概要
『忍者と極道』に登場する未成年者のみで構成された暗殺集団。現在の構成員は約300名。
未成年の犯罪が社会問題として取り上げられたことに極道どもが目を付け2000年代初頭に組織された。
全員が過去何らかの要因で「割れた(心が壊れた)」経験を持ち、そのコードネームは将来なりたかったものを名乗っている。また、リーダーであるガムテに合わせて暗殺任務を遂行する際には全員が顔にガムテープを貼っている。
本編の動向
暴走族「聖華天」壊滅直後から本格的に動き始める。対忍者への肩慣らしとして、抹殺命令をうけた伊武任組(イブニンぐみ)を襲撃し、僅か3分で皆殺しにした。
そして、多仲忍者(しのは)と輝村極道(きわみ)の両方を殺害するために、総理官邸で行われる作文コンクールの授賞式を襲撃する。官邸を占拠し、暗殺者の襲撃をかわしながら官邸のどこかにある爆弾を探させるデスゲームを仕掛けた。
しかし、きわみによって爆弾は解除され、さらに雄鷹斗女が操作するロボット軍団「忍巧美男衆(テクノビダンズ)」の参戦によって各個撃破に持ち込まれる。
最終的にはリーダーのガムテがしのはと死闘の末に敗北し、死亡したため組織は壊滅。今わの際にガムテは、自分たちが「夢破れながらも強く生きる普通の大人になった世界」を夢見ながら亡くなった。
構成員
現メンバー
三狂(トップスリー)
「割れた子供達」のリーダーにして「破壊の八極道」の一人で、「殺人の王子様(プリンス・オブ・マーダー/ころしのおうじさま)」と呼ばれる生粋の殺人鬼。
MP(マサクゥルポイント)は通常時で53万。
- 舞踊鳥(プリマ)/偉藤幽華(いとう・ゆか)(メイン画像正面後ろ)
ガムテの側近で、元同級生。MPは530万1800。
生活能力ゼロのガムテの面倒を見ている。実はガムテの母に容姿から瓜二つなのだが、本人は母親の代役として見られていることを嫌がっている。
また、極道(きわみ)のことは恩義を感じているガムテを捨てたとして蔑んでいる。
バレエ留学を夢見ていたが、引きこもりの兄が薬物研究で費用を使い込んでしまい、その成果として極道狩りと両親の殺害に及んだことで夢を絶たれる。その後、ガムテとの戦いで敗れた兄を殺害し、そのまま「割れた子供達」にスカウトされた。
最初はあまりの超現実に失神してしまったが、今では「お家(うち)に帰るまでが殺人(ころし)です!!」と指揮し、警察や野次馬を躊躇なく虐殺するほどに馴染んでいる。
凶器はバレエの動きによる蹴り。極道技巧(ごくどうスキル)は薬物で強化された表現力によりバレエの演目の登場人物や情景を出現させ相手を惑わす「夢幻燦顕視(むげんさんけんし)」。
総理官邸では時限爆弾を守る役割を与えられ、きわみと対峙。当初は『地獄の回数券』(ヘルズ・クーポン)の断片しか持たない彼を圧倒するも、キスで『地獄の回数券』を奪われた事で逆転され、爆弾解除の片手間で倒された。
- 黄金球(バロンドール)(メイン画像奥)
ジャージ姿で褐色肌の長身の少年。MPは251万9000。
舞踊鳥はじめ多くの女性メンバーにアプローチを掛けるため、仲間たちから「恋愛脳(スイーツ)」と評される。
凶器はガムテがくれたサッカーボール。極道技巧はコンクリートをも貫通するシュートを自由自在な軌道で蹴り出す「蹴球地獄変(ビバ・ラ・ファンタジア)」。
ガムテの左腕的ポジションであり、膂力だけなら「破壊の八極道」の一人である夢澤恒星に匹敵するほどのタフガイ。自身を「脳筋」と評するだけあって、首がなくなってもしばらく動き続けるという人間離れした行動もできる。
かつてはいつも他人の幸せを妬んでは悪態をつく実母の存在に苦しめられてきたものの、父親に会う事を夢見てサッカー選手を目指し、わずか14歳でプロのスカウトが来るほどに成長する。だが、母親によって無断で断られてしまった上に、自身の父親が「サッカー選手」などではなく、「クラブでナンパしたただの外国人だった」と明かされると同時に、実母は救いようのない醜悪な人間であることを痛感したことで遂に心が崩壊し、衝動的に実母を蹴殺。以降は転落を繰り返し、「割れた子供達」のメンバーとなった。
最初は人を殺す罪悪感とそうでもしなければ収まらない気持ちの板挟みによりフラッシュバックを繰り返していたが、ガムテが狂人を装い寄り添ってくれたことで乗り越え、彼に忠誠を誓い左腕の地位まで登りつめた。
