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さぁみんな…溺れましょう 救済と死の大海嘯よ


概要編集

忍者と極道』に登場する極道。「怪獣医(ドクターモンスター)」の異名を持つ闇医者であり、医師集団「救済(すくい)なき医師団」のリーダーでもある。

その異名の通り全長3メートルを超え骨格的にも不自然な体系、無数の牙がある大きく避けた口元、左右非対称に割れた髪形と常人離れした外観を持つ。これは幼少期よりファンだった特撮作品『ネビュラマン』に登場する怪獣への憧れにから自身の身体に様々な改造を施しているためであり、後述の極道技巧にも関わっている。

そんな風貌に対して言動はオネエ系きわみを「ダーリン」、ガムテを「王子様」、夢澤殺島を「ボウヤ達」と呼んでいる。特にガムテに対してはきわみとの歪な親子関係を見抜いていたり、死に際には涙を流して敵討ちを誓ったりと彼なりに可愛がっていた模様。一方で砕涛とはお互いに犬猿の仲である。

極道側の切り札である『地獄の回数券(ヘルズ・クーポン)』の生みの親であり、その功績からきわみからは「希代の闇医者」と称えられている。また、ガムテに2枚服用の手段を教えた人物でもある。


法を守っていては救えぬ心がある」という独自の信念から薬事法を完全に無視しており、まるで処方薬感覚で患者に麻薬を提供している。その反面、戦いに巻き込まれた一般人に対して適切な治療で救助もしており、あくまでどんな形であれ人々を救済する事にこだわっているらしい。



「麻薬学(ヤクガク)の父」と言われる繰田美伴(びばん)の弟であり、彼と共に本の執筆を行っていたり、故障したメジャーリーガー(左虎が「オーマガ手術」と称していたころから治療を受けたのは逢魔賀広偉と思われる)を治療して復活させたりとかつては表社会で大いに活躍していた。

忍者である左虎も医師として孔富を尊敬していたほどだったが、そんな彼がなぜ裏社会に身を落とし破壊の八極道にまでなったのかは後述。


能力編集

身長は3メートルを優に超え、そこにさらに本人曰くネビュラマンの怪獣達に憧れて手術(いじくっ)た」怪獣肢体(かいじゅうバディ)は常人離れした回避・反応を見せ、また肺活量も人外じみた驚異さで、初参戦となった戦闘の際には唾を吐いただけで(ガムテとの死闘で困憊していたとはいえ)しのはを数メートル吹き飛ばし、惨蔵が放った「老腕若火の帰還」をかき消してしまうほど。

他にも上記の改造手術の賜物か忍者と互角のスピードが出せる脚力や、瀕死の相手も治療できる医師としての技術力の高さも併せ持っている。

極道技巧は長らく不明だったが………


関連項目編集

忍者と極道 救済なき医師団 闇医者 オカマ


この先ネタバレ注意編集







※この先第106話以降の最高機密(ネタバレ)が記されます!








































危険(ヤバ)かったわァ…――今の技♡





『私一人』じゃ……防ぎきれなかった



”怪獣医”









極道技巧「驚軀凶骸(メルヴェイユ)」

第106話ラストにて初披露された繰田の極道技巧。前述の3メートル越えの巨体の秘密であり、人間の首からさらに上半身が生え、腕は合計4本という正に「異形」と呼べる怪獣肢体(かいじゅうバディ)。手術によって自身の下半身を切除し、そこに双子の兄・美伴の首から下を接合したものがベースとなっている。孔富曰く『コレが私達の”願望(ユメ)”の到達点』。

