剣崎一真(仮面ライダーディケイド)
けんざきかずま
「俺は剣崎一真…またの名を仮面ライダーブレイド…」
概要
『仮面ライダーディケイド』第30話・第31話に登場。
名前と姿、そして変身する仮面ライダーは、『仮面ライダー剣』の主人公・剣崎一真/仮面ライダーブレイドそのものである。
後述の脚本家の発言に基づけば、『剣』本編の剣崎と同一人物であるが、当時の彼と比べて、暗く冷徹な雰囲気の青年となっており、自分を犠牲にすることで友と世界を救った『剣』本編とは真逆の行動を取っている。
彼が変身するキングフォームの力は圧倒的で、あのディケイドが手も足も出ずにたちまち変身解除まで追い込まれる程で、作中で最もディケイドを苦しめた実力を持つ。
本編の設定では不可能であるキングフォームへの直接変身を披露した(ジョーカーに変化した影響からとも解釈可能)。
行動
紅渡の仲間として門矢士の前に現れ、士=ディケイドを「ライダー大戦の世界」から排除しようとした。
最終的には、アポロガイストを倒した士の前に、渡や他のライダー(アギト、龍騎、ファイズ、響鬼、カブト、電王)とともに現れ、闇に落ちた小野寺ユウスケとともにディケイドに戦いを挑む。
『ディケイド』の完結編である『MOVIE大戦2010』では、龍騎と共にディケイドにあっさり倒されてしまった。本人と同一人物かは明確ではないため別人と言う意見もあるが、声を当てていたのは椿氏である。
(激情態となって圧倒的に強くなったとはいえ)一度は圧倒したはずのディケイドに、キングフォームになることなく敗北したため、世界の破壊者となったディケイドとの戦いでキングフォームに変身できなくなったのではと解釈できる。
(メタ的に考えれば、尺の都合と、映画終盤で剣立カズマが変身したキングフォームが登場するので、剣崎のキングフォームを出さなかったのだろう)
ちなみに『仮面ライダーウィザード』や『仮面ライダー大戦』でもブレイドは登場しているが、特にこれと言って渡や士との絡みはない。
ただし、前者はウィザードリングにより召喚された存在で、後者は終盤まで本編に登場しなかったため、絡めようがなかったとも言える。
脚本家の発言
特集雑誌『「オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー」とライダー40年の歩み 40YEARS CHRONICLE』掲載の、『ディケイド』最終回の脚本を担当した米村正二氏によると、一応『剣』本編の剣崎と同一人物とされ、本編との性格の差異は、仲間とも別れて行き場所もなく彷徨い続けた孤独に起因するものとされている。
視聴者からの評価
劇中での行動から、違和感や拒否反応を示すファンも多かった。演じた椿隆之氏ですら、演じるには心の整理が必要だったという。
言うならば「ディケイドを観て剣崎に対する評価が変わった」とばかりに「ディケイド三大憎い奴」の一人に鳴滝・(ディケイドにおける)紅渡と共に名を連ねて剣崎の事を嫌悪する様になったファンがちらほら出たりする(大半はファン達からのジョークの範疇だが、一方で士を演じた井上正大ファン達から本気で嫌悪されるというケースもあった)など、結果的には一定の割合で賛否両論の声が出るようになった。
そのため、今なお、この剣崎の描写を認めないファンは多いため、話題にするにあたっては注意が必要である。
敢えて擁護するならば、士にギリギリまで警告を行っていた分まだ良心があったと言えるかもしれない。
先述の米村氏による、『剣』本編の剣崎一真と同一人物とする発言にはファンの反発も強く、そのため、この発言は脚本家の勝手な解釈だとして、受け入れないファンも少なくない。
結果、以下のような説が生まれた。
IFの剣崎説
後年の雑誌では「テレビ本編とは別の未来をたどった剣崎では?」という解釈も見られる。
『剣』には、本編とは別の未来を描いた劇場版や小説版も存在しており、大切な仲間を守れなかったため荒んだ劇場版の剣崎、もしくは長い年月の果てに心身をすり減らした小説版の剣崎がディケイドの世界に召喚されたものではないかとする意見もある。
偽物説
(※以降は作品ネタバレのため、詳細はリンク先を参照)
また、仮面ライダー剣のハイパーバトルビデオや後年の作品では、剣崎一真に化けた敵が登場している。
そのため、「ディケイドに登場した剣崎の正体は、何らかの方法で召喚された彼らが化けたものではないか?」 という考察がファンの間で囁かれることもある。