総理官邸ではしのはときわみの二人と対峙。お互い正体をバラすわけにはいかないと本気を出せない二人に大ダメージを与え追い詰めるものの、きわみの決死の作戦によりサッカーボールを破壊されてしまう。それでも自慢の豪脚で二人を迎え撃とうとしたが、きわみの「狂弾舞踏会」(ピストルディスコ)による跳弾で混乱した隙に二人の攻撃で首を落とされた。
幹部
- 天使(アンジュ)(メイン画像左端)
白いセーラー服を着用する美少女だが実は男。MPは118万6500。
名前の由来は、「みんなを天国に殺(おく)る天使になりたい」という願いから。
凶器は機関銃。極道技巧は自身に迫る危険を怪物の幻覚として事前に察知する「妖精通信(ムシノシラセ)」。
かつてはその恵まれた容姿を両親から祝福され、「みんなを幸せにする天使になってほしい」と願われていたが同時に変態性欲を有する父親から性的虐待を受けていた。14歳のときにそれが母親に発覚し、「息子に夫を寝取られた」と逆上した母親に父親を殺され、自身も襲われるも返り討ちにする。以後は壮絶な逃亡生活の末「割れた子供達」に入り、ガムテにより同時期に入った毒(ブス)とコンビを組まされることとなる。
総理官邸では毒(ブス)と共に右龍を追い詰めるが、左虎が合流したことで形勢が逆転。二人の合体技「氷帝雷公来駕」を極道技巧で察知し毒(ブス)を逃がすも、自身には直撃してしまい右龍によって首を刎ねられる。
- 毒(ブス)(メイン画像左から2番目)
天使の相棒。ガスマスク姿のボーイッシュな少女で、素顔は左半分が焼け爛れている。MPは118万3900。
名前の由来は、「何もかもグチャグチャにブッ殺す毒になりたい」という願いから。
凶器は人間を溶かす劇薬を放出する放水銃。極道技巧は天使の銃弾を酸で溶かし、空気抵抗で弾道を曲げる合わせ技「彷徨える厄(ヤク)い弾丸」。
かつては自身の容貌に嫉妬した父親によって顔に硫酸をかけられる虐待を受けていた。その後は周囲の人からその容姿により避けられるようになり、14歳のときに「化け物退治」と自身を殺そうとしてきた悪ガキを返り討ちにする。以後は壮絶な生活を送り「割れた子供達」のもとへたどり着いた。
総理官邸では天使と共に右龍を追い詰めるも、左虎の参戦により形勢が逆転。天使が庇ったおかげで二人の合わせ技「氷帝雷公来駕」からは逃れたが、左虎が先んじて放水銃の銃口に氷解を詰めており、反撃を封じられたまま左虎により首を刎ねられた。
- 司令(オーダー)/ヒデユキ(メイン画像右、眼鏡)
- 攻手(アタッカー)/タカヒロ(メイン画像右、アゴヒゲ)
遠距離からの攻撃を担当する2人組。MPは105万8788。司令は普段は車椅子で過ごしているが、戦闘中は攻手が背負っている。
司令が超人的な聴力による極道技巧「箱庭覗聴(ブラックボックスプロビデンス)」で敵の位置を捉え、攻手が素手でAPFSDS(徹甲弾)を撃ち出す極道技巧「剛拳巨砲主義」により攻撃する2人で1つの「神槍(グングニル)」。
元から友人同士で、どちらも親からはそれぞれ会社や柔道選手として跡継ぎになる事を望まれていたが、プロゲーマーを夢見ており、隠れてネットでFPSに熱中していた。なお、戦闘中に2人が使っている数字で座標を示す暗号も、当時から使っていたものである。
そんな中、東京で行われるゲーム大会での優勝を条件にスポンサー契約を持ち掛けるメールが届くが、これによって親にバレてしまい、ヒデユキは親が当てつけに自殺未遂、タカヒロは殺されかけながらも脱走して2人自転車で東京を目指す。しかし、途中で交通事故に遭い、ヒデユキは両手足、タカヒロは視力を失った事で夢への道は閉ざされ、互いの両親を殺害したところでガムテにスカウトされた。
総理官邸では屋上から一方的にAPFSDSを撃ち込むことで神賽惨蔵に対し有利に立つも、惨蔵が赤子の姿になり自分達の弾孔から屋上まで登ってきたことで接近を許し、二人纏めて首を刎ねられた。
その他
- 美容師(ビュティシャン)
表彰式で総理大臣に襲い掛かり彼を庇った官房長官を刺殺。
その後、ホールに一人残っていたしのはに仲間と共に襲い掛かるも全員首を刎ねられ死亡。
- 偉大(グレート)
