せつな(半妖の夜叉姫)
せつな
CV:小松未可子
概要
『半妖の夜叉姫』に登場する3人のヒロインの1人。殺生丸がりんとの間に儲けた双子の娘のうち妹にあたる。犬夜叉の姪に当たり、もろはとは従姉妹同士。
脚本を担当する隅沢克之は、夜叉姫全員に添い遂げる相手との運命の出会いがあると明言している。せつなは退治屋つながりで同僚の翡翠と比較的仲が良いが、翡翠は愛矢姫から好意を寄せられており、現状はお互いに特別な好意を抱いてはいない様子である。
容姿
半妖
一部が赤く染まった黒髪をポニーテールにしたクールビューティで、瞳の色は青。(高橋留美子の描くイラストでは瞳の色は黒寄りのグレー)右眼に金色の虹色真珠が封じられている。
外見は父親に似ているとは言い難いが、右半身には殺生丸同様に毛皮が巻き付いている(幼少期には見当たらなかったが、とわとはぐれてから間もなく身に付けている)。
右半身の毛皮については成長して生えたのか、それとも殺生丸から分け与えられたのかアニメでは語られていない。
漫画版では幼少期から既に身に着けている。
普段の服装は退治屋の装束。
現代では萌から借りたのかノースリーブの青いワンピースとパンプスを着用していた。
半化けの特徴を持つ半妖の中ではほぼ人間の姿なので、とわと同様に容姿が原因で迫害される描写はない。
漫画版ではとわ以上に目つきが鋭く描かれており、沈着な雰囲気は殺生丸と同じ。毛皮は増量している。
双子は犬夜叉やもろはと比べると犬要素が少なく、犬一族特有の金眼もない。
ただし原作者のカラー配色では金眼であり、漫画版でも銀髪金眼に変化する。
何故アニメでは赤眼、青眼に加えて髪に赤いメッシュが入ったのか最後まで理由は明かされなかった。
こうした犬要素の少なさをファンが惜しんだのか、殺生丸の子犬版化した双子がTwitterで度々投稿されるようになった。
妖怪
左の絵参照。瞳は赤く染まり、額は三日月が現れ、頬と腕には紫色の模様が浮き出る。
爪と歯も鋭くなり、耳の形も変化する。殺生丸の人間形態と特徴が共通している。
漫画版では銀髪金眼となる。
人物・経歴
誕生~妖怪退治屋へ
「妖怪でも人間でも無い存在が麒麟丸を殺す」という預言の成就を恐れた是露に命を狙われ、生まれてすぐ父の殺生丸によって母のりんから引き離されて結界が張られた森に匿まわれる。その為にとわと同様、両親のことは全く知らない。
4歳頃には物心つくようになっていたが、当時は彼女を姉として慕う大人しい少女だった。
しかし、焔によって森が焼かれたことでとわと生き別れ、さらに邪見がりんにかけられた「銀鱗の呪い」の進行を抑えるために「夢の胡蝶」を密かに取りつかせたことで、眠ることができなくなってしまった。
加えて、火事のショックのせいか記憶も曖昧になり、とわの存在も忘れてしまった。
その後は邪見の導きにより「半妖の隠れ里」へと辿り着き、紫織や他の半妖の子供たちと共に6年ほど生活する。その間、名も知らぬ人物(恐らく殺生丸か、彼の意図を汲んだ邪見)から小刀を与えられ、時おり届けられる木簡のメッセージに従い戦うための修行をしていた。
10歳頃に一旦里を出て、生まれ故郷である楓の村に戻るが、胡蝶の影響による記憶の欠落や修行の日々によって現在のような人格が形成されており、生きるために他者の命を奪うことを躊躇わないようになっていた。
村を襲う野盗を追い返すか殺すかで楓と揉めたことで村での居心地が悪くなり、再び里で暮らすことを望むも、里を襲った蛾ヶ御前に追い詰められたことで妖力を暴走させてしまい、里の仲間たちまでも手にかけようとしたため、弥勒に妖力を封印された。そして外の世界で暮らす覚悟を決めて村に戻った後、スカウトされる形で琥珀配下の妖怪退治屋として生きていた。
性格的には冷静沈着で無表情であり、「殺生丸譲り」と公式から推測されている。
壱の章
14歳の時に従姉妹のもろはと出会った後、妖怪の三ツ目上臈との戦闘中に時空トンネルが開き、令和時代のもろはと共に日暮神社へタイムスリップ。とわと再会を果たした。
