概要
『忍者と極道』に登場する、90年代を代表する暴走師団。創始者はメイン画像の殺島飛露鬼で、彼の実家は「生花店」……ダジャレであろうか。暴走族だけに。
トレードマークは白い特攻服。
元々は殺島が中学生時代に不良仲間と共に結成した単なる走り屋であった。しかし、殺島の類稀なるカリスマぶりから徐々に勢力が増え始め、全盛期には10万人の兵隊を有する日本最大の暴走族となった。(ちなみに、作中でははっきりとは確認できないが、女性もいたらしい。)
が、そのやり口は周辺に放火して警察の眼を反らし、邪魔するなら警察車も拳銃や刀で攻撃するという過激極まりないものであり、最早暴走族を通り越して「暴走族神<ゾクガミ>」殺島を崇めるカルト教団と化していた。
そのため、当時復活したばかりの忍者による粛清で半殺し(※半数を殺すの意)にされた事で解散。下野した構成員の一部は極道へ流れたが、多くはカタギへと更生する。
だが、破壊の八極道となった殺島は、輝村極道から資金援助を受けると共に生き残っていた構成員たちへ招集を掛ける。
個人差はあれど、大人である事に耐えられず、黄金時代(あのころ)の輝きを忘れられなかった元構成員たちはこの呼びかけに応じ、世界中から5万の兵が集い令和の世に復活を遂げる事となった。
そして、3万台の極道車により、帝都高速道路(テトコー)を逆走する計画が勃発。目くらましとばかりに近隣の民家数百軒が放火され、全員が「地獄の回数券」を服用して暴れ回った。
このことを受けて帝都八忍の5名も出撃、危うく首相官邸まで巻き添えを喰らいそうになるも全構成員死亡という壮絶な幕切れを起こすこととなった。
最も、ただ同じところをグルグル回るだけだったので、どのみち壮大な自殺ショーに過ぎなかったというのは当人たちもわかっていたようだが。
4巻裏表紙に掲載された新聞記事によれば、犠牲者数は20万人を超えたとの事であるが、流石にそんな大人数が夜の帝都高にいたとも思えないので、大半が放火によるものであろう。
また、同記事によれば八極道の残り4名もこのテロが発生した際には帝都高沿線近くにいた模様。
余談だが、作者の近藤信輔は単行本の宣伝漫画としてTwitterに死後の聖華天の姿を書いており、地獄で閻魔大王とその側近や大王の係累と思しき赤ちゃんや包帯グルグル巻きの亡者らしき人物たちと一緒にこのマンガを読んでいた。
構成員
殺島飛露鬼(やじま・ひろき)
暴走族神<ゾクガミ>と崇められる初代総長。現在は講男會傘下長澤組若頭にして破壊の八極道の一人。
極道技巧は、弾丸を跳弾によって自在に曲げる〝【狂弾舞踏会】<ピストルディスコ>〟。
有羽汰駆(ありは・たく)
胸元にαの傷痕を持つ大男で、「α(アルファ)」と呼ばれ、副総長を務めた。殺島とは「聖華天」結成以前からの幼馴染である。
組織壊滅後にドラフト会議(!)を受けて極道に入るも組内での人間関係のトラブルで破門され、以後は仕事も家庭も上手く行かず自殺寸前まで病んでいた時に殺島からの招集を受け、帝都高大爆走に加担する。
極道技巧は、大型輸送車を殴り飛ばすほどの強力な暴走族拳法〝【仏破砕拳】(ブッパブロウ)〟。
詩隈殴偉人(しぐま・ないと)
長髪で左目に刻まれたΣの傷痕を隠した男。「Σ(シグマ)」と呼ばれ、副総長を務めた。殺島とは「聖華天」結成以前からの幼馴染である。
αと同じくドラフト会議を受けて極道に入るが、このままではいけないと辞めて就職するもうまくいかず、ブラック企業で社畜扱いされていた時に殺島からの招集を受けた事から上司に暴行を働いて退職し、帝都高速大爆走に加担する。
極道技巧は、現役時代に100台のパトカーを斬って鍛えし暴走族流剣術〝【官憲斬棄】(ポリスラッシュ)〟。
逢魔賀広偉(おうまが・ひろい)
顔にΩの傷痕を持つメジャーリーガー。元々はいじめられっ子だったが、殺島たちに誘われた事で「聖華天」へ加わり、「Ω(オメガ)」と呼ばれる特攻隊長を務めた。
「聖華天」の解散後は、野球に魅入られた事から単身渡米し、無経験から大リーグの本塁打王にまでのしあがった。
本塁打数799本の大記録を持ち、〝旋風(かぜ)を呼ぶ男〟〝OH! MY GOD HERO〟の異名で呼ばれ、日本でも国民栄誉賞候補の英雄だったが、とある出来事から自身を救ってくれた野球に失望し、虚無感に苛まれていた時に殺島からの招集を受け、帝都高大爆走に加担する。
極道技巧は、バットのスイングのみで凄まじい突風を巻き起こす〝【黄金の旋風】(おうごんのかぜ)〟。