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阪急7000系の編集履歴

2019-10-03 17:58:02 バージョン

阪急7000系

はんきゅうななせんけい

阪急電鉄が保有・運用している通勤形車両。ここでは、京都線所属の姉妹車両7300系についても紹介する。

概要

阪急7000系は、阪急電鉄(阪急)が1980年から阪急神戸線阪急宝塚線(神宝線)系統で運用している通勤形電車。特急から普通電車まで広く運用されている。6000系とほぼ同一仕様の車両で、違いは制御方式が回生ブレーキ付き界磁チョッパ制御になったことである。1988年までに合計210両が製造され、1系列としては阪急史上で最多車両数である。当初は普通鋼製で登場(※7000F~7010F・7020F・7030Fが該当)し、1984年以降製造分の車両はアルミ合金製となった。ただ、同一塗装なので外見からでは見分けはつかない。


派生系列として阪急京都線仕様の阪急7300系(詳細は後述)が1982年から1989年にかけて合計83両が製造された。7000系は東芝製の電装品を装備しているのに対し、7300系では従来の慣習に基づき東洋電機製造製の電装品を装備している。7300系は初期に製造された12両が普通鋼製、残りの車両がアルミ合金製である。


系列ごとの特徴

阪急7000系

もともとは0番台が8両固定編成、20番台が6両固定編成、30番台が2両固定編成という区分がなされていたが、車両の増備による番号の不足と編成組み替えの過程で0番台・20番台の区別は実質なくなった。神戸三宮・宝塚(神宝)方先頭車は電動車であるのが基本だが、2両固定編成のうち30番台の編成については、当初から神戸三宮・宝塚(神宝)方先頭車がモーターなしの制御付随車となっている。


普通鋼製車両については1999年から2013年にかけてリニューアル工事を、アルミ合金製車両については2016年から順次リニューアル工事を実施している。工事メニューが年度ごとにバラバラであるため、同一形式ながら様々なバリエーションが生まれる結果となった。


7016Fの2両、および7025Fの2両は能勢電鉄へ移籍、6000系中間車と組み合わせて2018年より「能勢電鉄7200系」として営業運転に入っている(概要は「7200系」の記事を参照)。


編成表

8両編成6両編成4両編成(1)4両編成(2)4両編成(3)2両(Mc-Mc)2両(Mc-Tc)
初期更新車阪急7000系70037001
大規模工事車(1次)阪急7000系原型車 正面画7000(※) 7002 7004
前面改造車阪急7000系リニューアル車 正面画7007 7008
大規模工事車(2次)阪急7000系リニューアル車7010F 正面画7009(※) 7010 7020
VVVF改造車阪急7000系 7119F7011 7012 7013 7014 7015 7019 7021 7022
京とれいん編成阪急電鉄7006F(京とれいん雅洛)【修正版】7006
未更新車7018 70277017 70237024 7026703170057030 7032~7037
元2200系編入車【HD阪急35】阪急省エネ時代の先駆車【2200系】7090

特筆事項

  • 大規模工事車(1次):開閉予告ランプの設置や客室扉・妻面の化粧板側面のドアの窓の拡大等のリニューアルを実施。日よけはロールカーテンに変更されたが、鎧戸時代と同じく上昇式のままとされた。7000F以外の2編成は化粧板と床の配色を変更した。
  • 前面改造車:方向幕のフルカラーLED化、座席に定員着席を促す仕切りを設置やパワーウィンドウを設置するなど、新車と見間違うほどのレベルの改造が行われた。内外装は9000系に準じる。
  • 大規模工事車(2次):前面改造車の登場以降にリニューアルを実施したグループだが、改造内容はやや控えめとなった。7009Fは車内案内表示器がLED。それ以外の2編成は足掛け板の設置や車番の移設が実施されたほか、内装も前面改造車と同等のものに。
  • 京とれいん編成:下記参照。7006F。
  • VVVF改造車:アルミ合金製の車両に順次行われている。内装は1000系(2代目)と同等になったほか、制御機器類も1000系と同じものへ換装され、VVVFインバータ制御となった。
  • 4両編成:(1)は両側の先頭車が電動車の編成、(2)は中間車2両が電動車の編成、(3)は大阪梅田方からMc-T-M-Tcの編成である。(3)の7031Fの中間車・7516号車は「暫定付随車」(暫定T)扱い。
  • 元2200系編入車:7090Fの両先頭車は元2200系であったが、阪神淡路大震災後に6000系へ改番・編入、2019年の定期検査後に7000系へ再び改番・編入された。中間車は6000系編入時に7000系の他編成から捻出している。

