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その他
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- パズル&ドラゴンズの登場人物→ツクヨミ(パズドラ)
- バビル2世の登場人物→本項にて解説。
『バビル2世』のヨミ
世界征服を企む悪の帝王。
非情さと部下思いで度量が深い部分を兼ね備えた決断力にたける人物。バビル2世の好敵手にして不死身の漢である。
声優を大塚親子(それぞれ、TVシリーズでは大塚周夫、OVAで大塚明夫)が演じたことで話題になった。
人物
バビル2世の宿敵にして同じ能力を持つ超能力者。世界征服の野望を達成するために世界中に組織を張り巡らせている。
バベルの塔を受け継ぐ後継者候補の一人だったが、初代バビル1世が定めた能力の水準に届かなかったため選ばれなかった。(その能力は、エネルギー吸収能力。バビル2世へとエネルギー衝撃波を放った際、バビル2世は逆にそれを吸収し、エネルギーとしてしまう。ヨミにはその能力がなかったため、後継者に選ばれなかった)
しかし、ロプロス・ロデム・ポセイドンの3つのしもべに指令を下すことは彼も可能で、そのためにバビル2世は何度も窮地に陥った。
悪の秘密結社の首領だが部下思いで懐が深い人物。宿敵バビル2世がストイックであまり感情を表に出さない性格なのに対して、喜怒哀楽の感情をハッキリ顔や態度に出すためか親近感の持てる悪役である。
例を挙げると3度目の対決では、地下基地をバビル2世が水攻めにしたことで窒息に陥りそうになる部下たちの声をテレパシーで感じ取り、バビル2世との一騎打ちに不利とわかっていながら、超能力を駆使して部下の命を救うほどである(反面、バビルが手段を選ばないともいえるが)。
また、第一部の最終決戦近くの戦いでは、基地に攻め込んできたバビル2世と三つのしもべから逃れ、数名の部下とともに司令室に避難。
コンピューターが、「バビル2世とポセイドン、ロプロスの破壊活動は、原爆投下と同等の被害をもたらす」と予測。そのため、司令室ごと地下深くに移動させて事なきを得るが、地上には多くの部下が残ってしまった。
部下たちに「地上に残った者たちはどうなりますか」と聞かれ、
「コンピューターが、原爆を落とされるのと同じ危険を感じたんだ」と答え、苦悩の表情とともに、
「……あきらめねばなるまい」
と、部下を見殺しにする事に、苦悩と無念さをにじませつつ答えている。
(この結果、貨物船サンライト号の船長など、多くの部下を失ってしまっている)
ただし、決して部下に甘いわけでもなく、むしろ重大な失敗をしたと判断した時や、重要な情報漏洩が行われると判断した時などは、容赦なく殺害・消去する冷酷さも兼ね備えている。
たとえば、バビル2世に自身の組織の「改造人間製造工場」を突き止められ、逃げられた際には。工場長に対し「このままではどうなるか、わかっているな」と工場長に最後通告した後、工場およびそこで働く部下全員を一瞬で消滅させていた(ボタンを押しての事なので、何らかの仕掛けがあったものと思われる)。
また、組織再編した第二部では。謎の生命体を操る老人が、その生命体に逃げられ利用価値が無くなった際。口封じのためにとサイボーグを差し向け、容赦なく焼き殺した。
しかし、基本的には部下想いであり、部下を蔑ろにしたり、使い捨てて無駄死にさせるような事は極力避けている。
一部の初期。チベット山奥の自分の砦を訪ね、塔に戻っていくバビル2世に対し、戦いを仕掛けてみると申し出た部下たちに対し、
「危険だと感じたら、すぐに戻ってよろしい」と深追いを禁じていた。
後にこの部下たちは、ロデムにより全員殺害される。それに怒ったヨミは、岩の怪物・ゴーリキをバビル2世に差し向けるが、それも「お前たち(部下)の手には負えない」からであり、敵わない相手に無理をさせたくないという理由があるからである。
また、第二部ではバベルの塔へと超能力者を逐次投入させ、使い捨てるような事を行っていたが、これは「バビル2世に休む暇を与えず、超能力を使わせ疲労させる」という作戦のためで、「(疲労させた時に)必ず誰かが止めを差すことができる。とどめをさしたものには、約束通り望みの物をあたえる」と、褒賞も忘れていない。
