概要
第一期機種のジン、第二期機種のシグーに続くザフト第三期の主力量産型MS。カオシュン宇宙港陥落からほどなくしてラゴゥやゾノといった機体群とともに発表された。
第三期の他の機種同様に将来の地球連合軍MS登場を想定した機体であったが、連合軍から強奪したGAT-Xシリーズ(イージス、デュエル、バスター、ブリッツ)の技術を目の当たりにし、後の連合製量産MSに対して当初の設計では不十分と判断。鹵獲技術を取り入れ改修措置を施した結果、ザフト製ビーム兵装の標準装備化に成功した。
その結果、制式配備は大幅に遅延。先行型はラウ・ル・クルーゼなどのエースパイロット・指揮官の搭乗機として配備されたあと、量産機の就役はヤキン・ドゥーエ戦役の終盤となった。
総合的な性能は連合軍のストライクダガーをも上回り、ニュートロンジャマーキャンセラー搭載型モビルスーツであるドレットノートの開発母体となった事からもその基礎設計の優秀さが伺える。
機体データ
型式番号:ZGMF-600
全高:20.24m
本体重量:80.20t
武装
MMI-GAU2 ピクウス76mm機関砲
頭部に内蔵されているバルカン砲。
鹵獲したGATシリーズのイーゲルシュテルンを参考にした装備で、ザフトの汎用量産型MSに初めて搭載された固定式火器でもある。
二連装ビームクロー
シールドに内蔵された近接格闘兵器。
装備を持ち替えることなく素早く格闘戦に対応できる。
元々は通常シールドとして開発されていたが、ブリッツガンダムのトリケロスを参考に仕様変更された。
このコンセプトはドレッドノートガンダムやプロヴィデンスガンダムの複合兵装防盾にも流用された。
MA-M21G ビームライフル
ゲイツの主武装。
威力はストライクガンダム等のGAT-Xシリーズとほぼ同等。
EEQ7R エクステンショナル・アレスター
両腰に装備されているロケットアンカー。先端にビームスパイクが内蔵されている。
ブリッツガンダムのアンカー「グレイプニール」を参考に開発されているが、現場からは使い勝手が悪いとしてゲイツRではレールガンに換装された。
バリエーション
クルーゼ専用ゲイツ(指揮官用ゲイツ)
ラウ・ル・クルーゼに送られたため、パーソナルカラーであるシルバーに塗装されているが、先行開発されたものなので性能は一般機とは変わらない。
コロニー・メンデルで運用され、ムウ・ラ・フラガ搭乗のストライクガンダムと交戦している。
火器運用試験型ゲイツ改
ジャスティスガンダム、フリーダムガンダムの使用する各種火器の試験を目的に建造された実験機。
詳細は火器運用試験型ゲイツ改の項目を参照。
ゲイツR
機動戦士ガンダムSEEDDESTINYに登場するゲイツの改修型。
詳細はゲイツRの項目を参照。
関連項目
機動戦士ガンダムSEED ザフト ジン(ガンダム) ラウ・ル・クルーゼ
余談
「ガンダムSEED」敵メカの低価格プラモデル「コレクションシリーズ」は、「モビルジン」「モビルシグー」など、「モビル○○」という商品名がついている(前作∀ガンダムのプラモデルはターンエー以外の名前の最初に「モビル」と付けられていた。)が、なぜかこのゲイツだけは「モビルスーツゲイツ」という商品名になっている。
これに対してサンライズでSEEDシリーズの設定を担当していた下村敬治氏は、書籍『機動戦士ガンダムSEED RGB』のコラムにおいて「窓屋をされている方とバッティングするのはまずい」ため「モビルゲイツ」という表記を避けた事を説明している。
ちなみにこのMSは一般公募「機動戦士ガンダムSEEDメカコンテスト」でよせられたもので、オリジナルの名前は「アラウクネ」であった。アラウクネはTVアニメーション賞を受賞し(投降者はTVで女優・上戸彩氏に表彰された)デザインをリライトされてゲイツとして登場する事となる。余談ではあるが、この時に電撃ホビーマガジン賞をとったデザインがSEED外伝作品に登場する「ゲル・フィニート」となる。両者は文芸設定上「競合メーカーによってトライアルされた」というメタ的な設定が付加されている。
さらにアニメから16年後、クルーゼの中の人は担当キャラがこの機体と同名の資格者に憑依する形で同名の仮面ライダーも演じるという偶然も発生している。ちなみにゲイツは四肢完全可動のガンプラ(要するにHG以上のブランド)は未だに発売されておらず、可動式プラモデルとしては同名の仮面ライダーの方に先を越されてしまっている。