"破壊の八極道"
始めよう…我らで"忍者"も"日本-この国-"も
なにもかもブチ壊そう
概要
『忍者と極道』に登場する日本最強の極道8人衆。「極道技巧」を会得し、人間離れした戦闘力を有する。
元締めは竹下組裏組長の輝村極道(以下きわみ)で、自分たちの天敵である忍者を滅ぼすために活動している。
他の極道が利権や保身のために悪行を行うのに対し、あくまで忍者抹殺が主題のため、「裏社会(ウラ)で悪事(わるさ)かますと忍者が来襲(く)る」ことを逆手にとり、帝都八忍をおびき寄せるためにわざわざ手間と時間と金をかけて虐殺やテロなどの悪行を行うという本末転倒な状況に及んでいる。というのも、きわみが麻薬の海外販売により数兆円規模の資産を有しているので、全く資金稼ぎなど必要が無いからである。
本作の極道は"道"を"極める"として、自身の特技を研ぎ澄ました極道技巧なる技を持つものの、個々人の戦闘力は帝都八忍よりはるかに劣るため、戦いの際には身体能力を飛躍的に高める薬物「地獄の回数券(ヘルズクーポン)」を服用してようやく互角に渡り合える。
「みんな!! ''麻薬(ヤク)''キメろおお!!」
とはいえ、薬で強化された個々人の戦闘力や戦闘経験、センスによっては八忍を苦戦させる、倒すに至る場合もあり、何よりたとえ近代兵器より強い攻撃力とスピードを有する忍者であろうが、銃やナイフが効かないわけではないため、一矢報いることは原理上可能(帝都八忍は既に体を鍛えすぎて限界を突破しているため、地獄の回数券を服用しても効果が出ない)。
当初はきわみと第一幕の敵役である3人が描写され、残りの4人はシルエットで表現されていたが、「割れた子供達」の総理官邸襲撃事件をきっかけに全員が集結することになった。
忍者側が八忍同士が協力することはあっても雄鷹斗女を除いて基本的に己自身で戦うのに対し、現在までに戦った八極道はそれぞれ自身の配下集団を束ねており、八極道の一人が行動を起こす際には彼らも一斉に動きだす。
そして八極道ほどではないが配下の幹部格の構成員たちもまた、八忍を苦戦させるだけの極道技巧や覚悟、業を持っており、一筋縄ではいかない実力者たちとなっている。
なお忍者に挑む八極道は基本的に一人ずつ(+その八極道の配下集団)であり、殺島の番でガムテが参加しようとした際にはきわみが難色を示したこともある。むしろ極道全員が一斉に動いたら数が少ない忍者はそのまま全滅していたと思われるが、それをしないのは極道側の美学というよりきわみの趣味(アニメなどで敵幹部が一斉ではなく一人一人倒されてからボスが出てくる)に近い様子。ちなみにくじ引きで順番を決めているようである。
その本質
夢澤と幡随院を除く八極道は確認出来る限りそれぞれ凄絶な過去を有しており、そこから得た哲学や価値観、信念……そして『孤独』を持って同じ様な業を抱えた配下を従え己の『悪さ』を持って忍者との交戦を対価として結果的に彼らの『孤独』を癒していく事になる。
が、二番手の殺島以降の八極道は『配下の抱えた絶望・孤独を理解せず『悪』だと宣う堅気にテロで自分たちを示し、代償として忍者と交戦する事で共に責任を取って死する』事自体が無意識的(勝利し生存することは前提として全員戦っている)な目的となっている節があり、そこからファンの間では『破壊の八極道、引いてはきわみの目的は『一般極道』の趨勢自体は心底どうでもよく、配下である『孤独なる者の叫び』を世界に轟かせる事が真の目的では?』と推察されている。
実際、生粋の極道は悲しい過去が無くとも自己完結した身勝手な身内愛で他者を踏み躙り挙句の果てそれが悪だと認識していない外道共であるが、八極道とその配下は業によって狂ってしまいそれでも外道であっても自分の行いが『悪』である自覚自体は持っている。
そこから一般極道と八極道及びその配下は文字通り『別種族』ではないか、と推察されている。
構成員
輝村極道(きむら きわみ)
(画像右)
本作のもう1人の主人公であり、破壊の八極道の盟主。表向きは大企業ダイバンの幹部を務める。
残虐にして非道な悪のカリスマで、破綻した人格の極悪人であるにもかかわらず「孤独な者の友達」である彼を慕う者は多い。他の八極道の極道技巧も使えるらしく、作中では9巻までに下記の夢澤と殺島の技巧を使っている。
夢澤恒星(ゆざわ こうせい)
(画像左)
竹本組組長できわみの懐刀。豪快な性格と冷静な頭脳を併せ持つ巨漢。バレンタインデーには手作りのチョコを組員に振る舞うなど意外と家庭的。
