概要
モルモットと車(カー)を組み合わせた造語。英字では" Molcar "と表記される。アクセントは“パトカー”と同じ。
その名の通り、モルモットと乗用車を組み合わせたような姿をしている。
公式サイトやインタビューによると、モルカーのSEには見里監督が家で飼育しているモルモットの鳴き声が使われており、タイトルの「PUI PUI」もそこに由来しているという。
生態
形態
生物としてはかなりの大型で、体高は作中世界の人間と同程度。シルエットは一様に丸っこい。
体の柄は様々であり、一般的なモルモットのような色をしているものもあれば、紫色などモルモットからはかけ離れた色をしたものもいる。塗装作業によって痛モルカーを生み出す文化も存在するが、モルカー自身にも希望するイメージなどはある模様。
警察・救急用のものは専用の装飾を施されており、頭の上に回転灯を有している。
目は基本的に黒色で白目や瞳孔は確認されない。緊急モルカーをはじめとしたごく一部の個体の目は赤色であり、こちらにも白目や瞳孔は確認できない。
車でいうサイドミラーにあたる部位には丸っこい耳介があり、感情表現にも使われる。
足はタイヤのような形をしているが回転はせず、四足歩行で移動する。形状に反して意外に器用に動かすことができるようで、植物の蔓を掴んでぶら下がったり、スプレーを噴射したりすることも可能。
かなり好き勝手に動き回れるものの、渋滞には滅法弱い。
体内に人間が乗り込めるスペースがあり、座席・ハンドル・シートベルトなどは備えているが、中央に運転席そしてその両隣に助手席という一般的な乗用車のそれとはかけ離れた座席配列をしているのが特徴。また、アクセルブレーキやクラッチペダルなどの自動車の運転に必要な部分は見当たらず、人間がどうやってモルカーを運転しているのかは不明である。
体の前後左右に窓が付いており、座席からの視界は一般的な乗用車程度には確保できる模様。
ドアにあたる部位は見当たらず、搭乗員は側面から滑るように出入りする。
ボディそのものは非常に強靭であり、ロケットの爆発で吹き飛んでも直後に走行を再開できるほどである。
モルカー自身は目をつぶることで眼球を車内(体内?)に露出させ、中の様子を確認できる。
発汗はするが冷房機能は付いていないようで、第3話ではアビーが自身の車内で熱中症になりかけている猫を見て、日陰に入って内部を冷やそうとしていた。
一方で、第8話ではテディが体内で爆弾を組み上げて射出していると思しき描写がある。生き物ではあるが、体の一部は機械でできているということなのだろうか?
第11話で登場したタイムモルカーを見るに、機械化や改造というのは一般的に行われていることのようである。
性格
基本的に温和で善良。利他的な行動をとったり、別の個体と力を合わせる様子もあり、一定の社会性を持ち合わせている様子。積極的に他者に危害を加えるような性質は見られないが、目的のために生ずる副次的な被害に無頓着なところがあり、猫一匹のためにレストランを破壊した事例もある。
苦しんでいる生物を見ると心配したり涙を流したりするなど、実際のモルモット以上に感情表現が豊富である。何かに驚いたりすると運転手でさえ置き去りにされることもある。
猫が苦手であり(「週刊女性PRIME」内インタビュー記事より)、劇中では声が聞こえただけでオロオロし、見ただけでパニックになっていた(一方で、猫が熱中症に陥る危険があることを察知すると救い出そうともしていた)。
知能
知能は高い。熱中症の概念が理解できたり、洗車機(モルカー用)の使い方を理解していたり、機転も利く。
さらにスマホが使え、LINEのようなメッセンジャーアプリでスタンプを駆使して他のモルカーとコミュニケーションを取るといった芸当も可能。
性別
雌雄の判別法は不明。月刊アニメージュ内記事によると、ポテト・シロモ・アビーは雄、チョコとテディは雌らしい。
食性
基本的に草食で野菜を餌にしている。
