概要
GA文庫レーベルのライトノベル。作者は海空りく、イラストは「をん」。
作者曰く「異能バトルでスポコンもの」。ライトノベルとしては珍しく、主人公×ヒロインのカップリングが固定されており、トーナメント戦を勝ち上がっていく少年漫画的な作風が特徴。
原作小説は2018年11月時点で既刊15巻+短編集1巻。
コミカライズがスクウェア・エニックスの電子漫画雑誌「ガンガンONLINE」にて連載中。
また、GA文庫創刊10周年プロジェクトの一環としてテレビアニメ化もされた。
あらすじ
己の魂を魔剣に変えて戦う現代の魔法使い≪魔導騎士≫
魔導騎士の養成学校「破軍学園」に通う黒鉄一輝(くろがねいっき)は、能力値が低すぎて留年した≪落第騎士(ワーストワン)≫だった。
そんな彼は、ある日、ヴァーミリオン皇国の皇女、ステラ・ヴァーミリオンから「敗者は一生服従」という決闘を一方的に挑まれる。十年に一人の天才と呼ばれるステラとの勝負の結果は誰の目にも明らかのはずであったが、しかし、彼は勝利してしまう。
一輝は魔法の代わりに剣技を極めた、異端の実力者だったのだ。
才能の不足を圧倒的な努力で克服し、騎士の高みを目指す一輝の姿に、ステラは次第に惹かれ初めていく…。(公式サイトより)
主な登場人物
破軍学園
- 黒鉄一輝:逢坂良太 「落第騎士(ワーストワン)」「無冠の剣王(アナザーワン)」
- ステラ・ヴァーミリオン:石上静香 「紅蓮の皇女(ぐれんのこうじょ)」
- 黒鉄珠雫:東山奈央 「深海の魔女(ローレライ)」
- 有栖院凪:浅沼晋太郎 「黒い茨(ブラックソニア)」
一輝のクラスメイト。ステラに勝利した事から彼に興味を持ち、新聞部を一人で立ち上げて、彼やステラを追いかける。その一方で、一輝たちの対戦相手を調べてはそれを提供する情報屋も務める。
最後の侍〈ラストサムライ〉の異名を持つ非伐刀者の剣豪の娘。スランプに陥っていた所に一輝の噂を聞き、弟子入りする。
- 葉暮桔梗・葉暮牡丹
校内選抜戦を共に全勝で勝ち進んだ双子の姉妹。桔梗はCランクの槍使い、牡丹はDランクの二丁拳銃使い。
生徒会長であり、昨年の七星剣武祭ベスト4・学内序列第1位の実力者。戦闘時は苛烈だが、普段は面倒見の良いお母さんのような性格。自身の伐刀絶技から「雷切(らいきり)」の異名を持つ。
「観測不能(フィフティ・フィフティ)」。生徒会副会長で、刀華とは同じ孤児院出身の幼馴染み。「自分の力や行動で起こりうる可能性であれば運命を改変出来る」という能力を持っているが、その性質もあって学内選抜戦には参加していない。
生徒会会計であり、日本屈指の資産家の一つ「貴徳原財団」の令嬢。常に白いドレス姿で、帽子と日傘で顔が隠れている。学内序列第2位の実力者であり、テロリストと交戦経験も豊富。異名は「紅の淑女(シャルラッハフラウ)」
生徒会庶務で、常に体操服姿の元気娘。学内序列第3位で「速度中毒(ランナーズハイ)」の異名を持つ超スピードタイプ。
生徒会書記。学内序列第4位で「城砕き(デストロイヤー)」の異名を持つパワーファイター。
昨年の破軍学園の七星剣武祭代表生で、一輝への虐めの主犯格。確実に勝てる相手を徹底的に痛めつけて倒し、勝てない相手とは戦わずに棄権するゲスな性格。完全ステルスという強力な能力を持つ。騎士にあるまじき戦い方から「狩人(かりうど)」の異名を持つ。
教員
破軍学園理事長。「世界時計(ワールドクロック)」の異名を持つAランク騎士。元世界リーグ3位の実力者だが、結婚・出産を機に引退した。近年、七星剣武祭で成績が振るわない破軍学園を立て直すために大改革を行っており、その中で一輝の実戦スキルに目を付け、高く買っている。
世界リーグ現3位。「夜叉姫(やしゃひめ)」の異名を持つAランク騎士。黒乃とは過去の七星剣武祭で戦った仲であり、その縁で破軍学園の臨時講師を務め、さらには七星剣武祭の学内予選では立会人兼解説を務め、その解説は的確。ただ、愛らしい(きれいな言い方)顔立ち、着物を常に着崩しているファッションセンスの無さ、解説者席でのいいかげんな態度が目立ってしまっているどころか、解説者席から平気でトンヅラこいては黒乃を激怒させることもしばしばある。
一輝のクラス担任。「死の宣告(ジョリーロジャー)」。かなりの病弱であり、よく吐血して倒れるため、輸血の準備が欠かせない。
だが、その苦しみを対戦相手に押しつけるという、けっこう恐ろしい能力を持つ。
他校の強豪
「剣士殺し(ソードイーター)」。貪狼学園のエースで、昨年の七星剣武祭ベスト8に残った強者。不良グループのリーダーでもあり、あちこちで剣士相手に道場破りを繰り返している。
