「I'm a magical princess from another dimension!」
「ウチはね、別の次元から地球にやってきた魔法の国のプリンセスやね!」 LJN
概要
本作の主人公。
魔法の国ミューニから地球へやってきた、おてんばで好奇心旺盛なプリンセス。
髪は金髪のロングヘアーで、2本ツノの生えた赤いカチューシャを付けている。瞳は青で両頬はハート形に高揚している。日本のファンからはよく、口を開けて笑った顔が某有名氷菓子のパッケージに似ているといわれる。
底抜けて明るくいつも笑顔を絶やさないが、幼少期にベビーシッターから自身の戦争経験を聞かされて育ったため、悪魔たちを素手で圧倒したり野生のユニコーンを手懐けたりとかなりアクティブでもある。しかし全く粗暴かというとそうでもなく、びっくりしたときに口を手で押さえたり、自分が間違ったと思った時はすぐ謝れる素直で優しい心も持ち合わせている。
煩悶する時にこめかみを引っ張りほっかむりのようにする癖があり、その時の見た目はいつもと違った印象がある。
14歳の誕生日に母親から王家の宝である「魔法のステッキ」を授けられる。
国王である両親からは強力な力を持つステッキを上記のような性格のスターがうまく使いこなせるか心配されていたが、案の定渡した直後に大惨事を起こしたため、平和な異世界で冷静さと責任感を養うように言い渡され、地球の学校に通うことになる。
地球の文化に疎いスターは目に映るもの触れるもの全てが物珍しく、そうした一般常識を教える人物として入学予定の中学校に通う同い年のマルコ・ディアスが抜擢され、スターは彼の家にホームステイすることになる。がマルコを喜ばせようとした魔法のことごとくが裏目に出たため怒ったマルコに家を出て行かれてしまう。マルコを見つけ謝罪するもシーズン1の"悪の勢力"であるルードたちが襲来する。が、カラテをきわめたマルコはルードたちを一蹴する。こうして地球最初の相棒としてスターとマルコのチームが誕生した。
スターの変心
イデオロギーの変遷
当初は征服者の娘のように怪物に対し征服し権利を勝ち取ったことに何の疑問も抱かなかったが、ミューニ記念日の絵本の内容(冗談抜きにmonster massacreと言われている)にマルコに疑念を呈されたことや地球暮らしの中でミューニの価値観から離れたことで、怪物と人間との関係に疑問を感じるようになる。
シーズン2でたくさんの赤ん坊を抱えることになった筋肉ガエルのベビーシッター代わりを務めるなど、喧嘩腰のそれまでの態度を軟化させていた。そして、怪物を一方的に排斥するミューニの風潮に疑問を感じて融和の為の方法を模索するようになる。そのためシーズン3以降、最高権力者の娘にもかかわらず反体制派という持ち前の行動力を別の方向に活かすことになる。
この異種族間の問題提起が「悪魔バスター★スター・バタフライ」がシリアス方面に進むことになった大きな理由の一つである。
融和の為の会合を開いては現実に打ちのめされる中で、当初の無鉄砲に暴れ回っていた人間性が隠れ、理想を現実に落とし込むために為政者然とした性格になっていった。
恋情の行方
当初からマルコのあこがれはジャッキーであり、ジャッキーとマルコが良い関係になるように応援したり手伝いをしたりしており、自分もキーター(和製英語でショルダーキーボード)を弾くオスカーに憧れていた。
しかし「私って魅力ないのかな…」「知ってる中じゃ一番だと思うけど?」などマルコの優しさにほだされているうちに、憧れはオスカーだが実際好きなのはマルコという感情を抱えることになる。(「真実か断罪の箱」にて"誰に恋しているか"を自白する場面で、最後まで嘘をついていたのはスターだった)
のちにマルコとジャッキーがデートに行った際には、マルコに不在通知を57件も残した挙げ句にイクリプサの禁呪”全てを見通す目”を使い二人の様子を盗み見る。二人が仲よさげにスケボーに乗っていることに嫉妬と悲しみを覚え、緑色に変色した魔法を打ち込んでしまう。
↓はハッキリと嫉妬に気づいた瞬間
以降マルコとジャッキーの間柄は深まる一方、ことあるごとに同席するスターはその様を見せつけられる。なんとか自分の感情に折り合いをつけようとするが、敵の復活による危機がそれを許さなかった。
↓は「スターは親友に恋をしている」とミューニ中に晒されてしまった
↓はシーズン2最終話の例のシーン
