「そうじゃ…そうじゃ…!!ワシの組長(とっつあん)も忍者の魔の手に………!!」
「組長(オトン)も忍者に殺された!!女子供を10人ぽっち拷問しただけで…血も涙もねぇ!!」
「救いは…極道に救いはねぇのか!?オレらこのまま死…死んで…ッ」
「莫迦(バカ)かてめえら!!? 死んでたまるか!!!」
概要
単行本8巻のオマケを引用すると
社会に馴染めず爪弾きにされた孤独な者や世の逸れ者達の集合体
自分達は終戦直後焼け野原となった日本の治安を維持してきた立役者
国家がしているように暴力によって国の平和を維持してきた必要悪
本来、民衆の平和とは極道によって守られるべきもの
その暴力で発生する民間人への被害や犠牲は「多少」「仕方ない」と扱う
等の理由で殺人、誘拐、密輸、臓器売買、売春、脅迫、詐欺等の犯罪行為を当然の権利として行動している、凶悪無二の犯罪組織。
現実やゲームでイメージされている仁義や人情があるキャラはほとんど存在しない程、倫理観が種族レベルで欠落している。仁義を重んじ堅気(カタギ)に手を出さない昔気質な人物も序盤には存在したが、そんな良識派であっても無自覚に非道を重ねる悪党で、仁義の精神も身内で完結している内輪ノリに過ぎないことが描写されており、程度の差こそあれ極道は自分勝手な外道でしかないことが強調されている。
自分たちは強者である忍者に虐げられる弱者だと語っており、その出自や転落するまでの人生には壮絶なものがある者も居るにはいる。しかし結局は自分たちより弱い一般市民らから搾取したり、手前勝手な理由から理不尽な被害を出している。……要は忍者に対して語る「血も涙もない」だとかは全て特大のブーメラン、まさにお前らが言うなである。
無論、彼らとて最初から極道に生まれてきた訳では無い。どうしようもない家庭環境、不遇な身の上、世間の無理解とそれに伴う差別や迫害等によって生きる場を奪われ、最終的に極道という生き方を選ばざるをえなかった者が大半である。問題なのは、極道たちは自分たちを吹き溜まりに追いやった社会や一般人(パンピー)には何をしても構わないしそれが当然の権利であると本気(ガチ)で思い込んでいるところにある。
そんな極道達への忍者の姿勢は「同情はする、けど、容赦はせん」の一言に尽きる。
忍者との因縁
帝都八忍とは江戸時代からの宿敵で、第二次世界大戦の東京大空襲時に敵対していた米軍と手を組み、最新武器を横流しして武装、忍者と彼らに救助されていた民衆を共に大虐殺を行い殲滅した。
終戦後は戦後闇市や高度経済成長を利用した地上げによって「極道黄金の刻」とまで例えられるほどの繁栄で悪行の限りを尽くす。
しかし、忍者は裏で武器に頼らない素手で殺害できる超人の肉体を鍛えており、90年末期にはシノギが妨害にあって稼業が鈍りだす。更に2000年から20年間は空襲時の因果応報とばかりに
多くの極道が殺害されて、作品内の警察や日本政府も、この機会に圧力を強めた為、絶滅寸前まで追いつめられる(その割には作中相当な人数が登場するが)。
輝村極道はこれに対抗するため、「極道技巧」なる体術や紙の麻薬「天国への回数券」と改悪版である「地獄への回数券」を開発している。
極道たちの構成員
日本最強の極道8人集。
輝村極道を含めた極道たちの詳細は個別記事へ
- 極道
お馴染みの極道。
数の暴力を駆使した忍者にはない戦略を得意とする。
しかし、「忍者には生物的に格が劣る」という致命的な欠点故に、真っ向からのタイマンでは忍者に一切勝ち目がないため雑魚同然に瞬殺されてしまう。
同時に極道の生首がよくポンポンと軽快に飛び、死んでいるのに普通に喋るのが最大の特徴とされている。
八極道及びその配下以外の主要な極道
流島椿沙(ながしま・つばさ)
第一話で忍者をおびき出すために都知事を拉致し、SPを皆殺しにした極道。
極道技巧は構えをとらない状態から自身の顔面に構えられた拳銃の引き金より速く反応し、サラシに挿した拳銃で相手の眉間を打ち抜く"早撃ち"。
作中最初に登場した極道であり、その存在をもってこの作品における〝極道〟が如何なるものなのかを読者に見せつけた。
魔津田黒雨(まつだ・くろさめ)
『天国への回数券』密売と売春を斡旋していた極道。「ムフ」と笑う癖がある。
極道技巧は弾丸をも切って落とす"【極道居合】(しんでもらいます)"だが、きわみから下賜されていた『地獄への回数券』の効果を疑って使わなかったため、抜刀した瞬間しのはにバラバラにされてしまった。
外見、名前共に映画『ブラックレイン』に登場する松田優作演ずる佐藤浩史がモデル。
極道構文
数多のパワーワードとルビ芸に彩られた極道たちの台詞の中でも、一際人気が高いのが第10巻にて披露された輝村極道とモブ極道との問答である。
(極道A)
「に・・・忍者全部ブッ殺したら・・・昔みてーにまた堅気(カタギ)・・・恐喝(ガジ)りてぇな~~~~・・・!!」
(輝村)
「恐喝(ガジ)れば善し!」
(極道B)
「邪魔な政治家(ブタ)-----沈殺(しず)めて・・・いいんスかぁ!?」
(輝村)
「沈殺(しず)めて善し!!」
(極道C)
「児童臓物(ガキモツ)売捌(トバ)してええのか!?」
(輝村)
「売捌(トバ)せば善し!!」
何一つ善くは無いのだが、女子供(メスガキ)の臓物を売り捌いた程度で畜生と蔑まれる哀れな極道たちの味方である輝村極道は、悪事(わるさ)の全てを肯定してくれるのである。
あまりのテンポの良さと治安の悪さからこの問答は読者の脳髄に後遺症レベルで焼き付き、台詞の内容を変えたパロディを多数生み出すことになった。