「僕の後にもこの美しい惑星を好きになって、心から人間と友達になりたいという異星人がきっとあらわれる」
「でも彼らは僕のように人間の姿になれるとは限らない。彼らは異星人の姿をしているせいで、侵略者だと思われてしまう」
「そんな時、もし過去に一人でも人間の信頼を得て本当の友達になれる異星人が居たら、少しは違うと思うんだ」
「僕はね、駆。その最初の一人になろうと決めたんだ」
データ
- 身長:1.9~49m
- 体重:75kg~3万2千t
- 別名:友好異星人
- 出身地:ネリル星
- 演:河相我聞
概要
第25話「遥かなる友人」に登場。
寿命が尽きかけているネリル星から移住可能な星を捜索するために送り込まれた宇宙飛行士だったが、移住先が見つからず任務交代のため帰還したときにはワープ航法によるウラシマ効果で長い年月が経ちもうすでにネリル星が滅び去った後だったため、宇宙を放浪することとなってしまった宇宙人。
地球には円盤が墜落して訪れた。
その外見は公式サイトによれば無機質で、作中では危なそうと言われている(駆の反応からして少なくとも癒し系ではない)。しかし、科学団の調査で攻撃能力を持たないことが判明している。
能力自体は持っており移動体として光量子体になることができる。この際は緑色の発光体となり空を飛ぶことができ壁も透過できる様子。ただしその状態で長期間いると大気の中に溶けてしまう。
また、擬態能力を持ち劇中では地球で一番最初に出会った駆少年の部屋に貼ってあったポスターのバスケットボール選手の姿へと変身した。
他にトウマ・カイトがウルトラマンマックスだと見抜いてみせた。
性格は非常に温厚的かつ友好的。
上記の通り大気に溶けてしまうにも関わらずわざわざ確認を取ってから実体化、その際にネリル星人としての姿に駆が怯えてしまうと謝罪、擬態するという丁寧な対応を行なっている(最も駆の部屋に訪れたのはいきなり押しかけた形ではある)。
駆から侵略や破壊活動について聞かれた際には「しないよ。そんなこと」と裏表なしで答えた。
上記の台詞のような意思からあえて身柄を明かし確保されたのを始め、後述の調査団からの非人道的な扱いに対しても異星人の侵略を受けている地球の現状から「当たり前」「自分でもそうする」と理解を示すなど毅然とした意思を持つ人物でもある。
地球に友好的な宇宙人は少なくないが、その一方で地球人が宇宙人に攻撃的・排他的な姿勢に対して批難するどころか事情を理解して当然と言わんばかりに受け入れた宇宙人はシリーズ全体を通しても希少である。
人間の姿になり身の上話をしたことで駆に連れられて近所の公園を歩き、自然や子供たちの笑顔に感動したが、地球では宇宙人は侵略者として扱われている風潮を知る。
友好的な宇宙人もいるという前例を作り後に現れるかもしれない他の異星人のためにも自ら発光体の調査にやってきたトウマ・カイトに自分が異星人であるという事を告げる。
その後はUDFに身柄を移されたが、彼を侵略者の手先だと一方的に決めつけ、すべてを知る必要があるという的河調査団長によって拷問といっても差支えない検査を連日受け続けることとなった(DASHの隊員たちはこれに否定的な態度を取って中止を訴えていたものの作中だと一般的な反応は調査団の方に近い様子)。
徐々に衰弱してくキーフだったが、ここで逃げだしたら信頼が得られないと自身の運命を受け入れる決断をし、カイトにネリル星の言葉で憧れを意味する「サ・ヌーシュ」という言葉を伝え、駆にもう一度会いたいという願いを告げた。
DASHの全面的な協力によって駆と再会し、本来のネリル星人の姿となって友情を確かめ合う事に成功するが、そこに侵略意思を持ってやってきた異星人ゴドレイ星人が現れ街を破壊し始める。
ボロボロの体に鞭うってマックスをも圧倒したゴドレイ星人の攻撃にさらされた人々を光の盾に変身して庇い、消滅。異星人と地球人の共存に憧れ、その夢に賭けた遥かなる友人はこうして地球の風となった。
後の作品では後述するように別個体が登場している。
『マックス』本編でキーフが「生き残っているネリル星人は自分1人だけかもしれない」などと言っていたので、感慨深いと感じた視聴者も多かったことだろう。
しかし、どれも並行世界であり、端役としての登場で彼らの詳細は語られていない。
キーフと同じく移住先を探していた捜査員で宇宙を放浪しているうちに何らかの原因で流れ着いたのか、その世界のネリル星人なのかは不明。
ウルトラマンオーブ
第22話『地図にないカフェ』にキーフとは別の個体が写真のみで登場。
ブラック指令の経営するカフェ・ブラックスターの常連だったようで、店のメッセージボードには「地球で一番うまい!」というメッセージが書かれていた。
現在は他の宇宙人共々、既に地球を後にしているものと思われる。
キーフのように地球人と共存できる程、温厚な性格だったかは不明。カフェ・ブラックスターは地球侵略を目的とした宇宙人達の憩いの場であるが、迷い込んだ地球人やウルトラマンの人間態、改心した宇宙人にも差別せず中立の立場でコーヒーを振る舞っていたので、侵略の意図がなくても安心して来店できていたのかもしれない。
人間態は白いスーツを着た男。
ウルトラマンジード
CV:うのちひろ
第11話「ジードアイデンティティー」に別個体が登場。
キーフや『オーブ』に登場した個体との関連は不明。
今作に登場したネリル星人はAIBの覆面捜査官としての立場であり、とあるカフェで地球人の協力者である地球人の編集者を通じて、伏井出ケイの裏で暗躍する黒幕の正体をゼラン星人等と共に探っていたが、最終的にばれてしまい、何とか協力者を逃がそうとするも追いつかれ、杖の一撃を受けて倒されてしまった(生死は不明)。
人間態はウェイター。
なお、声を担当したうのちひろ氏は『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』でカネゴン・ア・キンドを演じたことがある。
余談
演じた河合氏は後に『仮面ライダー鎧武外伝』にてアルフレッド/仮面ライダータイラントを演じている。だがこちらはキーフとは異なり悪人である。
デザインモチーフは『ウルトラマン』のザラブ星人。指はケムール人のように細長くと指示されている。
スーツの胴体部分は『ULTRASEVENX』の獣人に改造された。
オーブでの登場は恐らくマックス時の写真、ジードでは擬態が解けてしまったものの服はそのままで手は黒手袋のようになっていたため使用されてるのは獣人に使われていない頭部のみであることから再改造はされていないと思われる。
関連項目
タイニーバルタン…後にマックスに登場したもう一人の友好的な宇宙人。しかし、マックスの一話完結性が強い作風もあって彼女が登場する33話、34話ではキールばかりか他の宇宙人も来たことがない様子。そのため大多数の人々は宇宙人の存在そのものを信じておらず、カイトは逆に宇宙人が全て友好的とは限らないのに地球人はメッセージを送っていると指摘するなど繋がりはない(マックス以外の宇宙人であるスラン星人が初めて現れる4話以降の要素を含むため4話以前の話とも考えにくい)。
ゴース星人…ウルトラマンタイガにて、地球人から苛烈な仕打ちを受けながらも報復しなかった善良な個体が登場。地球人の姿に擬態や変装出来ないこと、サブタイトルが「地球の友人」であることなど、この話と重ねて観ることで考えさせられるものとなっている。