「腹を くくったかい? ちょいと 楽しませて もらうよ」
概要
『ポケットモンスター ソード/シールド』に登場する、ガラル地方のジムリーダーの一人。
キャッチコピーは「ファンタスティック シアター」。背番号は「910」(キュート)。
アラベスクタウンジムリーダーで、フェアリータイプの使い手。
ナックルシティへ向かう途中、エール団の下っ端とのバトルに勝利した後に現れ、その勇姿を褒め称える。
この時、ビートに負けてチャンピオンの兄を汚していることを気にして試行錯誤するホップに対して「兄を意識するのではなく、自分の力でポケモンの力を引き出して信じて戦うべき」だと語っている。
ラテラルタウンでホップにバトルを挑まれた後も再び現れ、『ソード』ではサイトウ、『シールド』ではオニオンのリーグカードを渡してくれる。
相手の行動を予知しているかのようにバトルを進めることから「魔術師」の異名をとる老婆。
超ロング丈のユニフォームをワンピース風に纏っている。開会式の時にも姿を見せているが、周りの多くがユニフォーム姿で登場する中、最早私服と大差ない恰好で杖をついて現れる彼女はかなり異彩を放っている。
ワンピースのメインカラーはピンクで、他人に対しても唐突に「ピンクが足りない」と言ってくることがある。
ただし、彼女の本当に好きな色はパープル(紫)で、よく見ると小物もそれに倣っている。詳細は後述。
リーグカードでは「意地の悪い性格」であると書かれているが、実際には(多少捻くれた面はあるものの)、どちらかといえば茶目っ気のある面倒見の良いお婆ちゃんとして描写されている。
アラベスクタウンのスタジアムは劇団の劇場を兼ねており、彼女は差し詰め劇団の座長といったところか。
母親からジムリーダーの座を渡されて70年とのこと、おそらく18歳の頃からジムリーダーとして活動している。って言うかそんな昔からジム制度が存在していたのか・・・。
しかし、高齢になったことや自身の価値観や考えだけでは限界があるとの考えから、後継ぎを探している。
ちなみに、設定画では若い頃の姿も公開されており、上記の劇団繋がりかタカラジェンヌ風の美人であった(同じく女優としても活動している女性トレーナーであるカルネと似ているという声も)。
現在の彼女と見比べて「どうしてこうなった」と感じたプレイヤーも多かったはず…。
ジムチャレンジ
上記のように高齢ゆえに後継ぎを探しており、ジムミッションではジムリーダーのオーディションも兼ねバトル中にクイズを出してくる。
『赤緑』のカツラや『XY』のシトロンのジム、『SM』のカキの試練のように、過去作にもクイズを出してくるジムリーダー及びそれに相当するキャラクターはいたが、彼女のクイズはまた一味違ったもの。
なんと過去作のようにバトルの前後ではなくバトルの真っ最中に出題され、しかもその回答次第では能力が上がったり下がったりするのだ。
問題!
「あたしの 好きな 色は?」
→ピンク
パープル
「人には 求めるが あたしは 好きじゃないよ」
プレイヤーの 防御と 特防が がくっと 下がった!
問題!
「さてと…… あたしの 年齢は?」
16歳
→88歳
「あっているけどね 対応として 間違いだよ」
プレイヤーの 攻撃と 特攻が がくっと 下がった!
※ちなみに御年は88歳である。ここで「16歳」を選択すると「あんた…いい答えだよ!」と大喜びしてくれる。この年でも少しでも若く見られたいという思いは健在ということなのだろうか。
またこの質問はポプラと対戦して9ターン目に出る質問である為、相手のポケモンを手っ取り早く捌けていれば質問前に勝利している可能性もある。
ちなみにクイズの正解数および試合の勝利に関係なく、オーディションは不合格となる(彼女曰く、好みの問題であるという)。
彼女のジムに勝利した後は一緒にナックルシティへと向かい、ある事件がきっかけでジムチャレンジの資格を剥奪されたビートを一目で気に入り「あたしに付いてくれば何とかしてやらないこともないよ」と、自身の跡継ぎとして誘い、それに乗った彼を更生・再起させるきっかけを作った。
ちなみにビートを気に入った理由は「まっすぐだしひねくれてもいる」「ピンク!ピンク!!ピンク!!!」である。よくわからないがおめでとう!
実際このことからポプラが印象に強く残ったトレーナーも少なくないだろう。
ストーリークリア後は、既にビートにジムリーダーの座を譲って引退してしまっているため、殿堂入り後に行われるチャンピオントーナメントには彼女を招待することは残念ながらできない。
同じくジムリーダーから退いたネズは招待できるのに、彼女を招待できないのはおかしいという意見もある。だが、このあたりは既に高齢で肉体的・体力的にも遠征が難しいこと等も関係しているのかもしれない(ちなみにネズの引退理由は「ミュージシャンとしての仕事に専念したいから」「妹のマリィの方が才能があると昔から思っていたから」であり、肉体的な限界とは全く関係がない)。
そもそも、ネズはポケモントレーナーそのものからは引退していない。このことから考えると、ジムリーダー引退と同時にポケモントレーナーとしても完全に引退してしまったのかもしれない(これに伴い、ビートの使うクチートは、ポプラから譲られたものだという説がある)。
ビートはまだジムリーダーになってから日が浅い上に、しかもジムチャレンジ中に遺跡の破壊やリーグへの乱入といった問題行動を起こしたという「前科」もある。
このため、こうした事情を抱えているビートのいわば後見人として、彼が不在の間に代わってジムの様々な業務を熟しているとも考えられる。
いずれにせよ、こうした事情があるため、ストーリー全体を通じて彼女と勝負ができるのはシナリオ中のジムチャレンジが最初で最後となっている。