「この宇宙全ての星は、星王バズーの物だ。征服せよ」
「地球……何という素晴らしい星だ。これまで数々の星を滅ぼしてきたが、どの星も醜く、薄汚れた星ばかりであった。ギルーク司令官。地球を必ず征服するのだ。もし失敗したら……お前達の生まれ育った星がどうなったか知っておろう。生かしては帰さんぞ」
演:桑原一人
CV:加藤精三
概要
宇宙各地に侵攻し、数多の星々を支配下に収めてきた大星団ゴズマの支配者。
機械と人間の上半身が融合したような怪異な風貌をした巨人の姿で、全長約300mの移動要塞ゴズマードよりもはるかに大きく、その姿を見た全ての生物が恐怖を感じるという。これが実体なのかどうかは定かではないが、部下たちの前に姿を見せる際は、額から「天罰光線」を放って制裁を加える事もあり、その底知れなさが一層配下の者達に恐怖を覚えさせている。
所在も正体もずっと不明であったが、唯一預言者ゼグだけが正体を知り、その秘密を記したスペースドールを宇宙へ放っていた。しかし第31話でそのスペースドールも破壊されてしまい、チェンジマンが彼の正体を知るのは最終決戦の時であった。
これまで侵略した星々の戦士達を幹部や宇宙獣士として徴発し、構成員たちには母星の再興を条件に絶対服従を強いており、さらなる侵略の道具として働かせてきた。大幹部であるギルーク司令官や女王アハメスもかつては彼に反逆を試みたが、その圧倒的な力の前に平伏すことになった面々である。
基本的に部下は使い捨ての存在としてしか扱っておらず、極めて冷酷。また、ギルークやアハメスがしばしば作戦の途中でチェンジマンへの勝利を確信し、作戦の進捗報告の際慢心から「これで勝ったも同然」と豪語する度に、そうは簡単にチェンジマンは倒せぬと念を押していた。
侵略活動が順調である限りは部下達のやり方には干渉しないが、失敗が重なれば容赦なく制裁を加え、宇宙の墓場に放逐したり、宇宙獣士に変えられたりする事もある。
ゴズマという組織を成り立たせていたのは、ひとえにバズーの圧倒的な力に対する恐怖であった。
一方で、故郷の星を原因不明の現象で失ったイカルス王子を養子に取る一面もある。
しかし、侵略対象の一つでしかなかった地球で、アースフォースを浴びた戦士・電撃戦隊チェンジマンらによる思わぬ抵抗に手こずり、それが呼び水となって地球に差し向けていたギルーク等の遠征軍に離反者まで続出するようになる。ついにこの方面軍が事実上壊滅するやもと、もはや不甲斐ない部下には任せておけぬと、業を煮やして自ら地球を滅ぼすために打って出たが……。
その正体と末路(ネタバレ注意)
当時地球に近づいていたハレー彗星の陰に隠れて地球に迫る謎の天体があった。
それこそがバズーの正体・ゴズマスターであった。超巨大な惑星型生命体であり、あらゆる生命、ひいては星々を貪り食うことでここまで大きくなってきた。そして今度は地球そのものを食べてしまおうとしたのだ。また、星王バズーとしての実体は暗黒空間から出現するホログラフィでしかなかった。
「星王」という称号とは、「星(々)を支配する王」というよりは(あるいは、それに加えて)、「自らが星である王」という意味だったのだ。
物理的な巨大さという点では、間違いなくスーパー戦隊シリーズでも最大級のラスボスである。ゴズマの組織規模に相応しいスケールの極めて大きな敵であった。惑星ごと食い尽くすことができるほどだから、攻撃力にかけてもトップクラスと言えよう。
最終決戦ではその身体を「バズーが潜伏している場所」と思い上陸したチェンジマン達を仮の姿であった星王バズーのホログラムで翻弄し、体内の消化器官に捕らえ溶かしてしまおうとした事で正体が発覚。
ゴズマに反逆する宇宙人達の協力に加え、チェンジマンが連れて来ていたギョダーイがパワーバズーカの音を聞きつけ、条件反射でメルル星人のメモリードールを巨大化。これにより一行の脱出を許してしまう。
身体が大きすぎるのが仇となり、地上(体表)の彼らにロクな追撃も出来ぬまま、体内深く再突入したチェンジロボの必殺技・スーパーサンダーボルトを中枢部分に食らい、あっけなく消し飛んで宇宙の塵となった。
地球攻略に手こずった苛立ちの末に、自ら打って出たのが命取りとなったのだった。
ゴズマの組織規模からして、彼の死後も宇宙各地に大兵力が残存していたはずである。しかし所詮はバズーたった一人の恐怖政治による強権的支配からのみ成り立っていた組織であり、側近や信頼する部下も存在しなかったので、バズーさえ滅びれば途端に瓦解したのだろう。その後にゴズマの活動が聞かれることは全く無かった。
なお実はこの正体については当初設定されておらず、出渕氏のアイデアが終盤で取り入れられた結果誕生した経緯がある。
関連タグ
暴走皇帝エグゾス:11年後のスーパー戦隊に登場する巨大宇宙人と言うレベルでは片付かない星座そのものが擬人化したであろう惑星規模のラスボス。星を体内に取り込める点も共通。
メガヘクス:同じく惑星規模のラスボス。(仮の姿は機械的だったが)有機生命体とおぼしきバズーと違って、こちらは機械生命体である。
ユニクロン:こちらは人型に変形する惑星型機械生命体で、他の惑星を喰らうのも共通している。
ギャラクタス:崩壊させた惑星から解放されたエネルギーを喰らう、宇宙の法則の一部である神のごとき巨人。
オーボス:7年後のロボットアニメ作品における惑星規模のラスボス、正体が最後まで不明で登場人物曰く「別次元の化け物」、上記とは異なり実体のないエネルギーのような状態で存在する、ある意味ではエクスカイザー達のようなエネルギー生命体の一種ともとれる。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:MCU版2作目(『リミックス』)に登場したエゴは、星王バズーに中の人の代表作に登場した地球外生命体とマモーを掛け合わせたようなキャラクター像となっている。
蛇遣い座:34年後に放送した半日後の世界に出てくる敵組織のボス。
終盤になってようやく正体が分かった事や、目的などが共通している。
ドクターマン/キングメガス←星王バズー→大博士リー・ケフレン/ザ・デーモス