文字通り手数を増やすというのもさることながら、身体を異様な方向へ曲げるなど通常の人間の身体では不可能な動きも可能となっている。

また二人分の身体を有している都合上、通常ならば副作用で命を削る「地獄の回数券」の2枚服用もノーリスクで使用できるという利点もある。


実は79話にて既に片鱗を見せており、前述した「唾を吐いただけでしのはを吹き飛ばしたシーン」において息を吸った際に胴体が(ガムテの亡骸を挟んで)二カ所膨らんでいた。またその他にも全身が映るコマをよく見ると手足と比べて明らかに胴体が長く、単行本10巻巻末のおまけ漫画(作者がサウナに行くが、そこにはきわみ破壊の八極道(10巻時点で前述のガムテ含む既に死亡しているメンバーも含む)もいるというストーリー)においても繰田はほとんど頭と足先だけしか映っておらず、前述の「改造(いじく)った」との本人の発言も踏まえ様々な予想が立てられてはいた。


ちなみに普段見えない中半身の腕は常に体を抱きしめる形で収納している。初登場時からよく見ると腕に当たる部分は白衣が不自然に膨らんでいることがわかる。


極道技巧「咲き乱れよ乙女達(フラワーズ・オブ・ロマンス)」

驚軀凶骸によって常人の二倍保有する臓器のうち、メタンガスを生み出す小腸、空気を吐き出す肺を駆使した火炎放射。その際前歯を打ち鳴らしていることから、前歯もまた火打石の役割を担うものと思われる


極道技巧「六足六速(ヘヴンズ・ドライヴ)」

驚軀凶骸によって得た四本の腕で機動力を、そして(おそらく自身と美伴の足を融合させているであろう)脚で加速を、孔富曰く『ゴキブリの加速とムカデの機動を実現する』異形の肉体を最大限に生かしての超高速(疑似的)全方位連続攻撃。


最終極道技巧(ファイナル・ゴクドウ)「生命の技巧(アート・オブ・ライフ)」

四つ手で相手の四肢を掴んで大ジャンプし、空中で相手を踏みつける、もしくは胸に爪先を置いて落下し、地面へ叩きつける大技。

爪先による刺突と高所からの落下による衝撃で二人に多大なダメージを与えることができる。


過去編集

医者だった両親を幼い頃に亡くし、その遺産を使い兄の美伴と共に叔父のもとで不自由なく暮らしてきた。

子供の頃から化粧など女性的なものに憧れを抱いており、そんな自分と同じ「異形」の存在であるネビュラマンの怪獣たちに共感を抱いていた。


一時は友人の影響で不良になるも、同じく悪の道に進んでいた美伴から「弱者男性(シャバゾウ)は真面目に勉強でもしてやがれ」と折檻を受けたことで更生。勉強し医大へ進んだことで親と同じ医者への道を歩むこととなる。


その後表の世界で名医と呼ばれるまで成長したものの、ある日叔父が現れ金の無心をしてきたことを不審に思い問い詰めたことで既に遺産は使い込まれていたことと、自分の大学の学費は全て美伴が負担していたことを知る。


そして医者の交流関係を使って行方不明だった美伴を探し出し、再会したことで自分の学費が美伴の売買する麻薬によって賄われていたことを伝えられる。

弟に悪事がバレたことで警察へ行き自首しようとする美伴だったが、身内に犯罪者が出れば自身のキャリアが終わること、そして何より「ふたりきりの兄弟だから」という理由で手を貸すことを決意。

裏社会に弟を巻き込んだことに負い目を持つ美伴は「法を守っていては救えない命がある。麻薬は救いである」と債権者を人体実験しながらも弟が罪悪感を覚えないように言い聞かせていたが、孔富自身は「詭弁」と一蹴していた(つまり、自分たちが極悪人という自覚自体は持っている。それを兄弟愛だけであっさり踏み外してまるで後悔していないという異常性があるだけで)。


その後は「天国の回数券」(ヘヴンズ・クーポン)の開発や当時大学生だったきわみと出会う(この頃は「極道(きわみ)ボーイ」と呼んでいた)など悪くない日々を過ごしていた。現時点で判明してる中では八極道で一番付き合いが長いことになる。