しかし、記憶がないためとわを姉と認めようとせず、自分に近づこうとした彼女に容赦なく刃を向けた。だが、自身の幼少期の記憶が無いことは自覚しており、それ故かとわの言い分を完全には否定できずにいる様子。
本人は「(眠れない体質は)油断のできない戦国時代を生きるには都合がいい」と表面上は意に介さない発言をしていたが(若干、強がっている節がある)、この話を聞いたとわには自責の念を生じさせることになる。
彼女から胡蝶によって奪われた夢は、母親であるりんが生命を失わないよう、眠らせ続けるために使われている。
現在、夢の胡蝶の呪いがなくとも妖力が他の2人より勝っていると描写されている。
6歳のころのせつなが紫織の作った結界に気づき14歳になったとわが気づかなったこと、妖力を暴走させた4年前の蛾ヶ御前との戦い、4年後の饕餮の戦いではそれぞれ弥勒が封じたことが判明、せつなが是露に封印を解かれ暴走すると国崩しの紅夜叉を発動させたもろはが歯が立たないほど強力な妖力を発動、金烏に妖力を封じられても完全に抑えることがきずに妖力があふれる危険な状況となっており、姉妹の父である殺生丸が「まだ抑えきれないのか」とつぶやいていることから、夢の胡蝶はりんの生命維持だけではなく、せつなの妖力を抑えるためのリミッターである可能性が高くなっている。
上述の通り、普段は冷静沈着に振る舞っているが、もろはの軽口や振る舞いに反応して表情を崩すなど、同年代の同性との交流を経て軟化しつつある。
また、日暮家滞在中にとわの養母である日暮萌からヴァイオリンの演奏を勧められ、その筋の良さを「500年に一人の天才」と評されて頬を染めて照れた反応を見せ、彼女から貰ったヴァイオリンを大切に扱っている。
また、戦国時代に帰還して琥珀達と再会できたことを素直に喜ぶなど、心を許した相手には優しげな一面を見せており、本質的には記憶を失う前と変わっていない模様。
普段の冷静な態度からわかりにくい面もあるが、常に男装しているとわやガキ大将気質で羞恥心が薄いもろはと比べて見ると、何気に3人の中では一番女性らしい性格と嗜好を持っている。
弐の章
麒麟丸との戦いで得物の薙刀である兼光の巴が、麒麟丸の妖力に耐え切れずに折られ絶命するが、殺生丸がとわに貸し与えた天生牙により蘇生する。
せつなの蘇生に立ち会った刀々斎は、彼女の腕に浮き出た血刀と折れた兼光の巴を基に所縁の断ち切りを打ち直してせつなに与え、同時に「もう天生牙は使えねえから、二度と死ぬんじゃねえぞ」と警告する。
海蛇女との戦いでは、所縁の断ち切りは海蛇女の弱点を見抜くが、後に会った理玖から「まだその薙刀を使いこなしていない」と断言されてしまう。
そしてりんの状況を知り「母を助けたい」という意図を汲んだ殺生丸により胡蝶を斬られ、眠りを取り戻す。
以降は再び進行する呪いを解いて母を解放するため、所縁の断ち切りを使いこなすための術を求める。
騒動終了後はとわともろはと修行を兼ねた遠出をする。愛矢姫からの恋文を預かっており翡翠に殿様になれるかもしれないと茶化したりした。が、実は翡翠から思いを寄せられているのだが全く気づいていない。琥珀曰く、難攻不落とのこと。
能力
半妖
修行中は木簡に添えられていた短刀を使用していたが、蛾ヶ御前との戦いで失われ、代わりに業物の薙刀「兼光の巴」を新たな得物として用いている。麒麟丸との戦いで一度死亡した際に刀身を折られ、駆け付けた刀々斎によって鍛え直され「所縁の断ち切り」という新たな銘の薙刀になったが、現時点での全力戦闘ではこの大業物を振るっても大量の雑魚妖怪を一掃出来る程度でしかない。
父、叔父、もろはのような物理的な爪技はなく、基本的に武器の技が中心。使用する技も薙刀を媒介に発動している(弥勒によって兼光の巴に妖力が封じられている為と思われる)。
他に退治屋の道具である毒や眠り薬、小太刀を常備している。
殺生丸から毒耐性を引き継いでいるが、毒液などの液体に特化している。
妖怪
鋭い爪技で戦闘する。爪は猛毒の効果を持つが、殺生丸の毒華爪と比べると威力は劣る(それでも致死量レベル)。