概要
JR東海飯田線は、ローカル線であり1時間あたりの平均本数1本以下のため、通勤通学ではおいそれと「次の電車に乗る」ことはできない。
この路線は元は私鉄であり、1943年に戦時買収した路線であるため線形が悪く、かつ各駅間も短い。下山村駅 - 伊那上郷駅間は電車に乗れば5駅、約6kmの距離。しかも途中の飯田駅で電車は長時間停車するため、普通電車は通常この区間を13分から28分ほどかけて運行する。しかし直線距離にすればわずかに2km程度となる。
つまり、2キロという距離を約20分で駆け抜ければ、先行する電車に追いつくことが可能である。
なので、「電車を一度下車した後にその先の駅で再度同じ電車に乗る」という「意味は無いが妙な事態を実現出来る」事に注目され、一部の好事家によってネタにされることとなった。
実際
オリンピック代表クラスのマラソンや長距離走の選手などのペースで走れば約6分前後で走破可能とされるが、そこまでいかなくても成人の男女なら充分走り切れるペースである。ちなみに下山村駅から向かうと上り坂、逆はもちろん下り坂で、下山村駅からの方がキツい。南の方だけど長野県内なので坂はきついです(駅同士の高低差は73m)。
そのため、両駅で電車に間に合わなかった場合、下山村と伊那上郷それぞれ目指して駆け抜けるエクストリームスポーツである「下山ダッシュ」が展開される。
アニメで話題に
このスポーツは地元住民、特に周辺学生など以外では知る人ぞ知る裏技だったが、これを世に知らしめたのが、究極超人あ~るのOVA版であった。
劇中では伊那市へ行くあ~る達が光画部の伝統通り下山村駅で下車して、伊那上郷駅を目指して走り、追いついたというストーリーであった。
1995年に関西の人気番組「探偵ナイトスクープ」でこの描写を再現し実際に出来る事を証明して見せた。
後に鉄道誌「旅と鉄道」やテレビ東京系列「空から日本を見てみよう」でも同様の企画が行われている。
以降、地元民のみならずあ~るファンや鉄ヲタなどが、この地に足を踏み入れては電車との追いかけっこを繰り広げることとなる。
それ以外でも、2010年代に入ってもTV番組の企画で時折行われるが、鉄道ファンやあ~るファンにとっては広く知られたネタであるため、偶然を装って行ったもの(「下山村駅でたまたま列車に乗り遅れる」など)はやらせや仕込みだと即座にバレてしまうことも多い。
飯田高等学校との関係
なお、Wikipediaで「下山ダッシュ」を検索すると、伊那上郷駅の近所にある高校「長野県飯田高等学校」もヒットする。電車代の節約のために、この高校の生徒が下山村駅で降りて登校することを称し「下山ダッシュ」と言っていたという。勿論この場合は伊那上郷駅で乗らない。
関連タグ
大垣ダッシュ:こちらは真似しないように!