ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ロシア語の編集履歴

2021-01-08 21:52:06 バージョン

ロシア語

ろしあご

ロシアや旧ソビエト連邦諸国で話される言語。キリル文字で表記され、子音が多い。また名詞も動詞も形容詞も語形変化がおびただしいので文法を覚えるのが大変な言語でもある。

「神と話すにはスペイン語が、友と話すにはフランス語が、敵と話すにはドイツ語が、女性と話すにはイタリア語が良いとされる。だがロシア語は誰と話すにもふさわしい。ロシア語は、スペイン語の壮麗さ、フランス語の明晰さ、ドイツ語の堅牢さ、イタリア語の優美さに加え、ギリシア語とラテン語の豊かさと力強い簡潔さを兼ね備えているからだ。」

〜ロシア語について、ミハイル・ロモノーソフ


概要

ロシア旧CIS諸国などの地域で話されるスラヴ系言語国連公用語のひとつ。


まず文字は、日本人にとっては馴染みの薄いキリル文字で表記される。(もっと馴染みの薄い文字はいくらでもあるがここでは割愛する。)


ロシア語の発音は、日本語やイタリア語などの開音節言語(音節が子音+母音の組み合わせになっている)が明るく平坦な発音をしているのとは対照的に、重々しく聞こえる。

しばしば「子音の密度が高い」と言われるが、これは3子音の連続や4子音の連続が多いためにそのようなイメージを持たれるのであり、「хорошо(ハラショー)」や「катюша(カチューシャ)」のようにすべての音節が1子音+1母音でかつ開音節である単語も多い。

子音が連続することが多いが、これは巻き舌のrが母音の役割を果たしているのである。

また、「fとtが語頭で連続する」「nとrが語頭で連続する」のように、日本語話者や英語などの西欧言語話者にとってなじみの薄い連続子音の発音が多数あることも、「ロシア語は子音が多い」というイメージをもたれる要因のひとつであろう。

また、「軟音化」といって、舌を上顎に近づけて母音を発音する(日本語で例えれば「カ・ク・ケ・コ」に対する「キャ・キュ・キェ・キョ」のイメージに近い)が多用されるので、それも発音を重々しいイメージにしているといえよう。

実際には、同じスラブ系言語であるチェコ語ポーランド語などに比べると母音の密度が高めであり、音の響きはかなり明るいといえる……が、日本語やイタリア語と比べればやっぱり重い。

文法

文法は初学者にとっては難解だが、しっかり学ぶと英語よりもずっと整然としているように感じるかもしれない。


最も特徴的なのは名詞、代名詞、形容詞の格変化および動詞の活用などといった語形変化である。そして初学者が挫折するとするならばその原因は大抵この語形変化にある(英語は語順が重要であるのに対しロシア語は語形変化に全てがかかっているため、語形変化の暗記を疎かにすることはできない)。たとえば名詞では、単数形と複数形にそれぞれ「主格」「生格」「与格」「対格」「造格」「前置格」という活用形があり、1個の名詞に合計で12通りの変化形があることになる。さらに名詞は「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」の3つに区分され、性別によって変化が異なり、さらに性別が同じでも語尾が異なる場合は活用形も異なるため、初学者にとっては名詞の活用はむちゃくちゃわけのわからんことになる。以下にその一例を示す。


<格の用法>

主格主に主語を表す。「〜は」
生格主に所有を表す。「〜の」
与格主に間接目的語を表す。「〜に」
対格主に直接目的語を表す。「〜を」
造格「〜を使って」「〜によって」「〜のように」など幅広い意味を表す。
前置格必ず前置詞と一緒に用いられる。ただし、前置詞は必ずしも前置格と一緒に用いる訳ではない。ほかの5格も前置詞と一緒に用いられることがある。

日本語の『てにをは』が単語の語尾にくっついているのと同じと見做せばよいのだ」という意見も一部にあるようではあるが……実際には上に示した格の用法はほんの一部に過ぎず、細分すると1つの格あたり10種類前後の意味が存在するので日本語の「てにをは」ほど簡単ではない。


<словарь 辞書>

主格生格与格対格造格前置格
単数словарьсловарясловарюсловарьсловарёмсловаре
複数словарисловарейсловарямсловарисловарямисловарях

<я/мы 私/私たち>

主格生格与格対格造格前置格
単数яменямнеменямноймне
複数мынаснамнаснаминас

※生格は原則として「〜の」という意味を持つが、人称代名詞の生格に限って所有の意味は持たない。所有の意味を表すには、別途「мой/наш」という所有代名詞を用いる。その変化の仕方は、下記の形容詞「новый」とほぼ同じである。


<новый 新しい>

主格生格与格対格造格前置格
単数(男)новыйновогоновомуновый/огоновимновом
単数(中)новоеновогоновомуновоеновимновом
単数(女)новаяновойновойновуюновойновой
複数новыеновыхновымновые/ыхновыминовых

※修飾する名詞が単数の場合はその名詞の性によって変化の仕方が異なる。また一部の対格に2つの語尾があるのは、修飾する名詞が生物なのか非生物なのかによって変化の仕方が変わるためである。


<читать 読む>

単数複数
1人称читаючитаем
2人称читаещьчитаете
3人称читаетчитают

※上表は現在形の変化表。主語の単複および人称によって動詞の語尾が変化する。逆に、動詞の語尾を見れば主語もおおよそ見当がつくので、文脈上主語が明らかな場合は省略も可能ではある。このような動詞の活用は英語ではbe動詞にしか見られないが、ロシア語ではありとあらゆる動詞が活用するのである。


ロシア語文字対応表

ロシア語英語日本語ペルシア語
АаAا َ
БбBば行ب
ВвVヴァ行و
ГгGが行گ
ДдDだ行ذ
ЕеEイェا ِ
ЁёYOیُ
ЖжJ(ZH)じゃ行、じج
ЗзZざ行ظ ذ
ИиIای
ЙйY(主に語尾に使われる。)ヤ行ی
КкKか行ک ق
ЛлLら行ل
МмMま行م
НнNな行ن
ОоOا ُ
ПпPぱ行پ
РрRら行(巻き舌)ر
СсSさ行ث ص س
ТтTた行ت
УуUو ّ
ФфFふ、ふぁ行ح
ХхHは行ح
ЦцTS
ЧчCHちゃ行ج
ШшSHしゃ行ش
ЩщSHCHし&ちゃ行شج
ъ-(硬音記号)-
ЫыYゥイ(酔っ払いのように)ی
ь'(軟音記号)-
ЭэEا ِِ
ЮюYUیِ
ЯяYAیَ

※硬音記号とは、子音と母音を分ける記号である。

e.g. 英語の object に相当する объект(アブイェークト)は、"ъ"がなくなると обект(アビェークト)となり意味をなさなくなる。

※軟音記号とは、子音字の後に付して軽く「ィ」っぽく発音する記号である。

e.g. царь(ツァーリ)は、はっきり「リ」と発音するのではなく、舌の真ん中を盛り上げて軽く添える感じで発音する。


主なロシア語の単語


ロシア語を覚える際に使うと良いメディア


関連タグ

ウサビッチ チェブラーシカ クドリャフカ

ヴェールヌイ イヴァン・ブラギンスキ

ロシア語に由来する外来語

イクラ セイウチ インテリ カチューシャ マトリョーシカ コンビナート ペレストロイカ


本名陽子上坂すみれ…共に大学でロシア語を専攻。

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました