品でも「カーミラ」「カミーラ」両方の表記がある。
ドラキュラⅡでは巨大な仮面のような姿だったが、それ以降の作品では「巨大な頭蓋骨に乗った裸の女性」の姿で登場することが多い。
格闘技が得意なラウラという下僕を従えている。なお、ラウラの名前は元ネタの主人公「ローラ」の別読みとなっている。
人間姿で登場することもあり、「サークルオブザムーン」には貴婦人風のドレス姿で(戦闘時に上述の姿になり本性を現す)、「ジャッジメント」には大胆なボンテージ姿で、「ロードオブシャドウ」には胸の開いたセクシーなローブ姿で(戦闘時に魔物のような吸血鬼姿になる)登場している。
登場している作品は意外に多く、特にサークルオブザムーンでは彼女がドラキュラを復活させる敵側のメインキャラだった。
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『聖剣伝説』のカーミラ
聖剣伝説3以降から登場した、女性型の吸血鬼モンスター。属性は闇で、アンデッド系。
普段は夜や闇に関わる暗いエリアやフィールドでしか出現しないが、近年ではそれに逆らって、昼や明るい場所でも出現するようになっている。(元ネタの方のカーミラが日光を浴びても平気だからだろうか?)
外観はショートな金髪で蝙蝠の翼を形した耳、黒い蝙蝠マントに青いハイレグなレオタード、更に巨乳と言うほどセクシーな姿をしていて、その外観からにして多くのプレイヤーの中でも非常に人気が高い。
『うっふんぷりぷり』と言うHP上限を下げてしまう悩殺的かつ厄介な必殺技を持っている。
月読みの塔で、コレを喰らった後のブラッディウルフの全体攻撃を喰らってパーティが壊滅したプレイヤーは少なくないはず。
「カーミラクイーン」と言う高レベルの亜種が存在。海外名は「サキュバス」。
LoMではある条件を満たし、ある場所へ行くと、ペットモンスターとして仲間に加えられる。この時の名前は「ライア」。
性格を付ける事によって戦闘スタイルが異なるが、『親密+寂しがり』にするとプレイヤーに寄り添う状態になる。
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『ボクらの太陽』のカーミラ
ボクらの太陽シリーズで登場した女性キャラクター。ボクらの太陽とDSとで同名の別キャラクターがいる。
ボクタイのカーミラ
サバタに仕える赤い服を纏った物静かな少女。声は小暮英麻。
石化能力を持つ魔女であり、通称「死せる風運ぶ嘆きの魔女」。
「ボクタイ」ではボスキャラクターだが、「シンボク」ではヒロイン的存在である。
元は人間だったが魔女の力を持っていた為にその力を恐れた人間たちによって殺害されるも、伯爵の気まぐれにより復活し、イモータルおよびレディ・バンパイアとなった。サバタを慕い彼を守る為にジャンゴ達と敵対する。
ボクタイDSのカーミラ
シェリダン教授の屋敷で働いている顔色が悪く感情に乏しいメイド。声は無印シリーズと同じく小暮英麻が担当している。
ネタバレ
その正体は、禁断の魔法科学によって、遺体を実験材料にされて造られたヴァンパイアの奴隷である人ならざる人・人造人間にされた女性である。
生前はエレンという名前であり、かつてギルドの戦士・サルタナ(今はサバタ)が最も愛していた女性だったのだが、吸血鬼のボス・デュマにさらわれてその血を吸われてヴァンパイアの花嫁にされた挙句に殺されてしまう。
その後はストーカー男爵によって人造人間にされたのだが、自我を持ってしまったために失敗作とされ処分を待つ身とされた所をシェリダン教授に救われて彼の所で働くようになった。
余談ではあるが、攻略本の相関図によればサバタだけじゃなくて、ジャンゴやその父トリニティとも何やら関係があることをほのめかしており、一部ではジャンゴの実母という説があるとかないとか・・・。
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ゲゲゲの鬼太郎のカーミラ
CV/井澤詩織
6期鬼太郎においてカミーラ名義でシリーズ初となる女性吸血鬼(キーエフはアニメ未登場、ピーの奥さんは南方なので除外)として登場。
原作や過去のアニメシリーズにおける西洋妖怪軍団のドラキュラと同じ幹部ポジションである。
詳しい解説についてはこちらで。