キミのイメージが力になる
君の言葉が世界になる
信じるだけでいい
概要
聖剣伝説シリーズ外伝。
「ファ・ディール」と呼ばれる世界の一地方が舞台となっている。
代表的なシステムとして、「ランドメイクシステム」という、何も無いワールドマップ上にプレイヤー自身でオブジェクト(アーティファクト)を配置し、箱庭のように世界を構築していくシステムが印象的。主人公は男女の二択。
実際に、天野シロによる漫画版では、トトが机の引き出しの中で作っている箱庭が見られる。その時に置いてあるアイテムはゲームと同じものが置かれている。
従来の聖剣伝説シリーズはファイナルファンタジーシリーズやドラゴンクエストシリーズのような一本道のシナリオであったが、今作ではSa・Gaシリーズのようなフリーシナリオシステムを採用。
各イベントは1話完結の形を取り、それらのイベントが複数の大ストーリーに内包されている構成となっている(短編集をゲームにした感じである)。
また1回の戦闘でHPが全回復するなどどことなくSa・Gaシリーズのシステムを受け継いでいる面がある。
このため、それまでの聖剣伝説ファンには不評な部分もあるが、単純に単体のゲームとして見れば評価は高い。
特に幻想的・哲学的な世界観が特徴で未だ根強いファンをもつ。また、BGM担当は下村陽子氏。氏の作る神曲の数々は有名。攻略本のアルティマニアの本文と、亀岡慎一氏の描いた表紙の出来も素晴らしい。
本作以降、聖剣伝説シリーズには「◯◯ of MANA」のサブタイトルが付くことが定番となっていく。
実はこれは海外版タイトルでもあり、あちらでは「マナシリーズ」としてナンバリングも含めて全てこの形式となっていた。
タイトルの長さ故タグもかなり分散してしまっているが、「LOM」が一番ヒット数が多い。
HDリマスター
2021年6月24日、HDリマスター版が発売。
対応機種はNintendo Switch、PlayStation 4、Steam。
以下の追加要素・変更点がある。
- オープニングアニメーション追加。
- 背景や顔グラフィック、メニューUI等が高画質化され、16:9のワイド画面に変更。マップ上のキャラクターはドットのまま。
- BGMは新規アレンジ版とオリジナル版の切替が可能。
- ギャラリーモードとミュージックモードが追加。
- エンカウントOFF機能追加。イベントボス戦以外を全て回避できる。いつでも切替可能。
- どこでもセーブ&オートセーブ対応。
- 言語切替可能(8ヶ国語)。
- ポケットステーションで遊べた『リング・りんぐ・ランド』がゲーム内ミニゲームとして実装。
- メモリーカード内に他ゲームのセーブデータ※があった場合の要素がデフォルトで開放済。
- ※ レーシングラグーン&サガフロンティア2
- ※ファイナルファンタジーVIII連動のひなチョコボイベントは削除され、最初のペットはラビで固定。開発スタッフによれば、やはり聖剣の最初のペットはラビであって欲しいからとのこと。
- ゲーム内のパラメータはオリジナルの国内PS版ではなく、バランス調整された後発の海外PS版準拠になっており、事実上のインターナショナル版にあたる。
- そのため、栽培や武具の改造などで電子版で復刻されたアルティマニアの攻略が通用しない箇所がある。
- アップデートでフォント切り替え機能追加。デフォルト、PS版風のドットフォント、ペン字風フォントの3種類から選べる。
シナリオ
フリーシナリオで、全68イベントそれぞれが1話完結の体裁を為している。
メイン
宝石泥棒編
宝石を命の核として生きる珠魅という種族の存亡に関わる物語。全10話
後述のアニメ版はこのストーリーが元となっている。
ドラゴンキラー編
世界の秩序を司る知恵のドラゴンを殺すという大逆の物語。全5話
エスカデ編
4人の幼馴染の友情と恋と対立、十数年来のすれ違いの物語。全7話
サブシナリオ
- ニキータ編:金に執着する行商人ニキータの物語。
- バド&コロナ編:魔法使いの姉弟と共に、冒険を進める物語。
- ギルバート編:愛を語る詩人、ギルバートの愛の遍歴を追う物語。
- ディドル編:ジャグラーのカペラと、演奏者のディドルの友情物語。
- 海賊vs穴掘り団編:バーンズ率いる海賊とコンゴ率いる穴掘り団の、対立を中心に描いた物語。
