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輝村照

きむらてら

近藤信輔の漫画作品「忍者と極道」に登場するキャラクター、ガムテの本名
目次 [非表示]

「オレだよオレオレオレオレ☆ オレだよ、ガムテだよ」


概要編集

忍者と極道』に登場する殺し屋で、「割れた子供達」(以下グラチル)のリーダー。

父は輝村極道(以下きわみ)だが認知されていないため非嫡出子である。


当時きわみは14歳で当然認知などできるわけが無かったため、シングルマザーの実母の元で育てられたが、壮絶な児童虐待を受けており、そのお蔭で「無呼吸で30分活動」「(痛覚と共に)鋭い感性(カン)が磨かれる」など、常人離れした身体能力を持つに至った。しかし一方で、チンチン切除不眠症といった重度の後遺症が残るほどの身体的虐待をも受けていた。


彼が(あらゆる意味で)ブッ壊れて殺人狂になったのも、父親であるきわみの監督不行き届きによるものである。そのためガムテは病的なマザコンサイコキラーになり、血縁上は父であるきわみを蛇蝎のごとく嫌っている。

自身が嫌われている事はきわみも気づいており、現在この親子は一応名目上は上司と部下の関係に留まることで縁は切れていないものの、肉親の情は皆無


活躍編集

きわみとしのはを総理官邸で抹殺する計画を立てているが、最後のピースが見つからず悩んでいた。

そんな中、ガムテはしのはが読書感想文コンクールで総理大臣賞を授与されることになったのを偶然聞いてしまい、総理官邸にグラチルのメンバー全員を引き連れて乗り込み、総理大臣や米国大統領ら日米のVIPを巻き込んだデスゲームを無断で始める。官邸に列席していたきわみは「底なしの悪意は100点だが、このタイミングは0点」としのはを巻き込んだことに対して憤慨している(この時点ではきわみはしのはが忍者だとは知らなかったため、「友人を巻き込んだ」と認識した)。

各大臣や大統領を殺害し爆弾を設置するなど官邸内を恐怖と混乱の渦に巻き込み、自身も愛多総理を救出に来たしのはに疒(ヤマイダレ)を決め優位に立ち回る。

しかし徐々に忍者たち(ときわみ)の反撃によって幹部たちが倒されていき、爆弾もきわみによって解除されてしまう。さらには米国(ステイツ)から帝都八忍最後のメンバーである雄鷹斗女が帰国し、彼女の忍巧美男衆(テクノビダンズ)によって幹部以外のメンバーも次々と殺害されてしまった。


そんな追い詰められていく彼に手を差し伸べたのは、なんと自分が殺そうとした愛多総理だった。

自身の凶行から何か事情があると察した総理は、教育制度の改革や児童虐待防止対策の強化・改善などできることがあるはずだと語り、それに対しできることなんてないと諦めるガムテに対しても「私を誰だと思っている!?内閣総理大臣愛多間七である!!!」と力強くまっすぐに呼びかけてみせた。


それに対しガムテは頭を抱え迷い、苦しむ様子を見せる。だが――


「…遅いよ オレ達はもう――…!!」


壊れてしまった自分達を救うことはもうできない。どこか悲しそうに笑いながらガムテは短刀を総理に振り下ろそうとする。

だがそれを止めたのは、自身の極道技巧から復活を果たした因縁の相手であるしのはだった。


疒(ヤマイダレ)を喰らってもなおしぶとく自分に挑み続けるしのはに対し「こんなにも病って殺りたい」と初めて思いながら戦うガムテ。しかし、しのはがきわみの使用した化勁(かけい)から自身の防御(ころし)技が似たような技術であると看破され、一撃の刹那に追いの一撃を入れ拍子(タイミング)をずらす新たな技、暗刃・改 无黎破黎(ブリバリ)によって武器を失い、絶体絶命の中で彼の過去が語られる…


これから先は原作72話以降のネタバレを含む




















輝村照の父親は輝村極道である…と思われていたが、DNA鑑定(ちなみにこれは繰田孔富本人たちの同意なく勝手に行った)の結果二人の間には血の繋がりは一切なかったということが回想にて発覚した。