自他ともに認める八極道最弱の男だが、負傷を物ともせず一直線に突き進み相手をぶちのめす極道技巧「進撃の極道電車道(しんげきのヤクザライナー)」の使い手。
殺島飛露鬼(やじま ひろき)
絶世の美貌を持つ講男會傘下長沢組若頭。少年時代には日本最大の暴走族「聖華天」を率いていた、不良界最高のカリスマ。ちなみに実家は「生花店」。
二挺拳銃の使い手で、銃の跳弾を操る極道技巧「狂弾舞踏会(ピストルディスコ)」で死角から敵を撃ち抜く。
ガムテ
未成年犯罪者を集めた子供だけの暗殺集団「割れた子供達」の首領。常に顔にガムテープを張り付けた殺人狂の少年。ちなみに正体は意外な人物の係累。
2本の匕首を柄尻で固定した双刃刀「Wドスドス」の使い手で、衝撃を「殺す」事により暗刃を反らすことができる「殺しの王子様」。極道技巧は相手の肝臓を貫いて末期の肝臓癌同様の状態にしてしまう「疒(やまいだれ)」。また、他の「割れた子供たち」幹部の技巧も使える。
繰田孔富(くりた あなとみ)
「怪獣医(ドクター・モンスター)」の異名を持つ、闇医者集団「救済なき医師団」のリーダー。
3mを超える長身、左右非対称な髪型、裂けた口に無数の牙、先の割れた舌、異様に長い両腕という容貌をした人物。
オネェ口調で話し、殺島からは「孔富姐さん」と呼ばれていた。また、きわみを「ダーリン」、ガムテを「王子様」と呼んでおり、そのガムテにクーポンの2枚使用を教えた人物でもある。
極道技巧は自ら改造した肉体そのものである「驚軀凶骸(メルヴェイユ)」。成人男性の胴体が縦に繋がっており腕は四本存在するという恐ろしい外観をしており、その体から繰り出される肺活量も驚異的な威力を持つ。
砕涛華虎(さいとう はなこ)
夢澤以上の体躯を誇る巨漢。背中には天に掲げる拳の刺青がある。
赤坂の戦いで壊爺が自爆する際に八極道が「地獄の回数券」を服用して料亭の爆破を生き延びたが、彼のみ口元に手を運んでおらず、クーポン抜きの生身の耐久力で爆破を耐えたともとれる描写がされており、覇世川兄弟の「氷帝雷公来駕」すら効かないという八極道の中でも異質な存在。
性格は非常に好戦的で、強い相手と戦うことを欲している。また、「ジョー」という側近を従えている。
「忍殺番長」の異名を持っており、かつて覇世川左虎と邪樹右龍の父親を「二度」殺したため左虎からは「最大の仇敵」と呼ばれている。
指詰めで小指を失っており、その拳から繰り出される極道技巧「照拳(しょうけん)」は、打撃と共に大爆発を起こし相手に二重のダメージを与える。
MAYA/蟲原真夜(こはら まや)
大衆(セカイ)へのただただ純粋かつ極大の憎悪を持つ芸者集団『塵芥芸者衆』のリーダー。八極道で唯一の女性。細長く結ったドレッドヘアを後ろで束ねている。
極道が運営する芸能プロダクション「ラコンタグループ」の看板。
帝都高編では炎上するトラックの荷台に描かれた広告に同じようなドレッドが写っており、総理官邸襲撃事件で彼女こそが「殺戮歌」(ころしうた)MAYA本人であることが明らかとなった。
表向きは世界的な歌姫として高い知名度と名声を得ているが、その性格は非常に自虐的でネガティブ。ゴミ袋で埋まった広大な屋敷に住み自らの事もゴミと称している。一方できわみの事は様付けで呼び慕い、「推し」とまで称する等忠誠心は非常に高い。
極道技巧は聴いたら死ぬ声(名称不明)。MAYAの発する特定の音波を喰らえば、直だろうが電波越しだろうが血圧異常で身体が破裂する。作中では、デモンストレーションで内戦中の共和国の人口9割に当たる約900万人を爆死させた。
幡随院(ばんずいいん)
顔中に斑模様のような火傷の痕がある人物。夢澤、殺島に続ききわみの運転手を務めている。
4巻のおまけで彼を目撃した一般女性の証言から、殺島に劣らぬ美貌の持ち主とされている。
極道の始祖である幡随院長兵衛や、『フラッシュプリンセス』脚本家の幡随院弧屠と同じ苗字を持つが関連性は不明。
総理官邸で忍者の長、神賽惨蔵と対峙した際にはお互い面識がある素振りを見せており、本来ならかつて惨蔵に敗れて死亡したらしいが…?
極道技巧は不明だが、本人曰く「なんでもできる、なんでも成れる」らしく、べしゃり烏や鼠坊衆の監視ルートを意のままに操る事ができ、他の八極道が行う数々のテロ行為を忍者に探知させずに決行できるよう裏工作をしていた。
ちなみに初登場時「「忍者と極道」、第二幕が始まるよ」というメタ発言をかましているが、詳細は不明。