しかし研究所が左虎と右龍の襲撃(カチコミ)に遭い美伴が重症を負い、術後も錯乱を起こすなど手の施しようがない状態となってしまう。

そんな中意識が朦朧とする中で弟について語りだす美伴。


自分を「自慢の弟」と言い立派な医者にするために金を作らないといけないという決意や、子供の頃のネビュラマンごっこで弟が喜ぶからと怪獣役を譲っていたことなど自分に対する兄への想いを聞いたことで涙を流した。


そして兄の願いを叶えるため、兄の仇を討つために禁断の術式「兄弟接合手術」を実行。

己の胴を切断し兄の身体と結合させる狂気の手術の果てに最恐の怪獣、繰田孔富は誕生したのだった。

そしてこの過程で死んで当然の激痛に耐えるため、天国への回数券をはじめとして多量の麻薬を麻酔として摂取した結果、偶然生まれたのが後に対忍者の切り札となる「地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)」の試作品である。


活躍編集

シルエットでの登場はあったものの本格的な活動、および姿見せは第四章の終盤から。力尽きたガムテの遺体を抱えその生き様に涙を流し、先述のように惨蔵が放った「老腕若火の帰還」をかき消すなどその力の片鱗を見せつけた。

その後は屋形船に乗りきわみ、「救済(すくい)なき医師団」のメンバーとともに警察の追跡を躱し逃走。その際きわみから次の刺客として任命され、東京の全てを壊すと宣言。


その後極道の患者の往診とコスメのショッピングを行っていた際に浪速拾忍(なにわじゅうにん)の忌井魎斎(いまい りょうさい)へ救援要請のため接触を行っていた兄の仇、左虎と右龍の兄弟に偶然接触する。自身が兄を殺害した張本人であることを左虎から告げられ一瞬怒りの表情になるものの、すぐにいつもの態度に戻りその場から逃走。医師団のメンバーの助けもあり追跡を躱し、改めて東京で悪事を行い、兄弟をブッ殺すと告げその場を去った。

その夜、各々の抱えるトラウマに苦しみ泣き叫ぶ医師団のメンバーに明日必ず救うと慰め、翌日遂に計画を実行に移す。


――妻の不倫を見て見ぬ振りするパイロットの男性、夫からのDVに苦しみ反抗する気力を無くしてしまった女性、親の遺した膨大な借金を返済するため働き続ける若者…。そんな医療では救うことのできない心の傷を負ってしまった人間たちが、今日も変わらず生活を続けていた。


が、そんな彼らに突如異変が起きる。水道の水を飲んだりミストシャワーを浴びた途端、ひきつったような満面の笑みを浮かべ顔中から体液を垂れ流し錯乱状態に陥ったのだ。

正常な判断のつかぬまま周りを巻き込んで事故を起こし、同じように水を摂取した人間も錯乱状態となり混乱はどんどんと広がっていく。


「この世はみんな病んでいる」


「どんなに医療が発達しても 救えぬ心で満ちている」


「だから───────」


「浄水場から水道通じて "全東京"を"麻薬(ヤク)漬け"に……!!」


孔富が起こしたテロの内容、それは浄水場の水に大量の『天国の回数券(ヘブンズ・クーポン)』を投入した麻薬(ヤク)水を水道に流すことで、水を摂取した人間を麻薬中毒にして強制的に幸福な気分にさせるというものだった。


「水を飲めない」という生物としての苦しみに耐えられず一人、また一人と犠牲者が増えていき、忍者たちも麻薬(ヤク)水の毒牙にかかり苦しんでいく。

だがこの身勝手な救いがしのはに一般人を笑えなくする極道への怒りを思い出させ、気力を取り戻した忍者たちの抵抗により医師団のメンバーが討たれていく。そして自身は本郷の水運用センターにて兄を殺害した因縁の相手、左虎と対峙することになった。


「驚軀凶骸(メルヴェイユ)」による多彩な戦術で翻弄し、「六足六速(ヘヴンズ・ドライヴ)」で忍者の反応を超えるスピードによって大きなダメージを与えた。

しかし自分の麻薬(ヤク)水による「救い」を否定する左虎に対し怒り再び「六足六速(ヘヴンズ・ドライヴ)」を繰り出すも、左虎が張り巡らせていた髪による罠で動きを封じられてしまう。