- ドミナの町編:ドミナの町で起こる事件。
- 魔法学園編:魔法都市ジオにある学園の教師、生徒が関わる物語。
など。
キャラクター
CVは『聖剣伝説 ECHOES of MANA』および『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop crystal-』における担当声優。
メイン
※男女選択式でデフォルト名はどちらも「YOU」となっている。
漫画版では「トト」と「イム」、『聖剣伝説 ECHOES of MANA』および後述のアニメ版LOMでは「シャイロ」と「セラフィナ」という名前が設定されている。
NPC
マイホームの住人
ドミナの住人
レイチェル(CV:髙橋ミナミ) マーク(CV:保村真) ジェニファー
ユカちゃん(CV:久野美咲) メイメイ ヌヴェル(CV:家中宏)
マナの七賢人
知恵のドラゴン
珠魅
その他
ギルバート(CV:菊池正美) リュミヌー フラメシュ(CV:大橋彩香)
クリスティー(CV:大原さやか) サザビー(CV:金澤まい)
ザル魚君(CV:岩田光央) ルヴァーンシュ(CV:高野麻里佳)
不死皇帝 トーマ(CV:熊谷健太郎) トーナ(CV:土田玲央)
グラシエール ベル(CV:赤﨑千夏) マグノリア ルーイ 宝石王(CV:大塚芳忠)
種族
草人(CV:森永千才) 花人 珠魅 アナグマ 海賊ペンギン 豆一族
ランド
右側の【AF:】はアーティファクト名
- マイホーム【AF:ポスト】
- ドミナの町【AF:積み木の町】
- 断崖の町ガト【AF:炎】
- 月夜の町ロア【AF:蛍袋のランプ】
- 港町ポルポタ【AF:さびたイカリ】
- 魔法都市ジオ【AF:魔導書】
- リュオン街道【AF:車輪】
- メキブの洞窟【AF:ヒスイの卵】
- キルマ湖【AF:石の目玉】
- ジャングル【AF:獣王のメダル】
- デュマ砂漠【AF:砂バラ】
- 奈落【AF:震える銀さじ】
- ミンダス遺跡【AF:数秘術の石板】
- マドラ海岸【AF:サンゴの燭台】
- ゴミ山【AF:壊れた人形】
- ノルン山脈【AF:骨のカンテラ】
- レイリスの塔【AF:月読の鏡】
- 骨の城【AF:竜骨】
- ウルカン鉱山【AF:瓶詰の精霊】
- フィーグ雪原【AF:とけない心】
- 白の森【AF:滴る緑の杖】
- 海賊船バルド【AF:海賊のカギ爪】
- 果樹園【AF:黄金の種】
- 煌めきの都市【AF:玉石の王灼】
- ルシェイメア【AF:愛のブローチ】
- 焔城【AF:なし※】
- マナの聖域【AF:マナの剣】
※ イベント「真紅なる竜帝」時、奈落が変化
メディアミックス
漫画版
かつて刊行されていたファミ通ブロスでコミカライズ版が連載されていた。作者は天野シロ。
メインストーリーはドラゴンキラー編→宝石泥棒編→エスカデ編の順に進行している。
一部のキャラクターの設定がアレンジされていたり、ギャグシーンがちょくちょく入っているのが特徴。
小説版
あまたの地、あまたの人
2000年2月3日に『聖剣伝説レジェンドオブマナ あまたの地、あまたの人』のタイトルでファミ通文庫から発売された。著者は細江ひろみ。
メインストーリーはエスカデ編→ドラゴンキラー編→宝石泥棒編の順に進行している。
漫画版とは対照的に感情をあまり表に出さない静観的な主人公となっている。
2022年版
2022年10月7日に発売。著者は砂守岳央、イラストは天野シロが担当。
主人公はセラフィナで三大シナリオを中心とした物語になっている。
アニメ版
聖剣伝説シリーズ30周年記念生放送にて、本作のアニメ化が発表された。
タイトルは『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop crystal-』で宝石泥棒編をベースとしている。
主人公はシャイロで、もう一人の主人公としてセラフィナも登場する。
アニメpixivアカウントはこち
余談
- 当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)にはRPGの部門はあったが、意外にもアクションRPGのチームは無く、聖剣伝説シリーズも『聖剣伝説3』以降長らく作られていなかった。そんな状況下にあって、コマンド式RPGに飽きたり、アクションゲームが好きなスタッフが集まってチームが作られた。
