概要
1985年にバンダイが発売したファミリーコンピュータ専用アクションゲーム。
当時放送されていたアニメ『オバケのQ太郎』を題材としており、クリスマス商戦を見越して同年12月に発売された。
内容は所謂「お使いゲー」であり、Q太郎が様々なキャラクターから依頼を受け、ステージ内にある物を拾い、それを届けることが出来ればクリアとなる。一部ステージでは攫われた仲間を助ける任務を承ることもある。
子供向けのゲームでありながら大人ですら匙を投げる程の超難易度で、特に後半のステージは敵が本気で殺しにくるうえ、食べ物が殆ど出ないという鬼畜仕様となっている。チャウチャウ赤など飛ばないとほぼ回避できない敵も登場するので、後半ステージは満腹ゲージを温存するため極力敵の猛攻を回避しながら歩いて進み、飛ばないと躱せない敵がでときのみ飛んで回避するといった満腹ゲージのマネージメントが必要になる。
おバカな点
しかしこのQ太郎、めっちゃ弱い。ファミコン史上一番弱い主人公と呼ばれ、スペランカーやシャドウ(ドラゴンズレアの主人公)と並び称されるほど弱い。
まず、ステージ開始時点における攻撃手段は……ない。本当である。白黒版アニメのオープニングで「3人、5人かかってこい(中略)悪い奴らをやっつけたー、やっつけた♪」と言っていたQ太郎(原作でも椅子を振り回してチンピラをボコボコにしたり、ヒョウをぶん投げたりしている)であるが、本作では格闘戦は一切できない。
原作では空気銃で胴体をぶち抜かれても平気だったにもかかわらず、開始時点のQ太郎は鳥や風船、窓枠にすら当たっただけでダメージを負う。当たって大丈夫なのは風船の紐だけであり、敵からは逃げ回るしかないのである。
更に、ご存知の通りQちゃんは大盛ご飯を20杯喰らうほどの大食いである。それを忠実にバンダイは再現しやがり、「ドラゴンボール神龍の謎」や「カトちゃんケンちゃん」同様に何も食わないでいると空腹で死ぬ作りにしている。しかも、何もせずただ静止しているだけで減る上、空を飛ぶと猛烈に腹が減る。
そのため、Qちゃんはステージのどこかにある食べ物(りんご、ぶどう、団子、おにぎり、ケーキ)を集める必要があり、途中に表示される「STOP」の標識が現れる前に全部食べておかないと先に進めない。めんどくさい仕様である。
そしてタイトル通り、Qちゃんが何より苦手としている犬が本作では山ほどうろついている。犬は飛べないが、下から吠え声(通称ワンワン砲)を上げてくる。Qちゃんにこれがぶつかるとダメージを喰らう。
上記の通り食べ物集めを終えた後、先に進むと「スペシャルキャンディー」が手に入る。これを食べるとQちゃんはガウガウ砲が使えるようになり、犬に浴びせればやっつけることができるようになる。しかし、鳥や風船には何の効果も無く、最大で9発までしか撃てない。
特定の食べ物を取ると「Qマーク」が出現し、これを取ると半透明になり敵に当たってもすり抜けるようになる。まさにオバケであるが、当然時間制限はあるし、一発でもワンワン砲が当たれば即効果が切れる。
また、一部ステージには地獄に繋がる穴が開いており、見えない足場を通らないと脱出できなくなる。製作スタッフはQちゃんに恨みでもあったのだろうか。
ちなみに地獄をクリアすると満腹ゲージも回復するので、後半ステージで飛んでる状態を維持するため満腹ゲージが尽きかけたら、わざと地獄に入って満腹ゲージを回復させる荒業も存在する。
余談
当時放送されていた『巨獣特捜ジャスピオン』『世界忍者戦ジライヤ』『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』等でこのゲームが登場している。