概要
2018年に公開された映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の本編から約1年後を描いた『ジュラシック・パーク』シリーズの番外編とも言える短編映画である。次回作『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』へと繋がる物語でもある。
あらすじ
ロックウッド家の少女メイジーの活躍によって、モササウルスやT-レックス、そしてヴェロキラプトルのブルー等の恐竜や古生物たちが外界へ解き放たれ、自由になるという衝撃的な結末を迎えた。『バトル・アット・ビッグ・ロック』では、それから1年後、ロックウッド邸から約32キロ離れた場所にある『ビッグ・ロック国立公園』で起こる出来事が描かれる。
登場人物
- デニス
演:アンドレ・ホランド(吹:竹田雅則)
ビッグ・ロック国立公園にキャンプに来た一家の父親。アフリカ系。
棒きれでアロサウルスに立ち向かう。
- マリアーナ
演:ナタリー・マルティネス(吹:浅野まゆみ)
デニスの妻。プエルトリコ系。デニスとはお互い再婚である。
消火器でアロサウルスに立ち向かう。
- カダーシャ
演:メロディー・ハード(吹:久野美咲)
デニスの娘で、マリアナの継娘。恐竜に詳しい。
クロスボウでアロサウルスに立ち向かう。
- マテオ
演:ピアソン・サルヴァドール(吹:廣田悠美)
マリアナの息子で、デニスの継息子。
カダーシャからは少々鬱陶しがられている。
- 赤ん坊
演:ノア&イーサン・コール
デニスとマリアナの息子。
絶妙のタイミングで泣き出し、物の見事に一家を窮地に陥れる。
- グレッグ
演:クリス・フィンレイソン(吹:平林剛)
デニス一家の隣でキャンプをしていた男性。カダーシャにクロスボウの扱い方を教える。
突如姿を消したのでアロサウルスに食われたかと思われたが、ラストでこっそりトレーラーから出て来る。
登場する恐竜及び古代生物
外界に解き放たれ自由となった恐竜たちが人間の生活や自然界に少なからず影響を与えていることが示唆されている。
白亜紀後期の草食恐竜。今作初登場の牛のような角が特徴的なセントロサウルス亜科に属する角竜の一種。
ビッグ・ロック国立公園のキャンプ場に食べ物を求めて出現。つがいとその幼体の3頭が登場しており、明らかに雄への性転換と繁殖が確認されている。
しかし前作はおろかイスラ・ヌブラルにもおらず、本来インジェン社のリストにも載ってない恐竜のはずだが…。
ジュラ紀後期の肉食恐竜。前作イスラ・ヌブラル島から運ばれ、そして解き放たれたアロサウルスの亜成体が完全に成長、成熟した姿。そのため前作と姿や大きさが異なっている。
キャンプ場に現れたナストケラトプスの幼体を狙って出現し、成体と死闘を繰り広げるが取り逃してしまい、その標的を近くのキャンピングカーに隠れていた家族に変え…。
ちなみに皮肉にも正真正銘ジュラ紀(ジュラシック)の代表的な肉食恐竜であるアロサウルスがジュラシックシリーズで主役級の脅威となったのは今作が初めて。
だが悲しいことに、ジュラ紀の王者もポリコレには敵わなかった。
ジュラ紀後期の雑食恐竜。3頭がエンドクレジットにて登場。相変わらず幼女を追いかけ回している。
ジュラ紀後期の草食恐竜。エンドクレジットにて登場。道路を横断し自動車事故を巻き起こす。
白亜紀後期の草食恐竜。エンドクレジットにて登場。釣り人が眺めている。他の恐竜と違い何の害もないようである。
相変わらず地味な恐竜だが、今作には常連恐竜のティラノサウルスやヴェロキラプトル、トリケラトプスが登場しなかったため、映画シリーズの皆勤賞は本種のみとなった。
白亜紀後期の海棲爬虫類。エンドクレジットにて登場。アザラシを咥えた鮫を捕食しており、相変わらず相手が獲物を捕らえる瞬間、そこを逆に狙っている。
白亜紀後期の翼竜。エンドクレジットにて登場。結婚式場でピジョンリリース直後の鳩を捕らえる。カップルの心境や如何に。
余談
今作に登場したナストケラトプスやアロサウルスの成体はスマホゲームの「ジュラシック・ワールド アライブ」や動物フィギュア「アニア」のジュラシック・ワールドシリーズにて先行登場しており、今作の伏線だったと思われる。
また、肉食恐竜にひっくり返されるトレーラー、子どもに撃退されるアロサウルス、そしてクレジットの音楽(とコンプソグナトゥスに追い回される女の子)など、本作は『ジュラシック・パーク』シリーズ第2作の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』へのオマージュが多く見られるものとなっている。
『ロスト・ワールド』の劇中では、インジェン社によって捕らえられたティラノサウルスがサンディエゴに輸送された後逃走、一般人が捕食されるという事件が起こっており、本作の事件と今後のジュラシック・ワールドシリーズの世界の行く末とは浅からぬ関係にあることがうかがえる。