実弥「その通りだぜ テメエの頸をォ 捩じ切る風だァ」
概要
鬼狩りが人食い鬼と戦う為に編み出した、一度に大量の酸素を血中に取り込むことで瞬間的に身体能力を大幅に上昇させ、鬼と互角以上の剣戟を繰り出す“全集中の呼吸”の一つ。呼吸は師である育手もしくは剣士自身の我流により、様々な種類が存在する。風の呼吸は全集中の呼吸の中でも基本となる五大流派の一つである。
暴風のように荒々しい動きから鎌鼬のように斬り刻む攻撃特化の型である。炎の呼吸と同じく攻めの呼吸ではあるが、こちらはどちらかというと範囲と速度により優れている。
対応する日輪刀の色は緑色。呼吸音は「シイアアアア」。使い手が“柱”に就任した際の肩書は風柱。
エフェクトは緑色の突風。
基本的に全集中の呼吸は、雷や炎、水等のエフェクトを纏って戦っているが、これらはあくまでも剣士が纏う気迫やオーラが、それらのエフェクトの姿に可視化されて見えているだけでただのイメージに過ぎないのだが、この呼吸法だけは単なるイメージだけでなく、純粋な剣技によって起こした鎌鼬状の風が、実際にそのまま攻撃力を持って敵を攻撃する。
苛烈な連撃と軽快な身のこなしが特徴であり、突風が発生せんとする程の素早い振りには柔軟な体幹に加えて、連撃に耐える持久力が求められるとの事。
人一倍頑丈な肉体を持つ不死川実弥には最も相応しい呼吸である。
型一覧
- 壱ノ型 塵旋風・削ぎ(じんせんぷう・そぎ)
凄まじい勢いで竜巻の如く螺旋状に地面を抉りながら突進して斬り刻む。連続技の繋ぎとしても有効。
本編にて実弥が一番多用している技である。
- 弐ノ型 爪々・科戸風(そうそう・しなとかぜ)
縦方向に鋭利な爪を思わせる4つの斬撃を同時に打ち下ろす。
名前と由来は恐らく罪や穢れを祓う風とされる「科戸の風」から。
- 参ノ型 晴嵐風樹(せいらんふうじゅ)
自身の周囲を竜巻の様に激しく連続で斬り付ける。攻撃の他、防御にも転用可能。
彼の得意技なのか、粂野匡近が最も使用している。
風樹とは「風樹の嘆」という言葉の略称であり、親孝行をしようと思った時には既に両親が死んでしまっていてどうしようもないという嘆きの事。
- 肆ノ型 昇上砂塵嵐(しょうじょうさじんらん)
低い姿勢で地上から空中に向けて、舞い上がる砂塵の様な斬撃を連続で繰り出す。
砂塵嵐とは強い風によって多量の砂や土砂が空中に巻き上げられる現象の事。平たくいえば砂嵐。
- 伍ノ型 木枯らし颪(こがらしおろし)
空中から吹き抜ける風の様に地上に向けて広範囲を回転しながら斬り付ける。
- 陸ノ型 黒風烟嵐(こくふうえんらん)
体を捻って斜め下から勢いをつけて掬い上げる様に刀を振るう。
黒風とは砂塵を巻き上げ空を暗くするような風の事で、烟嵐は山中にかかった靄を指す。
- 漆ノ型 勁風・天狗風(けいふう・てんぐかぜ)
空中で体を捻りつつ旋風のような縦回転斬りを連続で繰り出す他、仲間の攻撃に風を纏わせる事で威力を底上げするサポート技としての一面も持つ。
勁風は強く吹く風、天狗風は突然吹き降ろす旋風の事。
- 捌ノ型 初烈風斬り(しょれつかざきり)
対象に素早く駆け寄り、すれ違いざまに相手を取り囲む渦のような斬撃を叩き込む。
名前の由来は恐らく鳥の翼の先端にある羽、「初列風切」から。
- 玖ノ型 韋駄天台風(いだてんたいふう)
凄まじい速度で跳躍し、空中から地上へ向けて大小様々な斬撃を放つ。
韋駄天は仏教における仏の一仏であり、仏陀の遺骨を盗んだ鬼を追いかけて倒したという逸話を持つ。
使い手
鬼殺隊の最高位剣士である柱の一人。風柱。本編劇中の主な使用者。
故人で、実弥の兄弟子に当たる人物。本編では使用していない(そもそも殆ど登場していない)が、小説「風の道しるべ」内にて彼が登場して使用している。
その他、伊之助が呼吸を使えるようになった要因として、伊之助を拾い育てたたかはるの祖父も風の呼吸の使い手では?とファンの間で騒がれている。
派生
霞の呼吸
性質が近い
獣の呼吸
源流
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余談
『公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』の各呼吸の斬られ心地取材では、風の呼吸は「痛い」「凄い痛いよ激痛」「勢いがやばいよね」「ほんとに俺のこと嫌いなんだなってわかる」「思いやりの欠片もない」との事。
「俺のこと嫌いじゃないなってわかる」「思いやりがある」などの感想をうけた水の呼吸とは対照的である。