概要
勇者シリーズに単を発する人工知能の名称。本作では勇者シリーズの説明を行う。
勇者シリーズはトランスフォーマーを前身としており、初代エクスカイザー・二代目ファイバード・三代目ダ・ガーンはマスターフォースやトランスフォーマーV等の時期で登場した『宇宙人と地球の機会が融合してロボットになる』流れを汲んでいる(厳密にいえば三代目は『惑星の防衛システムが機械や土に宿ったかりそめの肉体』)。
ただし、上記三代はトランスフォーマーシリーズ同様、本来ロボットとして作られていない機体を無理矢理ロボット化した弊害として、基礎的可動部分に無理がある個体ばかりが目立っている。
要約すると、全てが『戦い』の為だけに存在する存在なので、いわゆる『寝る・座る・抱きつく・横になるなどの日常生活動作』にはまったく適していないデザインなのではあるが、これは『戦え!超ロボット生命体!!』というタイトルでもわかる通り、元々オートボットとディセプティコンに分かれて戦争していたので、戦闘行為前提の期待構造をしていたのは当然の流れであり、同シリーズでも事務方・後方支援型になるとスマートな個体が増えてきたが、ほとんど準戦闘員であるなど、アニメ側としても玩具販売構想としてもまったく普通のデザインだった。
エクスカイザー・ファイバードは警察官と警備員、敵も宇宙海賊と銀河広域指名手配犯なのでそこまで戦闘前提デザインではないのだが、次代ダ・ガーンに入ると一気にデザインがスマート化する(目立つところは作画技術向上や、今だ複雑すぎる変形構造でマニアを唸らせるペガサスセイバーでわかるとおり、当時のアメリカを超える玩具の変形合体技術の向上)
そこから飛躍し、生命体が機械の体に乗り移る従来の設定を逸脱した、後の世に『勇者系』や『勇者パーツ』と呼ばれる『人間が一から作り上げた、日常生活に適した機体関節構造を持つ人格付きロボット』の登場であり、四代目マイトガインにて、人格プログラムを搭載するパーツの事を『超AI』と呼称したのが全ての始まりである。
以降、各代ごとに基礎概要が異なるので長くなるから共通している事だけを言うと。
①機体が破壊されたり機能停止しても、超AIが無事なら新規ボディに換装可能。
➁人格プログラムを稼働できるのは超AIだけ。
③人格プログラムを超AIから別の超AIに移動できる。
④人格のコピーが可能。ただし稼働には超AIが必要。
勇者シリーズでは、四代マイトガイン・五代ジェイデッカー・八代ガオガイガーが超AIを使用しているが、厳密な意味では六代ゴルドラン・七代目ダグオン・十代レイゼルバーでも、超AIと同等の概念を持つ物を使用している。
結果、勇者シリーズの重要テーマと言える「主人公の少年と勇者ロボが対等の友人関係である」がより深堀される流れが出来、そもそも心とは何なのか、とか、ロボットが心を持つ意味とは何か?などの哲学的な問題などが問いかけ続けられていく。
歴代別超AI一覧
旋風時コンツェルン系列・青戸工場制作『超AI』
シリーズで初めて登場した超AI。勇者特急隊と呼ばれる防衛ロボット(いちおう)の為に創られた。何故心を持ったのか、どうして彼らは作られたのか、といった様々な疑問が真実によって問題視されていない。とあるムックでは、舞人の父である旋風寺旭が勇者ロボの技術と共に持ち込んだといわれている(AIロボが10体しか製作されなかったのもその理由)。が、どこで手に入れたのか、どんな目的で製作されたのかは結局謎のままとなった。
日本警視庁独自カスタマイズ版AI・通称『超AI』
心に対する問題を初めて疑問視した。
二十世紀最大の発明と呼ばれる、一人の科学者が人間の頭脳を工学的に再現した第五世代コンピューター『フォルツォイクロン』(とある日付が2020年12月24日の二十年前なので、時期的に開発したのは1999年)をひな型としたAIの一種。
元は日本警察の新型ロボットに運用される制御チップであったのだが、第一号機とある少年が出会った事で、AIは心を学習し、心あるロボットへと成長した。
作中はこれを進化と締めくくったのだが、心持つ存在であるがゆえに起きる様々な人間的な問題・苦悩・ロボットであるが為の差別・別離などが終盤までクローズされ続ける。
そして心を持った過程という、先代で解決しなかった疑問に対し、当初はこれを奇跡と称していたのだが、当代では
【心を持ったコンピュータを作るには、より深く人を知らなくてはならない】
と、非業の手段に手を染めた科学者の狂気があり、科学者は逮捕されたが『フォルツォイクロン』の技術は世界に浸透し、進化を続けたAIの中から2019~20年の日本において開発されたAIだけが心あるロボットの開発に成功したのが実情。
そして高度なAIには人の心を作るだけではなく、人の心そのものを複製する事が可能だという事実が禁忌としても扱われた。
三重連太陽系《緑の星》で作られた無限情報サーキット『Gストーン』を《青の星》の技術で複製した次世代型人工知能・通称『超AI』
《緑の星》の指導者が、《紫の星》で暴走したシステムを食い止める為に作成した機械の制御装置を地球のテクノロジーを用いて部分複製した物。防衛戦闘と救助作業を行うための複雑な思考ロジック・人格を統一しての変形合体機構など、マイトガインではスルーしまくった技術をとことん理論づけて整理しまくった(ここ大事)。
何年もかけて人格プログラムを形成し、起動後は時間をかけて1から設計。プロトタイプ以降は後継機という名の兄弟姉妹にプログラムをフィードアップする事で人格形成期間は短期化していくのだが、当代は《紫の星》の暴走プログラムと戦闘中であった為、自己認識や自我等の成長そのものの時間にさける余裕が無く、戦時下特例として、一部の超AIではジェイデッカーで禁忌だと否定された、『人間の心をロボットに複製』する事で、自我の成長を短縮化している。
これはあくまでサンプリングの扱いで、理論上の問題から記憶を除去してはいるのだが、不完全な複製である超AIでは完全な除去が出来ず、大抵は無意識化の領域でかすかに眠っているのだが、状況によっては強い記憶の残留、ひどい時にはオリジナル人格がそのまま複製されている。
人格複製型は諜報目的であったり、大勢を死に至らしめる事も可能な超兵器を扱う為と偶然にも特殊用途の超AIばかりである。
最新作を見る限り、戦後に人格複製型は新規誕生していない。
超AIと類似する物
ガンキッド
宇宙人が宇宙の技術を用いて作り出した自立型ロボット。
宇宙的には普通の技術らしく、宇宙人は存在を疑問に思っていない。ちなみに光合成ができる。
Gストーン・Jジュエル
とある宇宙で創られた機械。地球的にはどう見ても鉱石なのだが、高密度の計算と自我の確率が可能な人格プログラムから細部にいたるまで人間の人格を完全に複製した物を維持できるなど、超AIと比べて破格の性能を持っている。
量子コンピューター
量子力学・電子工学・ロボット工学の粋を集めて個人で作った人工知能システム。
その誕生には開発者の方にある人物が関与していると思われるのだが、続編開発がストップしている為詳細不明。
状況的には超AIと名乗って不思議ではないが、大人の事情で色んな物がシンクロしててシンクロしていないという謎状況の巻き添えでたぶん、こうなった。