- やり込みや世界観の考察等、かなり深みのあるゲームであり、一度プレイすると止まらない者が続出した。特にやり込み要素の一つである、武器防具の作成やゴーレム作成。武器・防具は開発陣の想定を超えており、開発の想定では「竜鱗」を使用した上で900前後の想定だったが、ネット上で研究が進んだ結果、攻撃力は1000を超え、中には2000を超える攻撃力の武器を作成する人も現れた。(ディオールの木、またはスウィフト隕石を使うと可能。ただし恐ろしい程の素材数と時間が必要となる。)
- 流石に想定外だったのか、日本版を元に調整を行った海外版では攻撃力に999の上限が設けられた他、様々なアイテムがナーフ調整されている。HDリマスター版は海外版を元としているので、武器の攻撃力等は大きく違う(アルティマニアに載っている攻撃力と大きく食い違うのはその為)。
- それまでの聖剣伝説シリーズとは違い、リングコマンドを戦闘中に使わない。代わりにマイホームにある一部の機能でリングコマンドは使用されている他、それまでは俯瞰視点をイメージして作られていたが、LOMはサイドビュー視点となっている。
- 必殺技もそれまで聖剣伝説で使用されていた物以外に、ロマンシングサガシリーズから持ってきた物が多数登場している。(「無双三段」や「乱れ雪月花」など)
- かなり自由度の高いランドメイクシステムは、起きるイベントや敵の強さ、店で販売する物等にも関わってくる。イベントが消滅し辛いランドメイクや、攻略を考慮したランドメイクなどの研究がゲーマーの間で行われていた。
- ポケステでプレイ出来る「りんぐ・りんぐ・らんど」以外にもゲーム中にプレイ出来るミニゲームがあり、ランドメイクの画面でL1を押し続ける事でプレイ出来る「ランドでぽこぽこ」や特定のイベントをクリアすると遊べる「シャドウゼロを捕まえろ!」等がある。
- 数々の文字はドット打ちで作られており、LOMならではの雰囲気を出している。リマスター版の画像が出た際、そのフォントを使用しておらず数多くの意見が開発陣の元に寄せられる事となった。その願いは届き、原作版と同じフォントを選べるようになっている。このフォントはアートディレクターの津田幸治が作成しており、「津田フォント」と呼ばれている。
- なお、当時と現在ではフォントに構造的な違いがあり、ただ差し替えれば良いと言う物では無い為に工数的な視点でオミットされた物と思われる。実際、津田フォント実装までには、かなりの時間を要している。
- 実は最初は主人公は8人出そうとしていたが、流石にムチャと言う事で4人に決定した……が、スケジュール的に無理なので2人になった。武器も15種ほどの武器を考えていたとされるが、同様の理由でかなり削られている。(それでも11種類あるが)
- 音楽も高評価で幻想的な多い反面、ボス戦等は非常にロックな激しい音楽となっている。これはボス戦はプロレスで!と言う注文だったのだが、作曲の下村陽子氏は非常に苦戦した様だ。
- 本作自体は高評価で続編の計画も立っていたが、FINAL FANTASY Ⅺに一部のスタッフが異動した事に加え、FINAL FANTASY Ⅷの売上以降に起きたスクウェアの販売戦略を良しとしなかったスタッフが多数抜けている。LOMスタッフも例外ではなく、「ブラウニーブラウン」を任天堂の出資で設立している。以後の聖剣シリーズは新作が出る度に注目されるも、好評とは言えない評価が続いてしまう事となる。
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10分振り返り
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サガフロンティア:本作のモンスターの一種、マンドレイクとグルームモスの初出演作。
チョコボ:本作ではモンスターとして出演。
外部リンク
- PlayStation版紹介(スクウェア・エニックス 公式サイト)
- リマスター版公式サイト
- ゲームアーカイブス版紹介(スクウェア・エニックス 公式サイト)
- 『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop crystal-』公式サイト
- wikipedia