留守番前に運転手にレタスを与えられてシロモが喜ぶ様子をみせたり、強盗を追跡中のパトモルカーが追跡を放り出してにんじんを追いかけたりした様子から、基本的に食べることは好きなようである。
しかし一度に食べ過ぎたりすると、食べたものが乗車スペースに流れ込み、お腹を壊してしまう。
原理は不明だが「ターボにんじん」という特殊なにんじんを食することで加速することも可能。第5話ではターボにんじんで加速したテディが勢い余ってコースの壁に激突してしまった。
ゾンビ化すると肉食になる。
排泄
荷台に積載されたものを一定の大きさの塊として後脚の間から排出する、排泄ともとれる描写がある。これを利用して、銀行強盗に脅迫され逃走手段として利用されたシロモが、紙幣を排出して道しるべのように残し、強盗逮捕に貢献したこともある(第2話)。
テディは車内に充満したゴミと一緒にドライバーを排出してしまった(4話)。
異常
モルカーにはゾンビ化現象が存在する(第6話)。
ゾンビ化すると、作中に登場した人型のゾンビと同様、体が緑がかった色へと変わり、目も白濁し、鳴き声や駆動音(?)も通常の個体と比べて低くなる。
ゾンビ状態の詳細は不明だが、噛み付きを介して伝染・発症している描写から、何らかの病原体による感染症の可能性がある。
祖先
モルカーの先祖は原始時代に生息していた巨大なモルモットである(第11話)。かれらが長い年月を経て進化したものがモルカーらしいのだが、その過程はまるで謎であり、歴史書にはモルモットがいきなりモルカー化したように記されている。
タイムモルカーの運転手である博士が、原始時代に遭遇したモルモットに毛糸の防寒具をプレゼントした結果、歴史改変されて現代のモルカー達が毛糸の防寒具を身に着けるようになっていたことからも、上記の学説はじゅうぶん検証に値するものと思われる。
余談だが、実際に南米では体重1トンにも及ぶと推定される巨大齧歯類の化石が発見されている。
劇中の図鑑によると
「おおむかし、マンモスと同じくらいの大きいモルモットが生息していたと言われている。とても穏やかな性格を持ち、人間たちに癒しを与えていた。背中に乗せて遠くに連れて行ったりもしてくれて、この頃から乗り物としても役に立っていた。」
とあり、祖先であるモルモットも人間と密接な関係にあったと推測される。だが、遠い昔では人間はモルモットを恐れ、狩りの対象としていたことから、博士たちが訪れた時代はまだモルモットと人間が友好的ではなかったと推測される。
人とのかかわり
『PUI PUI モルカー』には普通の自動車は登場しておらず、主にモルカーが人間の移動手段として利用される。人間の運転に従うが、自らの判断で行動することも珍しくない。
公式サイトなどではモルカーに乗る人物は「運転手」あるいは「ドライバー」と呼ばれているが、視聴者からは「飼い主」と呼ばれることもある(シロモの飼い主、テディの飼い主等。モルカーを生き物として見ている人が多いことの現れだろうか。)。
現実における車の運転や動物の飼育といった概念とモルカーがどれほど合致するのかは定かではない。
街中にモルカー用のトイレが人間用トイレの横に併設されていたり、モルカー用の自動洗車機が存在したりと、モルカーが重要な生活インフラとして機能していることは疑いようもないだろう。
「モルレタス」という企業の看板(第3話)や「モルカーのトラブル 即解決」という看板(第5話)が掲げられており、モルカー用品やサービスに対する一定の需要が存在することが伺える。
また、スマートスピーカーがモルカーの鳴き声に反応していることから、人間もある程度モルカーの言葉を理解し、一定の意思疎通が実現しているものと推察される。
救急に従事する救急モルカー、警察に従事するパトモルカー、タクシーとして働くモルカー、郵便車として働くモルカー、ゴミ収集を行うモルカーもいる。
人類社会に反逆することなく、人間の為に健気に働く彼らは立派という他ない。
関連タグ
ネコバス:動物+乗り物の先駆者で、こちらも座席がモフモフした表情豊かな生命体である。
のるもっと店長:車+モルモット繋がり。むしろこちらは乗られる側だが。