その際、部下たちには防衛システムによる殺害を避けるため、「バベルの塔には侵入するな」と警告。バビル2世に毒針のロープを打ちつけ昏倒させ、部下の一人が塔内部への侵入のチャンスが訪れた時には、悩みつつも侵入を許可。
その際、塔内部のしかけを逐次報告するように命じ、「(塔内部の)しかけを、やつが報告してくれる。また、しかけに倒れたとしても、次の者はそのしかけをさけて塔にはいることができる。ひとりの犠牲者で救われる者が多いのだ」と、あくまでも多くの部下に無理をさせず、次の攻略の機会も考えている事を語っていた。
作中では何度もバビル2世に倒されているのだが、その都度復活して世界征服を企む根性の人。
1度目はバビル2世に自らのエネルギーを吸収され、それを打ち返されたことで敗れる。2度目は超能力増幅装置を開発したが、それは自身の能力を一度に引き出すにすぎない欠陥品だったため、ミイラのように干からびて死亡した。
これでヨミは完全に滅びたかと思われたが、宇宙から飛来した宇宙ビールス(ミクロの世界のエイリアン)が彼の身体で共生し、それまで以上の力を持って復活し一度はバビル2世を殺す寸前まで追い詰めた。この3度目の戦いがバビル2世をもっとも苦戦させたものである。
そして壮絶な超能力合戦の結果、ヨミの身体は超能力を酷使した代償として、急速に老化した(『スター・ウォーズ』エピソード3のダース・シディアスの描写に似る。余談だが、ジョージ・ルーカスは日本の漫画やドラマが大好きなので、このシーンが元ネタなのかもしれない)。そしてバビル2世の超能力エネルギーに絶え切れず、完敗を認め、自らの棺桶としたマシーンの中に入り、誰も訪れることのない世界へ飛んで行った(それを破壊しようとする自衛隊をバビル2世が必死に説得している。バビル2世とヨミは、本当に認め合った、真のライバルなのである)。
しかし、その後、ヨミの五体はそのマシーンの中で解体され、各地の病院に移植用の身体として配送された。そして移植を受けた患者の生命力を吸収し、各パーツが接合手術を受けたことで、ヨミは3度目の復活を果たす。しかし、意思はかつてと変わらないものの、その身体能力は本人にとって「老いさらばえて、何のおもかげもない」ものだった。そのためか、この時期のヨミは原爆や北極の自然気候を利用して、バビル2世を倒そうとしている。
上記イラストのように、顔には深い創が刻まれ、年老いたその姿を彼は呪い、部下の前に現れる際は常に包帯を巻いて素顔を隠していた。部下も彼のそんな思いを察してか、北極基地において、「ヨミ様、お疲れでございましょう。お眠りください」「……うむ、わかった。眠るぞ。」などとやり取りをしている(彼のカリスマ性がここでも感じられる)。
しかし、その間に部下のミスからバビル2世の侵入を許し、共に入り込まれたポセイドンに基地の機能を完全に破壊され、部下や破壊ロボットも全滅させられた。ここではじめてヨミは素顔を見せ、バビル2世のもとに現れる。
「やめろ。それ以上破壊すると地球が滅ぶぞ」
「よせ。昔のおれなら戦いもしよう。」
「バビル2世、この基地にはおれの夢がつまっている。この基地とともに眠らせてくれんか」
「生涯をかけて戦った男の最後ののぞみを聞いてくれぬか」
など、一言一言がカッコよすぎる。
そしてバビル2世はポセイドンとともに去っていく。ヨミは、「さらば、わがライバルよ」と呟き、静かに基地と共に北極の海に沈んでいった。
なお、『その名は101』にもヨミが登場するが、パラレルワールドと考えればいい。
悪の帝王?
思慮遠望に長け、カリスマ性のある人物であることから、メガトロンやヴァンプ将軍に先駆ける理想の上司キャラとしても有名である。
NHKアニメ夜話では、「当時は世界征服=悪だった」と解説され、部下思いのヨミのどこが悪の帝王なのか?という話題にふれている。
今川版ジャイアントロボでは、ヨミをモデルにしたライセは、国際警察機構を率い、世界の正義と平和を守る立場に、バビル2世をモデルにしたビッグファイアが悪の秘密結社BF団を率いるという逆転劇になっている。