我ら帝都に縄張る“野良犬-ノライヌ-”也!!! 縄張りで悪事-わるさ-かませば迷わず喰らう!!
いざ悪を喰い荒らさん “帝都八忍”!!!
概要
『忍者と極道』に登場する、東京都一帯を縄張りとする正義の忍者軍団。主人公の1人である多仲忍者も所属している。
長は八忍にも名を連ねる神賽惨蔵で、本拠地は巣鴨の雑居ビルの地下に位置する「烏合の巣」。ビルのエレベーターの1Fと2Fのボタンを1秒間で同時に50連打することにより、地下への扉が開く。
べしゃり烏と呼ばれる喋る烏を斥候に出し、極道などが悪事を働くと現場に急行し、抹殺する。
この手の作品では珍しく公権力からは非公認であり、彼らのやっていることは金銭等による依頼ではない純然たる善意によるものであるが非合法な裁きである。とはいえ、警察や自衛隊では本作に登場する「極道技巧」の使い手や「地獄の回数券」服用者には殆ど手も足も出ない為、彼らによって日本の平和が護られてるのは(かなり綱渡りではあるが)紛れもない事実である。
…が、この帝都八忍、なかなか問題点の多い組織である。
- そもそも本当に8人しかいないので、死亡・重傷による欠員が出た場合には戦力の激減に繋がる。加えて下述の鬼死荒行を乗り越えて超人になれる者は非常に少ない為、人員の補充も難しい。
- 正式採用されるまでの『鬼死荒行』という特訓があまりに常軌を逸しているため、その最中で死亡、あるいは一生治癒不可能な後遺症が残ることもある。しかし、この荒行を乗り越えるレベルに至らなくてはそもそも忍者には成れない。
- 忍者の存在は世に秘密という掟があり、仮に忍者である事が一般人にバレた場合、 その一般人は転勤、転校という形で他所の地方に飛ばされるか、最悪の場合口封じされる。
- べしゃり烏による通報が起こってからの対応となるため、どうしても初動が遅れ、極道による犠牲者が出てしまう。だからと言って悪は元から断とうと極道に対してテロを起こしたりしようものなら全面戦争により市民に被害が及んでしまうため、こちら側から仕掛けることも難しい。
- 国家や権力者の下に付かないという理念を掲げているので、柵無く自由に戦えるという利点があるが、それは裏返すと個人レベルの力しか振るえないということであり、莫大な資本力を持つ破壊の八極道が引き起こす大規模テロには対応しきれない。
尤も、事件さえ起きなければ基本的に善人しか所属していないので横のつながりは(極道並みに)良く、業務内容以外はかなりホワイトな職場とも言える。
歴史
惨蔵は元々江戸幕府の公儀隠密であったが、江戸の大侠客「幡随院長兵衛」との決闘(世に云う明暦の大火)の折から、極道と闘い続けていた。江戸幕府壊滅後は権力と手を切り、独自に暗躍していた。
だが、太平洋戦争末期の東京大空襲の際、極道は米軍と結託した「忍者狩り」を行う。忍者たちは空襲から市民を避難させようとするも、そこを極道が米軍から横流しされた銃火器により集中砲火され……惨蔵と壊左を残して全滅する。
残された「発明」の天才である壊左と「発展」の天才である惨蔵は、忍者狩りの首謀者である輝村獅門(輝村極道の祖父)との戦いの中、特殊体術忍手「暗刃」を会得。こうして彼らは極道被害者遺族などを勧誘しつつ、歴史の影でひそかに発展を遂げる。
こうして迎えた平成の始まりと共に、忍者は歴史の表舞台に舞い戻る。バブル全盛期に隆盛を極めていた極道を懲らしめるべく、極道狩りを開始したのである。
そして令和に至り、極道陣営最強「破壊の八極道」との対決を迎えることとなった。
なお、いつから帝都八忍と呼ばれているのは不明であり、作中で欠員が出ても名称は変更されていない。
(本編前に活動していた忍者が殉職してしまった事もあるらしい)
構成員
神賽惨蔵(かさい ざんぞう)
300年の時を生きる最強の忍者。帝都八忍を作り出した張本人であり、警察内部にも侵入している凄腕のスパイ。
特異体質は自らの身体を変形させる「全姿全能」。そのため画像の姿も芸能人を模した変身に過ぎない。
璃刃壊左(あきば かいざ)
八忍のNo.2。喫茶店のマスターを務める。冷静沈着な老紳士で、壊刃の生みの親。
特異体質は手を自在に伸ばす「如意暴」。
多仲忍者(たなか しのは)
本作の主人公。八忍最年少の高校生。過去に親を極道に殺されて以来「笑う」ことができない。
特異体質が無く、天賦の才と純然たる努力で練り上げた「暗刃」の技巧と威力は八忍随一。
祭下陽日(まつもと のどか)
八忍一番の新人。イケメン大学生。熱く優しい男。
特異体質は高熱を放つ「灼華繚乱」。
病田色(やまだ しき)
丁寧な物腰の爆乳OL。IT技能が高く情報収集の要を担う。
特異体質は手から相手を眠らせる物質を放つ「睡掌髑路」だが、生まれついてのものではない。
覇世川左虎(はせがわ さこ)
忍者の名門「覇世川家」の跡取り。天才外科医で回復のエキスパート。
特異体質は髪を高速で動かし大気の流れを乱して物体を凍結・切断する「凍剣執刀」。
邪樹右龍(やぎ うりゅう)
左虎の弟だが勘当された問題児。2mを超える大男で、漢気溢れるNo.1ホスト。
特異体質は常人の100万倍の骨密度により圧電を自在に操る「不死身の電撃男」。
雄鷹斗女(おだか とめ)
アメリカで活躍している超天才技術者。ブルゾンちえみのように常に2人の男を従えている小柄な女性。
特異体質は人類史上最高性能の脳髄から発する脳波で百体以上のアンドロイドを遠隔操作する「忍巧美男衆」。
帝都八忍以外の忍者
作者のTwitterで明かされた情報によると、かつては東京以外の地域にも忍者はいたが、ほとんどが明治時代以降から廃業に追い込まれており、残った忍者も戦後から00年にかけて次々と亡くなっているらしい。
第85話では大阪の忍者集団である浪華拾忍(なにわじゅうにん)の存在が明らかになった。ところが「破壊の八極道」の一人である砕涛華虎(さいとう はなこ)に先手を取られた結果、リーダー格である忌井魎斎(いまい りょうさい)以外全滅してしまった上に、忌井自身も片腹をえぐられる大重症を負い、戦線離脱を余儀なくされてしまった。
この惨状を知った右龍は「大阪がダメなら他も厳しいかもだぜ」と発言しており、他の地域からの応援は非常に厳しい状況となっている。