彼の実母、离倫(りりん)は魅力的な容姿を武器に非常に数多くの男性を(性的な意味で)食べた希代の娼婦であり、その数は10年で5000人に上り(最低でも毎日いたしている上に複数人の乱交プレイもかなりやっていた計算になる)、当時14歳だったきわみも「当時の自分では毒牙を免れなかった」と語るほど。その「もしかしたら実親かもしれない人物」の一人がきわみだった、ということらしい。ついでに生前の実母は容姿は良いものの元々性格が悪かったようで、ガムテが幼少の頃にはついていたパトロンにも見放され、困窮に苦しんだ末に息子への児童虐待を行うようになった。

過去の回想から「輝村極道以外の他の4999人のパパにも同じように会いに行った」という事実が示唆されており、実父は彼自身が殺している(作者が過去にTwitterで明言)が、「きわみは今までのパパの中で一番すげーやつ」ときわみのことは誰よりも認めており、「自分は他の4999人のうちの誰かではなく輝村極道の実子である」と思い込むことで完全に壊れてしまいそうな自分の精神の支えにしているところがある様子。


ちなみにガムテに対して親らしい対応を全くしていないと思われたきわみであるが、「表向きの演技」でなく本当の自分で真摯に対応し、わざと憎むように虐待じみた対応をしているのも「父親を憎むことで精神の均衡を保っている」ことを理解しているからであり、さらに似たような境遇の子どもたちが集まる暗殺集団「割れた子供達」に入れることで彼に友達を作る場を与える等の対応をしていることから、虐待を行った血の繋がった実の親よりも(普通の親としては最低レベルではあるものの)親らしい接し方をしていたことが判明した。

これは昔ながらの任侠ものの「魂の繋がりは血の繋がりよりも濃い」ということからも来ているのだろう。

孔富からDNA鑑定の結果を伝えられようとした際にも「見ない」と言い放ち、さらには「あの子は私の息子だ」と力強く断言した。

2人の親子関係に思うところがあった夢澤と殺島も、このことを聞くと言葉を失いながらもきわみの「愛情」に感服した様子を見せた。


「たった一度だけでいいからきわみに心からの笑顔で自分を認めさせたい」、その誰よりも強靱(つよ)き怨念で生きてきた彼にとって、きわみから心からの笑顔を向けられ因縁の相手でもあるしのははガムテにとって「死んでも殺したい敵」となった。


そんな相手に対しガムテは遂に奥の手を出すことを決意する。それは自身の命を削り力を得る禁断の手段、『地獄への回数券』の禁断の2枚同時使用だった。


忍者と極道のガムテ


残り5分という短い命の中、圧倒的に強化された力(パワー)と速さ(スピード)、そして倒れていった仲間たちの極道技巧を用いてしのはを追い詰めていく。


「他人(ひと)に殺された心はッッ! 他人(ひと)を殺さなきゃ正気ではいられないッ!! 殺さなきゃ生きらんない!!」


「オレ達は!!そんな生き物なんだ!!! そんな生き物になっちまった!!なっちまったんだ!!!」


そう悲痛な叫びを上げ、使いたくなかったきわみからのプレゼントである"関の短刀(ドス)"をも用いて強者だと認めたしのはの肝臓へのガードを徐々にこじ開けていく。

そして戦いの中で見つけたしのはの癖(パターン)から編み出した必殺コマンドによって遂に肝臓の防御を完全に開け、必殺の一撃である疒(ヤマイダレ)を喰らわせようとする。