備考(登場当時)

  • 7001F・7003F・7006F・7016F・7017F・7020F・7022F・7023F・7027Fは当初6両編成で登場。
  • 7003F以降は冷房の吹き出し口が部分的にスイープファンになった。
  • 7005Fの7105・7585号車と7012Fの全車はボルスタレス台車の試験車である(現在は他の編成と同じ台車に交換済みで7012Fは2009年に5200系の台車に履き替えている)。
  • 7010Fはドアチャイム試験車で、現在採用されているドアチャイムよりも高音のチャイムが鳴る(現在はリニューアルによって消滅)。
  • 7011Fなど側面の客室扉に縦のステンレス帯が設置されていない車両が在籍したもののリニューアルにより消滅。
  • 7012Fからは冷房の吹き出し口が青銅色になる(7011F・7021Fは銀色)。
  • 7012F・7013F・7015Fはドアチャイム試験車で、現在採用されているドアチャイムよりも低音のチャイムが鳴る(いずれもリニューアルによって消滅)。また、7012Fはリニューアルと同時に小窓の設置工事をされた。
  • 7016F・7017F・7024F~7026F・7031F~7037Fは補助電源装置がSIVである。
  • 7021Fは1985年に6両編成で登場。同年6000系中間車2両を組み込み8両化。約30年後の2015年に7001Fの6両化で余剰となっていた7551・7581号車と前述の2両を交換し、7000系8両に統一。

7006Fの「京とれいん」化

2018年5月22日に阪急電鉄HPのニュースリリースより、「京とれいん」の2編成目を導入することが発表され、その編成を7000系から捻出・改造することが発表された。同年12月には車両愛称を「京とれいん 雅洛」と命名、2019年3月に導入すると発表した。

京とれいん


阪急7300系

こちらは0番台が6両固定編成、20番台が2両固定編成として製造されたが、一部の6両固定編成は中間車2両を追加し8両編成化された。その後10両編成運用に際し、7300・7301・7302号車の3両は密着連結器・電気連結器が搭載されていなかったため、同連結器を搭載した7320・7321・7322号車との車両差し替えが行われた。


7310Fは6両固定編成で登場。7310号車の1両はGTO素子を使用したVVVFインバータ制御車両の試作車として製造された。この編成は2018年のリニューアル改造に際し7324Fとの8両固定編成化改造と組成変更を行った。なお組成変更に際し、7310号車は電装解除・中間車化改造・改番を経て現在は7890号車となっている。


7000系に合わせ7300系も2007年からリニューアル工事を開始している。工事メニューは同年度の7000系のリニューアルに合わせたものになった。VVVFインバータ制御改造車は阪急1300系(2代目)と同等の制御機器を搭載している。


【HD阪急42】京都線の主力【7300系】

8両編成6両編成2両(Mc-Tc)
リニューアル&前面改造車7320
リニューアル&VVVF制御車7322 7303 7304 7305 7306 7324
未更新車7307 73217300 7301 7302 7323 7325 7326 7327

特筆事項

  • 普通鋼製車両は7300Fの7300、7301Fの7301、7320Fの7800・7860・7870・7900・7400、7321Fの7801・7861・7871・7901・7401の各号車合計12両が該当。
  • 中間車7851号車は現在長期休車中。

リニューアルに関する特筆事項

  • 7320Fは新車同様に更新され、2008年9月に運用復帰。主なリニューアル内容は窓のパワーウィンドウ改造や方向幕のフルカラー化、車内を9000系などと同様の車内に改造されて新車に近い車内となっている。
  • 7322F・7303F以降のリニューアルは制御装置をVVVFに変更された他、7320Fと同様、車内を9000系に近い車内に改造されている。ただし、7320Fと同様、電動発電機は7000系後期車に採用されたSIVに変更されていない他、方向幕もフルカラーLEDに変更されてなく前面がリニューアル前に近くなっている(但し貫通扉の窓の拡大や、車番の移設はされている)。
  • VVVF改造車のうち、7304Fのリニューアル工事は近畿車輛で行われた。
  • 7324Fのリニューアル工事は8両固定編成化改造と組成変更を伴うものであったのは上記の通り