眼鏡をかけた痩せぎすな少年。「割れた子供達」に入ったばかりの新人で、MPは2021。
20人を殺害した少年犯罪者。官邸のトイレできわみに遭遇し殺そうとするも、彼の巧みな話術に心を許し時限爆弾の場所を喋ってしまい、用済みとばかりに首を切り落とされる。
凶器はバタフライナイフ。
- 色男(カサノバ)
マッシュルームカットの巨漢。偉大の相棒。
首なし死体となった偉大を見てきわみに襲い掛かるも、即座に返り討ちにされた。
凶器はスレッジハンマー。
- 拳闘大帝(パウンドフォーパウンド)
ボクシングの技を操る。MPは1万0252。しのはに襲い掛かったが、ダメージを装ったブラフの隙に騙されて大振りを狙ったところに先んじて首を刎ねられた。
両親がカルト宗教にはまったためプロボクサーとなる夢を諦めた過去があり、死に際にその事を吐露していた。
- 崇拝偶像(アイドル)
ブリッ子風な口調の少女。
ただし、本人は舞台裏で長によって殺害され、姿を模された。
- 割戦隊(ワレンジャー)
赤(レッド)、青(ブルー)、黄(イエロー)、緑(グリーン)、桃(ピンク)の小学校低学年と思わしき5人で組まれた子供チーム。
元は警察も恐れる半グレからの脅迫に立ち向かう正義感を持った貧民層出身の少年たちだったが、その手段が殺しであったために道を踏み外したようである。
凶器はコンバットナイフだが、赤のみ拳銃も持っている。服用時には拳一発でコンクリートの壁にクレーターを作るなど年少ながらかなり強い実力者の部類に入る。
時限爆弾を探していた総理大臣一行を襲撃し、愛田総理以外のメンバーを殺害するなど、虐殺を繰り返していたが、突然現れた美男衆により全滅する。
- ユリリリ
黒髪ツインテールのユリと金髪パーマヘアのリリィの妖しい雰囲気の少女コンビ。凶器はお揃いのコンバットナイフ。
極道技巧を修めていない事から幹部格には及ばないものの、それに準ずる実力の持ち主とされており、官邸北門の守護を任され機動隊の侵入を阻んでいた。
だが、突如現れた「忍巧美男衆(テクノビダンズ)」の前に突破を許してしまい、それを操作する斗女を殺せばいいと2人で決死の攻撃を仕掛けたものの、返り討ちにされた。
故人
本編開始時点で死亡しているメンバー。
今の所描写されていないが、忍者との戦いに敗れたとの事。
- 大臣(ダイジン)
かつてのガムテの参謀的存在を務めていた少年。
ガムテの前任のリーダーでもあり、ガムテのみならず組織全体にとっても重要な存在だったようで、アジトに掲げられている遺影は他の仲間のものよりも大きい。
- 自転車王(アルカンシェル)
- 大女優(アカデミー)
- 菓子姫様(パティシエール)
- 喰帝(フードファイター)
ガムテの夢の中に登場。喰帝は司令攻手コンビから先輩と慕われていた。
OB
破壊の八極道の頭目。「割れた子供達」創設メンバー筆頭にして現雇用主。
在籍当時のMPは80万前後。しかし、ガムテはいたずらに仲間を犠牲にしたくはないが、一方で自身が戦う前にきわみをある程度疲弊させたいという矛盾した思惑から、彼のMPを100に設定し、幹部にのみ「手を出すな」と命じている。
なお、他のOB・OGは成人して卒業する前にリーダーへ決闘という名の介錯を求めるため、彼以外に生存者はいないとされる。
用語
マサクゥルポイント
「割れた子供達」内で使用される指数で、暗殺対象の戦闘力や護衛の数から”殺しにくさ”を数値化したもの。暗殺に成功した者には1ポイントにつき1000円の賞金が支払われるシステムになっている。
基準値として、一般人は子供が10P、大人が100P。極道は500Pで本部長クラスは3000P。総理大臣はじめ要人は10万P以上。忍者は100万Pとなっている。
地獄への回数券(ヘルズクーポン)
作中の極道が使用する薬物。服用することで身体能力や治癒力を爆発的に上昇させる効果がある。
外伝『最狂悪童伝ガムテ』において登場した舞踊鳥(幽華)の兄が開発した筋肉増強剤が原型になったことが判明する。
今回の襲撃では、きわみに強奪されるのを防止するためか、幹部以外は全員飲み込むように指示が出ている。(薬効が胃酸に弱いため、ほぼ使用不可能な状態となる。)
関連タグ
毒親の被害者:全員ではないが、かなりの割合で該当者がいる。