スターはシーズン3で心の中で区切りをつけたにもかかわらず、今度はジャッキーと別れたマルコがミューニにやってきた。マルコとのことは終わったこととしてトムと寄りを戻していたため、三角関係とも言えない混沌とした間柄になってしまった。
死亡、そして復活
ステッキの片割れの宝石に潜むトフィーにそそのかされ魔法の本を焼きバタフライ城を軍事占拠するルード。しかしルードは自分の意志と関係なく操られ本意でないことをさせられることを恐れていたため、スターに解決を頼む。スターはルードを欺く形で(宝石からは解放するが、皆が自分を受け入れてくれるかという問いには否定した)囁きの呪文によりルードの手と融合した宝石を破壊する。
暗く淀んだ世界でスターを先に待ち構えていたのはトフィーであり、スターが記憶の空間で回収したトフィーの中指と引き換えにスターを復活させるという取引に乗り、ムーンは物置から回収していたトフィーの中指を渡す。しかしトフィーにスターを復活させるつもりはなく、黒く炭化した宝石を砕き「彼女は死んだよ」と言い捨て立ち去る。
魂はあるものの肉体が消滅してしまったスターは事実上の死を迎えたが、用語集さんの介入によって魔法の深淵から黄金のユニコーンの魂を取り出す。宝石の砕かれた魔法のステッキは新たなものとして生み出され、スターはポテンシャルを完全に引き出した状態で復活した。その力はトフィーを一撃で撃破するほどで、ゾンビのように再生しようとするトフィーはルードに瓦礫の下敷きにされ完全に死亡した。
簒奪者の末裔
クリスタルの力を操る魔法委員会のロンビュラスがトフィーによって魂を吸収されていたことで、第29代女王にして邪悪な存在とされるイクリプサ・バタフライの封印が解けた。
イクリプサと話をしたことで、言い伝えにあるような邪悪な存在ではないと思うスター。
彼女と共にミューニの歴史に隠された娘・メテオラの処遇を、イクリプサの罪を裁くという裁判を逆に利用し暴くことを画策する。
追い詰めた魔法委員会から、メテオラは農民の娘と取り替えられその子供を次代女王として王権を存続する…という判断を、魔法委員会と当時の王族とで決定したことを明かされる一同。
つまりムーンやスターはイクリプサからの血のつながりがない存在であることを示唆された。
スターは血統が連なってない以上自身の王族としての正当性はないとショックを受ける。
バタフライ朝第37代女王
メテオラ・バタフライは怪物とイクリプサとの間に生まれた娘で、本来の王位継承者であった。
ミューニの王権を奪い返そうと目論むメテオラとの戦いのさなか行方不明となるムーン。
本人は女王代理(ACTING Queen)であることにこだわるが、役割を引き継げるのはスターしかいなかった。最凶の敵により母を失い王位に就くというムーンの過去をなぞるように、スターは暫定的に第37代女王となった。
時間稼ぎをするマルコの魂が奪われ絶望するスターを、トムは魔界に避難させようとするが風に流される国民達のぬけがらを見たスターは、女王としてメテオラを止めるべく戦いを挑む。
死闘の末、母親であるイクリプサによって倒されたメテオラ。スターは泣き崩れるイクリプサに跪き、本来のバタフライの血統であるイクリプサに魔法のステッキとともに王位を返還した。
在位4日の女王だった。
母をさがして
メテオラが暴れ回っていた頃、魔術の深奥の中で前後不覚になりながら行方不明のムーンを発見するものの、結局サルベージに失敗したスター。
イクリプサに譲位し立場的な制約が無くなったリバー、マルコと共に改めてムーン捜索に乗り出す。
宮廷楽師の実家がある火山の麓でパイを焼いている女性がムーンであることを突き止めるが、記憶喪失でスター達のことを何も分からない様子だった。しかし、かすかに記憶を取り戻したことで確信を持ったスター達はムーンの奪還に成功する。
新バタフライ城に招き入れ食事会の中でイクリプサと談笑するムーンを見たスターは、これまでの自分がしてきたことが無駄ではなかったと感じ感極まる。しかしその成長したスターを見たことで、ムーンはリバーと共に簡易住宅で隠居することを決めた。
イクリプサの庇護者として
イクリプサに譲位したものの、邪悪な存在として歴史上忌み嫌われてきた彼女に対しては反発が多く、イクリプサの人柄を知ってもらうことで新たな心証を得てもらうためのPR活動を行う。当初はとりつく島もなかったが次第にその人柄が受け入れられていく。その一方でイクリプサは、夫のグラブゴーを解放することやメテオラの養育を女王としての立場より優先する傾向があり、それをスターがたしなめる場面が多くなる。