運用

阪急7000系

  • 8両固定編成のうち、7011・7015・7018Fは阪急宝塚線所属で、その他の編成は6050Fを含め阪急神戸線所属。普通から特急まで幅広い運用を担当している。宝塚線所属車は能勢電鉄用の列車無線アンテナを搭載していないため、同社線への乗り入れはできない。8両編成は大阪梅田方先頭車に電気連結器を装備しており、朝には2両編成を連結して10両編成でも運行される。

  • 神戸線・宝塚線とも通勤特急運用に関しては「10連運用指定編成」というものが設定されている。2016年2月に8両編成の7000F・7002F・7003F(2017年9月設置)・7004F・7009F(2016年9月設置)・7012F・7021F・7022F・7027Fの梅田方先頭車と2両編成の7030Fと7036Fの神戸方先頭車の転落防止幌設置のための金具がセットされている。これらの編成は同年の3月19日のダイヤ改正以降の10両編成の通勤特急運用専用車として一定期間固定される(現時点では設置された8両編成9本のうち5編成が増結車と固定されている)。また、7012F・7022Fに関しては先述のリニューアル工事が行われた際に金具が取り外され、10両編成の通勤特急運用から外れた。現在は7000F、7002F、7003F、7004F、7009F、7018F、7027Fに梅田方面の先頭車の前面に転落防止幌を着けるフックが設置されており、基本的に朝の通勤特急10連固定運用編成である。そのうち7003F、7009Fは神戸線通勤特急10連運用指定編成の予備車である。検査などで車両不足の場合は8連で走る事もある。また、上記の編成の神宝側の先頭車には女性専用車両がある。

  • 8両編成の神宝方先頭車の大半は自動連結器であるが、7110・7111・7114・7118号車は電気連結器を装備しており、かつて宝塚線で宝塚方に2両編成を連結して朝に10両編成で運行されたことがあった。一時は朝の10両編成の増結2両編成はすべて梅田方に連結されていたが2015年3月の宝塚線のダイヤ改正にて新設された通勤特急の運用で宝塚方面の増結運用が復活した。(2018年の宝塚線のダイヤ改正では梅田方連結に揃えられた)。これに合わせ7115は密連連結器から電気連結器に交換され現在は7011F、7015F、7018Fの宝塚方に増結車が連結されることがある。一方で神戸線所属となった7110、7114はリニューアル改造の際に電気連結器が撤去されている。

  • 6両固定編成はすべてが阪急神戸線所属。他系列とつないで8両編成運用に入るのが基本だが、車両不足の時に阪急今津線(今津北線)に入るほか、阪急京都線阪急嵐山線方面への直通特急の運用も担当する。

  • 4両固定編成は7024F、7026F、7031F、7090Fの4編成が在籍。7031Fは阪急箕面線の普通列車運用に、7090Fは2両固定編成の7005Fとつないで阪急今津線(今津北線)の6両編成運用に、それぞれ充当されている。

  • 7013F・7018Fは神戸・宝塚両線の表示幕を装備しており、相手の線の車両が不足した際の予備車としての役割も持っていた。特に7018Fは神戸線への貸出が多かったが、9000系の増備以降は同系がその役を担うようになり、2012年を最後に7000系の相手路線への貸出は行われていない。なお、9000系は7000系とは異なり、全編成が神戸・宝塚両線の表示幕を搭載しているため、貸し出す編成を特定しなくなっている。

  • 2両固定編成は10両編成運用の増結車としての充当のほか、ダイヤ改正で減便になった7000系の2両固定編成を2本をつないで(7034F+7035F)伊丹線の普通列車運用にも充当される。

阪急7300系

  • 7000系とは異なり車両規格の都合上、神宝線に入る事ができない。
  • 7300・7301・7302Fは10両編成運用の増結車として充当される。予備車がない場合は6両+2両の「2両」を増結車に充てている。
  • 残りの編成は6両+2両につなぐなどして、すべてが8両編成運用を基本としている。阪急9300系が特急運用メインであるため、7300系は普通・準急運用が基本。
  • 行楽期や6300系が検査などで車両不足の場合、6両編成の7321F・7307Fが嵐山線が嵐山線を走行することがある。

関連タグ

阪急電鉄 5000系(阪急5000系) 6000系(阪急6000系) 7000系 7300系 8000系8300系(阪急8000系)9000系(阪急9000系)


能勢電鉄7200系については7200系の記事を参照。

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