- 諸星雄大
「浪速の星(なにわのほし)」。武曲学園のエースであり、昨年の七星剣武祭を制した七星剣王。事故で両足を失った事から1度は引退したが、魔力による治療と地獄のようなリハビリを耐え抜き、カムバックした逸話を持つ。固有霊装は槍型で、魔術を封じる能力とともに「雷切」を完封するほどの槍術を武器に戦う体術型の伐刀者。
- 城ヶ崎白夜
諸星と同じ武曲学園の生徒で、昨年の七星剣武祭準優勝者。テレポート系の能力者で、リングアウト勝ちのある七星剣武祭などの公式戦では非常に強力。事前の分析を元に相手の行動を完璧に掌握する戦闘スタイルから「天眼(てんがん)」の二つ名を持つ。
- 浅木椛
諸星と同じ武曲学園の生徒で、昨年の七星剣武祭3位。ステラと同じ炎系の能力者で、忍者のような体術を使用する。
- 薬師キリコ
廉貞学園の代表生で「白衣の騎士(はくいのきし)」の異名を持つ卓越した水使い。騎士は本業ではなく2年間公式戦には出ていなかったが、学園側の依頼で出場することになった。
- 加我恋司
禄存学園の代表生。身長236cm、体重370kgの並外れた巨漢で「鋼鉄の荒熊(パンツァーグリズリー)」の異名を持つ。固有霊装は褌型で、相撲を格とする体術型の伐刀者。小学生リーグ時代から王馬や諸星と面識があり、特に当時一度も勝つことができなかった王馬に対抗心を燃やしている。
- 鶴屋美琴
巨門学園の代表生で、昨年の七星剣武祭ベスト8。「氷の冷笑(こおりのれいしょう)」の異名を持つ実利的な騎士で、一輝やステラには対等な条件では勝つことができないことを明言している。固有礼装はモノクル型で、魔術主体の伐刀者。
暁学園
- 黒鉄王馬
「風の剣帝(かぜのけんてい)」。一輝・珠雫の兄。日本人学生では唯一のAランク騎士であり、小学生時代には世界大会を制した実績を持つ。中学進級後は表舞台に出ることは無かったのだが、ステラと戦うために暁学園へ加わる。ひたすら強さのみを求めるストイックな性格で、一輝を「ペテン師」と断じている。
- 風祭凛奈
「魔獣使い(ビーストテイマー)」。日本屈指の資産家の一つ「風祭財団」の令嬢。眼帯を付け、無駄に小難しい言葉遣いをする中二病患者で、メイドのシャルロットによる通訳が欠かせない。動物を霊装化させる能力を持つ反面、自身の戦闘能力は低い。
- サラ・ブラッドリリー
「血塗れのダ・ヴィンチ(ちぬれのダ・ヴィンチ)」の異名を持ち、固有霊装も筆型の変則的な伐刀者。上半身だけ見れば裸エプロンというきわどい格好の女性。一輝をある絵のモデルとして見定めた事からヌードになれと迫ってくる。本人は「筆より重い物は持ったことが無い」と言う程のひ弱さだが・・・
「凶運(バッドラック)」。中性的な雰囲気の少年。最初は一輝のファンと名乗り、フレンドリーに接してきたにも関わらず、一輝は嫌悪感を抱いている。選抜戦を全て不戦勝で勝ち上がったという不気味な経歴の持ち主。
- 多々良幽衣
幼少期から裏社会で過ごし、凶暴で好戦的な性格を持つ少女。固有霊装はチェーンソー型で、戦闘特化の反射系能力と鍛錬による並外れた動体視力を武器に戦う。
- 月影獏牙
暁学園理事長にして現・内閣総理大臣。かつての破軍学園理事長でもあり、黒乃は当時の教え子にあたる。その能力や真意は黒乃ですら知らない。
その他
一輝の曾祖父であり、かつての大戦で日本を勝利させた大英雄。魔力の無さ故に両親からも見捨てられていた一輝を励まし、その道を示した。
一輝達の父で、国際魔導騎士連盟日本支部長。非常に厳格な性格であり、かつて一輝に「何も出来ないお前は、何もするな」と言った。自らも「鉄血」の二つ名を持つ伐刀者。
- エーデルワイス
「比翼(ひよく)」。世界最強と言われる女性騎士であり犯罪者。その実力は黒乃や寧音ですら恐れ慄き、騎士連盟も捕まえることすらあきらめた程。解放軍と繋がりがある一方で、無闇に人を殺さないどころか積極的に守ろうとすらするなど、今の所その真意は分からない。彼女との戦いが後に一輝をさらなる高みへ歩ませることとなる。
アニメ
2015年10~12月に放送。制作はSILVERLINK.とNEXUS。
OPテーマ「アイデンティティ」(作詞・作曲・歌:酒井ミキオ)、EDテーマ「波羅蜜恋華」(作詞:宝野アリカ、作曲:片倉三起也、歌:ALIPROJECT)。
全12話で、原作1~3巻の部分+αを描いているが、大まかな出来事はそのままにしつつも、一部順序の入れ替えなど改変が多く行われている。
また、反乱軍(リベリオン)や王馬など本格登場が4巻以降となる部分は簡略化したり、変更したりしている。