…だが突如目の前に見たこともない真っ黒なイメージが現れ、にもかかわらず残り時間を気にして攻撃を繰り出そうとしてしまったことが致命的なミスだった。


ガムテが見つけ出した癖(パターン)は実は強い彼なら見逃すはずがないとしのはが命がけで作った偽のものであり、逆にカウンターを喰らい腕を飛ばされてしまった。

同じタイミングで2枚摂取の効力も切れ、しのはの暗刃によるラッシュを受けたことで遂に敗北した。


それどもなお首は落とされまいと残りの力を振り絞り上階から落下するものの、四肢を失いもはや助かる見込みはない状態。

そんなガムテの前にきわみが現れ、よくやったという言葉と共に言い遺すことはあるかと尋ねる。


――ずっと認めさせたかったどの父親よりも優れた男。その男を壊し、自分を認めさせるため最後の力を振り絞ってガムテ…輝村照は大声で叫んだ。


「忍者(しのは)と極道(きわみ)は 忍者(にんじゃ)と極道(ごくどう)だ!!!」


誰よりも心を通わせた友人が忌み嫌う天敵だと告げられ、きわみはガムテに言う。


「見事だ 息子よ」


「君は見事に 私を」


「…破壊した」


…その顔は確かに、様々な感情を含んだ笑みを浮かべていた。


一人の男を殺すために生き続けた「殺人の王子様(プリンス・オブ・マーダー/ころしのおうじさま)」は、最期の最期にようやく自分に向けられた笑みに対し涙を流しながら心からの喜びの笑みを浮かべて事切れたのだった…


銀河街の悪夢編集

「……あれ…」


照が目を開けると、そこは会社のオフィスだった。残業中居眠りをしてしまっていたことに気づいた彼は、同じく残っていたかつては"大臣(ダイジン)"を目指していた同僚であり親友と共に会社を出た。


ふとビルの大型テレビに目を向けると、そこでは一人のサッカー選手がインタビューを受けていた。

日本のエース確実と言われながらもケガをして伸び悩み、日本代表から外されチームからも戦力外を言い渡される厳しい現状。そんな"黄金球(バロンドール)"のような輝かしい経歴ではないものの、持ち前の明るさで全力で頑張っていくと笑顔で答えた彼を見て照は笑顔になる。


直後に後頭部に何かがぶつかり、現れたのは綺麗な眼をしたムキムキのタフガイと、その同僚である太った女性。どうやら喧嘩中に手が滑り持っていた小箱を投げてしまったようだった。

「"ブス"」「ムキムキの癖に"天使"のような眼をしていてキモい」と互いに罵り合う二人だったが、タフガイの方から「うるせ――!!!結婚しよう!!!」と小箱の中に入っていた指輪を見せてプロポーズ。同僚の女性も涙しながら応えるように言い返し、その様子を見ていた照も涙を流した。


続いて近くに居た若者が見ていたスマホに映っていたのは二人のプロゲーマー。猛者である海外勢に負け続け、次に敗北したら契約が打ち切られるかもしれないという崖っぷちにいながらも"指令(オーダー)""攻手(アタッカー)"として二人で戦う彼らは強気に笑うのだった。


他にもチャンピオンに挑むボクサーに警察(ヒーロー)を目指し厳しい警察学校に通う5人組、いい男に出会えずいっそのこと二人で結婚するかと話し合う2人の女性、怪しい商材で一儲けしようとする二人組など、決して思い描いた理想の自分にはなれずとも前を向き、輝かしく生きる"大人たち"の姿がそこにはあった。


「なぜだろう…なぜか今日はすごく幸せな気分が溢れてくる……!」


その後駅で別れ、家に帰る照の背中を見て大臣(ダイジン)は言う。


「僕は…極道さんを倒そうなんてことは……すぐに諦めてしまった───」


「でもガムテ、君は最期まであの怪物に立ち向かった。そして遂には一矢を…!!」


「すごいよガムテ…君は本当にすごい男だ!!」


「お休み…ガムテ。君は立派に生き抜いた。だから今は…夢の中でゆっくりと───」


家へと帰る道の中で、照は自分の人生が平凡なものであると感じていた。

だがその人生に悲観することはなかった。家に帰れば舞踊鳥(プリマ)になれずとも自分の人生に誇りを持って生きる、彼の妻が待っているのだから。


大好きなカレーの匂いを嗅いだ照は家に入り妻と共に笑顔を浮かべる。その顔は、とても幸せそうなものだった――。


――しかし現実の彼が遺した爪痕は大きく、しのはときわみの対立が深まる物語の第二幕が始まろうとしていた…。



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忍者と極道 破壊の八極道 虐待 殺し屋

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