そのまま首を斬られそうになったが、外でしのはと戦闘を繰り広げていた華虎の照拳による余波で拘束から脱出。トドメを刺そうとするも乱入してきた右龍の妨害で2対1の戦いとなる。


2人のコンビネーションに押されていくも2枚服用を解放したことで徐々に優位に立ち、極めつけに時間切れによる自滅を狙おうとする相手に対し2人分の身体を持つため2枚服用のデメリットがないことを告げ動揺を誘う。


そして2人の四肢を捕らえ飛び上がり「生命の技巧(アート・オブ・ライフ)」を決め、左虎には臓器の殆どを、右龍には心臓を潰す重傷を負わせる。

…しかし勝負は決したと思われた中で、なんと左虎は自らの心臓を取り出し右龍に移植しようとする


極道としても医師としても阻止(とめ)るべき行動だったが、たった一人の兄弟を救おうとするその姿を同じく兄に救われてきた孔富には阻止(とめ)ることができなかった。


心臓を失い意識が朦朧とする左虎。そんな彼に孔富は呼びかける。


「倒れんなッッッ!!!」


「倒れんなっ…!! 救済(すく)うのでしょう!!?」


「貴方は兄弟をッ!! 救済(すく)うのでしょう!!?」


それは極道としてでも医者としてでもない、孔富個人としての激励だった。その言葉に左虎は微笑みを返し、残された最期の時間で手術(オペ)を開始する。


「見守ってあげるわ Dr.覇世川」


「こんなに寂しい夜だもの これが最後の夜だもの」


祈るように手を組み手術の経過を見守る孔富。そして――。


「ビューティフル……!」


遂に手術は完遂され、左虎の命と引き換えに右龍は蘇った。

二人分の心臓を持つ身体は憤怒(ブチギレ)で常時電流をまとい、兄から受け継いだ髪と氷の力を併せ持った"怪物"として…。


「いいわァ "4枚服用(ゼンリョク)"出したげる」


「これで決着(ケリ)つけ終焉(オワ)れるなら私も本望!!」


怪物となった右龍に対し孔富も本気(マジ)の4枚服用を行い、命を削って倒そうとする。かくして2体の怪物による頂上決戦が幕を開けた。


超伝導により空中を自在に飛び回る驚異的なスピードと電撃の攻撃によりダメージを負っていくが、自身が開発した『地獄の回数券(ヘルズ・クーポン)』への自信とプライド、そして自身の命を削ってでも相手を倒そうとする覚悟によって一進一退の攻防を繰り広げる。


途中で右手に違和感のようなものを感じるも、相手の猛攻に考えている暇はないと戦いを続け、相手が怪物になりたてのため全力を出し切れていないという弱点を突き「生命の技巧(アート・オブ・ライフ)」の形にまで持っていき、頭を踏み潰して殺害しようとする。


だが左虎が大技を出した際に手の腱が切れるようわずかな切れ目を死の間際に仕込んでいたことにより、右手に力が入らなくなりバランスを崩され地面に叩きつけられてしまう。

なんとか起き上がるものの防御する暇もなく暗刃を直接喰らい、ついに首が胴体から離れた…。


「まだ…よ私は まだ終わらない!!!」


だがなお首を掴み孔富は立ち上がる。『地獄の回数券』の再生力でも直らない傷に忍者の攻撃には麻薬(ヤク)に勝る何かがあるのかと考察するが、それよりもまだ終わるわけにはいかないと瀕死の身体にムチを打ちかかってこいと挑発する。


