機体データ
型式番号 | 不明 |
---|---|
所属 | エゥーゴ / アナハイム・エレクトロニクス |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 32.2m |
頭頂高 | 22.2m |
本体重量 | 125.0t |
全備重量 | 155.0t |
出力 | 3,340kW |
推力 | 155,500kg |
センサー有効半径 | 27,600m |
装甲材質 | ガンダリウムε |
固定武装 | 105mmペンシルロック×4、“ヘッドキーパー”マシンガン・ポッド |
携行武装 | フィクスト・ビームライフル×2、クレイ・バズーカ×2、88mmマシンガン×2 |
1の概要(ボツ案・草案)
富野由悠季の草案における永野護デザインのモビルスーツ(MS)。
元々は『機動戦士Ζガンダム』企画時に考案された没MSだった。
初期設定ではデルタガンダム(ガンダムMk-Ⅱ)との競作という形で開発されたティターンズの新型MSとなっているため、Mk-Ⅱの後継機であるガンダムMk-Ⅲイグレイに近いポジションの機体だったと思われる。
講談社から刊行された小説版『機動戦士Ζガンダム 第一部 カミーユ・ビダン』でも、表紙にエプシィガンダムの姿が描かれている。ここでは強奪後のMk-Ⅱに相当するエゥーゴのMSとして扱われているようだが、小説本編には登場せず正確なポジションは不明である。
2の概要(準公式設定)
ムック『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』において、永野と小田雅弘によってデザインが修正されると同時に、新たな設定が与えられた。
雑誌企画『ガンダム・センチネル』で準公式化され、書籍「マスターピース」や「マスターアーカイブ Zガンダム」やまたプラモデル「EX-S/Sガンダム」解説書、「モビルスーツバイブル30号」でも言及されている。
開発コード「εガンダム」と呼ばれる、Ζ計画で開発されたガンダムタイプの非可変MS。装甲材にガンダリウムγの改良発展型である「ガンダリウムε」を用いたためにこの名が付けられた。
特徴的な点として、航続性能の向上を目指し、大型宇宙船用のものを応用した中距離航行用核融合パルス推進システム「ブロッサム」を装備していることが挙げられる。
これは、機体後方に向けてD-Hペレット(マイクロ水爆)を秒間100回のペースでレールガンによって射出し、後部粒子ビーム砲を用いてD-Hペレットを順次起爆。同時に機体背面に備えたセイル4枚が内蔵する超電導コイルより強力な磁場を発し、磁場で爆発を受け止めその反作用で前進するというもの。
簡単に言えば、「自ら極小サイズの核爆弾を後ろへ撃ち出し、その爆発の勢いで進む」システムである。
また、副次的な効果として、セイルが発する磁場は粒子ビーム兵器に対する偏向シールドとしても機能する。
なお、核融合パルス推進は英国惑星間協会の恒星間飛行プラン「ダイダロス計画」などで実際に宇宙船用の推進システムとして提案されているもので、規模によっては地球 - 火星間を9日で翔破する能力を発揮できる。
ポテンシャルが高い反面、MSに搭載可能な程度まで小型化された物とはいえ、ブロッサムはMS用推進システムとしては極めて重く、エプシィガンダムの全備重量は155トンに達している(百式は54.5トン)。
さらに、白兵戦時などのブロッサムを使用しない場面では、それが完全な死重量となるという問題点を抱えている。
これを補うため、ブロッサム非使用時のための推進システムとして、通常型の主推進器を1方向へ集中配置できるグライバインダーを背部に装備する形で採用し、高機動性・高加速性を確保している。これはシュツルム・ディアスのものの発展型で、ウェポンパックも兼ねている。
また、ガンダリウムεの採用は、ブロッサムの運用に必要な(特にセイル基部の)強度を実現できる素材だったことが主な理由である。
開発が開始されたのはリック・ディアスとデルタガンダムの間だが、ブロッサムなどの前例のない装備を有するためか、開発完了時期は宇宙世紀0090年 - 0093年を予定するという長期的な計画に基づく機体だった。
製造コストが膨大なために生産の機会が巡ってきていないとも言われる。
ただし、宇宙世紀0087年4月13日(エゥーゴによるガンダムMk-Ⅱ強奪直後)にテスト中の機体が事故を起こしており、この時点ではすでに試作機が完成していたものと見られる。
また、ブロッサムを除いた本体のみの機体が、デルタガンダムの開発班に引き渡されて開発の参考にされた。そのため、デルタガンダム(百式)のパーツにはエプシィ本体と共通のものが多数含まれている。
関連する機体
プロト・エプシィ・ガンダム
雑誌企画『THE EVOLUTION OF GUNDAM ガンダム進化論 ΖΖへの道』に登場。
アナハイムのナガノ主任が設計した「サイコガンダムMk-V」に相当する可変MS。「ΖΖガンダムはサイコガンダムの系譜に連なる機体である」という独自の設定に基づくもので、両機の中間型として位置づけられている。
ムラサメ研究所からアナハイムに移管されたサイコガンダム系列の開発部が担当した試作機で、サイコガンダムの出力はそのままにサイズを全高28mまで小型化しており、その分機動性は向上している。
機体各部を切り離してオールレンジ攻撃を行うという、ジオング(MSN-03)の構想と同様の運用方式を実現しており、全身に備えた計17基のビーム砲を攻撃に用いる。
また、コアユニットに加えて上半身がAパート、下半身がBパートとして高機動モビルアーマー形態に分離変形し、さらに合体してフォートレス形態を取ることも可能。この機構はΖΖガンダムに受け継がれている。
名称には「プロト・エプシィ」とあるが、エプシィガンダムとの関連性は不明で、作中でもエプシィについては言及されていない。Ζ計画内における開発順でも、本機の開発が行われたのは百式とZガンダムの後であり、エプシィの方が先に開発されていることになる。
元は永野護によるΖΖガンダムの没デザインで、メカデザインの担当者には共通点があると言える。
エプシィG(タイラント・ソード)
ジオラマ小説『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』における機動兵器体系の解説にのみ登場する機体。詳細不明。
関連タグ
アナハイム・ガンダム(ギリシア文字系)
εガンダム γガンダム δガンダム ζガンダム ηガンダム θガンダム
ιガンダム κガンダム λガンダム μガンダム νガンダム ξガンダム
その他
ガンダム[ケストレル] - エプシィと同じく、宇宙船用のものを応用した推進システムを採用した機体。開発時期も近い。
アンカーV4 - エプシィと同様に、爆発物を用いた推進システムを採用した機体。
ガンダム試作0号機 - 「ブロッサム」の愛称を持つガンダム。同じアナハイム社製でもある。