立憲民主党(日本)
りっけんみんしゅとう
経緯
2017年の衆議院議員総選挙を目前に民進党は党内部のごたごたなどもあり勝利は不可能との予測がされており、党勢の回復が党運営の課題となっていた。
それを見た民進党代表の前原誠司は希望の党への合流を提案、「民進党の出馬予定者は全員希望の党に全員合流する」と説明し、党所属国会議員の同意を得たものの、希望の党代表である小池百合子は「憲法改正」、「集団的自衛権への賛成」そして「他の政策は党代表へ一任する」ことを合流条件に提示した。さらに維新の党と協定を結び「大阪府には共倒れ防止のため候補者を立てず、東京都には維新の候補は立てない」ことを約束してしまった。
これにより一部の党員、具体的には民進党リベラル派や大阪府から出馬予定であった候補者の大半などが合流を拒否、あるいは不可能となり、これにより民進党国会議員団は分裂することとなった。
また、北海道など、「野党共闘が比較的成功していた地域」からも不満は続出した。
「党首自らによるクーデター」と言えるこの事件は、右派に属する前原がリベラル派を排除することを目的としていたとみる人も存在する。
そしてこの流れを受け、民進党から立候補するはずであった候補者は4つに分けられる。
- 希望の党の推薦を受け立候補( 鞍替えなども発生する場合がある )
- 無所属での立候補( 比例区からの出馬は不可能となり、不利な面も存在する )
- 立候補を取りやめる( 準備に費やした費用や時間が無駄となる )
- 新党を立ち上げる( 分裂は不可避となり、希望の党との合流が不可能となる )
この「新たな党」が、先の民進党代表選で敗れた枝野幸男が党首となった立憲民主党である。
この時点では、参議院を中心に民進党そのものは継続していたが、主要メンバーが立憲民主党に移籍し、2018年に希望の党と合流して国民民主党となり、消滅した。
デビュー戦でもある48回衆議院選挙では共産党の票を食って議席数を伸ばした。しかし、直後に当選した所属議員のセクハラ問題が相次いでスクープされて支持率が伸び悩み、「自民一強」の政局を揺るがすまでには至っていない。
しかし、それでも野党の中で第一党の支持率を得ており、迷走気味の希望の党や民進党とは一線を画していた。更に、民進党との野党共闘は拒否する一方、個人での加入に関しては容認する立場をとっているので参議院議員からも相次いで立憲民主党に加入している。
沖縄県知事選でのオール沖縄候補の勝利とその後の政府の辺野古埋め立て強行への反発、安倍内閣が入管法改正や消費税増税を断行したことへの不満の高まりなどを受け、2018年末に若干の支持率回復をみた。
しかし、2018年4月末からの行き過ぎた審議拒否の濫発に端を発する支持率の急減を全体として留めるには至らず、2019年4月には4%台まで下落。それでも野党第一党ではあるもののもはや野党が機能していないという状況である。特に近畿圏に限定すれば日本維新の会に逆転されておりこの流れが全国に波及しかねない状況である。
同時に一部支持者が他の野党支持者(特に旧・自由党支持者や山本太郎のれいわ新選組)に対して攻撃する行為がツイッター上で散見されており、これも支持率を下げている要因となっている。
政策
立憲民主党は「立憲主義の回復」を旗印にしており、旧民主党の右派と左派が同居する包括政党としての性格を継承しつつ、保守派の多くが抜けたことから相対的に左派色の強い政党となった。
民進党が取り組んできた日本共産党などとの野党共闘は継続する方針を示しており、マスメディアなどではリベラル派政党とみなされることが多いが、枝野は「右でも左でもなく民主主義と立憲主義を前に進める」政党であるとしており、亀井亜紀子など保守・右派的傾向の強いとされる人物も合流している。旧民主党時代には「共産アレルギー」をうかがわせる発言を繰り返していた野田佳彦も、衆院会派「無所属の会」の解散に伴い合流の意向をほのめかしている。
一方で本党には有田芳生のように左翼と見なしてよい議員も所属しており、枝野と福山哲郎の両名に代表される中道を軸に、右派から左派までを幅広く包括する政党と見なすべきであろう。
故に日本共産党や社会民主党などに在りがちな護憲左翼と異なり、自衛隊明記の安倍加憲に反対しながらも立憲的改憲を進めている政党とも見れる。
しかし、立民が野党共闘を行わない現状に野党間から批判が上がっている状況も多く、今後は国民民主党や自由党とと纏まるのか不安視する支持者も多い。
尚、国民民主党と自由党が統一会派を組んだ事で自由党と統一会派を組んでいた社民党が立民と統一会派を組み、様子は大きく変貌する。
しかし、護憲左派政党になる危険性が右派の支持者からも多くあり、小林よしのりなどがそれを批判している。