…そんなどこまでも強い執念で動き続ける孔富に対し、右龍は――


「この構え ネビュラマンの王道奥義(フェイバリット) ネビュリウム光線」


右龍がとったのは彼自身も好きだと言ったネビュラマンの「ネビュリウム光線」の構え。

ネビュラマンの怪獣はただの悪役ではなく、何かしらの事情で追い詰められてしまった悲しい存在。

ネビュリウム光線はそんな彼らへの手向けであり、鎮魂の技。

右龍もまた孔富を「怪獣」と認め、最大限の敬意を持って彼に応えたのだった。


「…そう そうね…!」


それを受け孔富も憑き物が落ちたように穏やかな表情となり、同時に「地獄の回数券」の効果も切れる。

必殺技を受けた怪獣が、取るべき行動は一つだった。


「嗚呼――――……やられたぁ……」


ゆっくりと後ろに倒れる孔富。その胴体から離れた顔は、とても穏やかな表情をしていた――。


FOREVER LOVE編集

暗闇の中目覚める孔富。ふと自分がなんのためにこんなことをしたか考えていると、どこからか泣き声が聞こえてくる。


そして目の前に現れたのは、医師団に入る前の心が折れてしまった歪罹井(エリイ)だった。今まさに薬物の入った注射器を打とうとする彼女を咄嗟に止め、破滅をもたらしてしまう薬物に手を出すのをやめるように呼びかける。

それでも自分の苦しみはわからないと泣き叫ぶ彼女に対し、苦しみから逃げてもいい、だけど破滅にだけは逃げないでと真っ直ぐに呼びかける。その言葉を聞いた彼女は堰を切るように孔富の胸の中で泣くのだった。


続いて現れたのは尊敬していた母親が認知症で壊れていくことに耐えられず扼殺しようとする美陀(ヨシダ)。その手を掴み本当に望んでいたのはこんなことじゃないでしょうと呼びかける。するとそれに応えるように母親も美陀に手を伸ばし、美陀自信もその光景を見て涙するのだった。


さらに場面は切り替わりとある村へ。遺族たちからの執拗な嫌がらせを受け心が折れかけた叛巻(ホンマ)嫌慈(ケンジ)が村民を見捨てて火事から逃げようとしていた。そんな2人を「逃げんなァ~~~ッ!!!」と捕まえ、救済(すく)いたいから医者になったのでしょうと呼びかける。後悔しないようにどんな患者も我が身がどうなろうと救えという説教を受け取り、原点に立ち戻った2人は救うために村へと駆けていった。


そして場面は病院へ。手術着に着替え艶道(エンドウ)が手術している中に割り込み、孔富がここにいることに驚いている彼をよそに患者の病巣を見て「これじゃダメね」と告げる。

当時の艶道では直すことができず、たとえ邪魔が入らずとも足は切除しなくてはならなかった。その残酷な真実と共に孔富は言う。


「それほど…何をしてでもこの娘(こ)を救済(すく)いたかった 正しい道を踏み越えてでも――――……!!」


「私も…同じ」


たとえ仮初の救済であっても、外道に落ちたとしても、本当に自分が救済(すく)いたかったのは自分と同じ「救済(すく)いたくても救済(すく)えなかった」苦しみを抱えた仲間たちだった。だが―――


「でも本当は…そうなる前にこうやって 救済(すく)って…あげたかった―――…!!」


本当ならば墜ちる前にこうして救ってあげたかった、そう悲しそうに心優しき医者は微笑み、仲間たちの手術(オペ)を完了する。

そして、手術を終えた彼の前に現れたのは―――


「よぉう…!お疲れさん 孔富…!!」


「お兄 ちゃん…!!」


自身の身体は昔の状態に戻り、兄である美伴がそこにいた。ずっと救済(すく)われっぱなしだったこと、救済(すく)えなかったことを涙を流し謝る孔富だったが、そんなことは気にせず美伴は呼びかける。


「ネビュラマンごっこ―― やろうぜ……!!」


「うん…! お兄ちゃん!!」


こうして兄弟二人は駆け出し、大怪獣繰田孔富の生涯は幕を閉じた。


そして果てしなく優しき悪意を持った医者を倒した忍者たちに、次は純粋な"大衆(セカイ)"への極大な憎悪を抱いた極道が襲いかかる…。

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