価値観の衝突
スターはイクリプサの補佐として多忙であるとはいえ新しい拠点や施策の開発を優先しているため、バタフライ城址は放棄されたままで周辺地域は(ムーンが統治していた頃からスラムはあったが)火事場泥棒が横行する無秩序な状態になってしまった。
パラダイムシフトしつつあるミューニで、それまでの生活基盤が失われた者を生み出したことや歴代女王による伝統が蔑ろになっていることで新たな対立者を生み出してしまっている。
スターの呪文
シーズン2までのエンディングテーマ
で登場するカタツムリやピンクの雲といった存在は、すべてスターの魔法が生み出した召喚獣のようなもの。
だいたいはスターのオリジナル呪文でできているので、スターのまねをして同じ技を使うことはスター並のポテンシャルがなければ不可能。その一方勉強嫌いなので魔法の本に書いてある呪文を覚えて使うことに消極的。
普段は円筒の集合住宅に住んでおり、筋トレをしたり他愛のない会話をしたり時々パーティーを催したりするが、スターに呼び出されるという有事の際には魔法の経路を通り魔法のステッキから呪文として射出される。
のちにステッキを持たない状態でも手から直接放てるようになった。
いっかくブラスト Narwhal Blast
虹と共に大量のイッカクが飛び出して敵にぶつかる呪文。
父と子供達がおり、スターのさじ加減でどれだけ呼び出されるか決まる。メガ・いっかくブラストという全力版も存在する。
カップケーキブラスト Cupcake Blast
アラート音の後に緑色の爆発を起こす時限式のカップケーキを設置する呪文。
ふわふわふりふりジェリービーンズの雨 Jellybean Hallucination Mist
薄緑色の霧を吹き付けられた相手は視界がきらきらしたジェリービーンズでいっぱいになり今自分が何をしていたか混乱して何も考えられなくなる。
囁きの呪文 Whispering Spell
ムーン女王より最初に教えられた、魔法のステッキを破壊し自爆させる呪文。
ステッキを動かすユニコーンの魂を解放する代わりに、周囲にいる誰かの魂を星のクリスタルに閉じ込める。
戦うユニコーンの行進 Warnicorn Stampede
筋骨隆々のウォニコーン(ミューニに棲む軍馬的なユニコーン)を5頭召喚し敵を轢く。
スターの攻撃魔法の中でわりと大技。
ウォニコーンたちは、普段はベンチプレスなどをして筋肉を鍛えている。
シルクハットスパイダーブラスト Spider With A Top Hat Blast
スターとっておきの呪文。
普段全く呼ばれないので小さな体だからにぎやかし要員だろうとコメディリリーフに回るも、密かに活躍を求めて体を鍛えている。
日本語版では可愛い感じの声色だが英語版ではしっかりしたおっさんの声である。
全てを見通す眼 All-Seeing Eye
イクリプサの書き加えた禁じられた魔法。見たいものをどこにいても見ることが出来る。
スペルたちの知られざる生態を盗み見て記録していたためサークルクラッシャーと化した。
スターの能力
地球で言う思春期(ミュニ春期)に衝動を押さえられなくなった時や、魔法の力が最高潮に達した時に6本の腕・蛾の羽・ハートの触角が生え、紫を基調に体色が変化して蛾の怪物のような形態に変身する。暴走状態であり、体から青紫色のハートがとめどなく溢れ、男を見てはさらって粘着質の糸で身動きがとれないようにしておくなど本能に忠実な行動をとり、学校を大混乱に陥れた。力の制御が未熟なスターは任意でこの形態になれないが、母親のムーンは力を使いこなしているので随意に変身できる。
その一方、相次ぐ不祥事(魔法の本を奪われ、魔法のステッキを破壊した)により地球滞在より訓練すべきと考えるムーンと、自由にやらせたいリバーの意見を折衷し、査察官の審査によって送還の是非を決める際には、査察官に「正しい呪文は覚えず大学ノートを魔法の本と言い張りだらしない生活をしている上、王族にあるまじき失態を犯した」と酷評される一方で「ムーンをはるかに凌駕した魔法の力はイクリプサ以来初」と称された。
魔法の深奥から黄金のユニコーンの魂を手に入れ真の力を解放したスター。
ミュニ春期の時と違ってハートの触角ではなくヘアバンドの角が伸び、全身から金色の光が溢れる神々しい形態になった。
関連タグ
悪魔バスター★スター・バタフライ / Star_vs_the_Forces_of_Evil
スターバタフライ(表記揺れ)