概要
この行為は大垣駅にて繰り広げられる乗換え劇のことを言う。大垣バトルとも呼ばれる。この状態は大垣市議会でも過去に話に上がったことがあるほど。
東京・名古屋方面からやってくる大垣止まりの列車から米原・京都方面の列車に乗り換えを強いられる場合に見られる現象で、2つのパターンが存在する。大垣~米原間は1時間もかからない乗車時間ではあるが、大荷物を抱え、すでに長時間の移動でクタクタになっている場合は確かに誰もが着席したいものだ。
かつて大垣駅構内には「構内制限10キロ以下」という注意が記載されていたとされる。ちなみにこの速度はジョギング程度のスピードである。
ムーンライトながらの場合
165系で運行されていた大垣夜行時代からの伝統行事ともされる。東京駅を出発し、大垣駅終点であるムーンライトながらから反対側に停車している京都・大阪方面への接続列車に座っていこうとする人がまるで徒競走のように駅構内を走ることをいう。無論危険であるため、本来駅構内を走ることは推奨されていない。
ちなみに回避法は接続列車に立って乗り、米原駅で新快速に乗り換える、接続列車にあえて乗車せず大垣駅内で食糧供給などの所用を済ませる、などの手法が存在する。
ムーンライトながらに接続する列車は現在8両編成に増結されているため、かつてのような座れないほどの混雑になる場合は少なく、以前ほどのダッシュは見られないという。
通常の日中ダイヤの場合
この駅は東海道線の電車は、大垣を境にして米原方面・名古屋方面に向かう列車が始終着するダイヤとなっている。また、養老鉄道や樽見鉄道が乗り入れを行っている。
一部の時間帯ではそれぞれの列車の乗り換え時間が短い場合があり、否が応でも走らなければならなくなるため、ダッシュが発生する。
ダッシュ解消方法「同一ホーム乗換」が実現出来ない理由
一言で言えば、大垣駅の配線や信号配置が原因。
上りの乗換えを例に挙げると、大垣止が4番又は5番線到着に対し、大垣発が1番線で別ホームとなっている。ここで、「2・4番線は同一の島式ホームなので大垣止を4番線、大垣発を2番線にすればいいだろ」と考えたくなるが、2番線には上り出発信号機が無い為、大垣駅の同一ホーム接続は信号の構造上不可能となっている。
大垣止まりを2番線に到着させ、その間だけ1番線で下りしらさぎの客扱いや貨物列車を通過させる方法も考えられるが、そもそも2番線は下り線にとっては直線的な線形となっており、1番線だと分岐器絡みの徐行を長時間強いられる。
ムーンライトながら廃止へ
長らく大垣ダッシュが問題視されてきた大垣駅だったが、ムーンライトながら自体が車両の老朽化が進んでいたのに加え、高速バスの普及によりただでさえ本数も減っていた中、新型コロナウイルスによる相次ぐ祝日や連休の野外イベント中止がダメ押しとなり2021年春、JR東海からムーンライトながらの廃止が発表された。
車両が廃止されたため、大垣ダッシュも共に消滅することとなった。
大垣ダッシュと同様の現象が発生しやすいスポット
- 中央林間ダッシュ(中央林間駅)
早朝の小田急江ノ島線の快速急行と東急田園都市線準急の発着ダイヤが近過ぎるため、毎朝猛ダッシュする事態が発生している。2018年に小田急の複々線化が竣工して以降は混雑が緩和されたため少しはマシになったとも。
- 黒磯ダッシュ(黒磯駅)
- 水上ダッシュ(水上駅)
大垣ダッシュとは似て非なるもの
コミックマーケットが開催される夏休みと冬休み各3日ずつの計6日間のみに発生する現象。詳しくは単独記事を参照。
JR飯田線の本数の少なさと遠回りな路線図、列車の遅さから下山村駅から伊那上郷駅までは「電車に乗るよりそのまま走った方が早い」という現状を皮肉ったもの。
大垣ダッシュの登場するイラスト・小説
イラスト