「ギョダ~イ」
概要
大星団ゴズマの使役する宇宙生物の一体。スーパー戦隊シリーズとしては初となる、「一つのキャラクターとして設定された巨大化要員」でもある。
出身地はギョダーイ星で、「ギョダーイ」や「ギョ!」としか喋れないが、喜怒哀楽の感情表現は豊かな原始生物である。
外見上の特徴として巨大な口と、その中に備わっている単眼が挙げられ、そこからは対象を巨大化させる効果を持つ粒子光線を放つことができる。ゴズマはこの能力を利用して、倒された宇宙獣士を巨大化させるという戦術を取っており、この能力の持ち主であるがゆえにギョダーイは乱獲の対象とされていた。
この光線は宇宙獣士をその生死を問わず巨大化させるだけにとどまらず、それ以外の野生の生物(第13、14話)や無機物(最終話)までも巨大化させることが可能であるが、一回の発射で体力を大きく消耗してしまうため、無駄な体力を使わないよう普段はゴズマード内で寝てばかりいる。また物語序盤では、宇宙獣士が倒されたため役目を果たすべく起き上がる際に、航海士ゲーターの尻尾を踏むというのがお決まりのパターンでもあった。
見た目こそ不気味で恐ろしいが、その実ギョダーイには悪意は無く、その性格も温厚そのものである。知能も牛程度しかないとされる一方、仲間がいないことに寂しさを感じている素振りを見せたりもしている。
物語中盤の第24話は、そうしたギョダーイの孤独感やバックボーンにスポットを当てたエピソードであり、ここではアハメス配下の宇宙獣士キーガに乗り移られ、自身が食べたミサイルのエネルギーでチェンジマンを抹殺する爆弾として利用されそうになった。アハメスからは「ギョダーイの1匹ぐらい、どうだっていいわ」と切って捨てられており、宇宙獣士の巨大化という重要な役割を担っているはずのギョダーイですら、ほんの消耗品程度の扱いであることが強調されている。
この作戦は最終的には頓挫する一方、敵味方双方にも思わぬ波紋を投げかける結果ともなった。それまで敵対関係にあったチェンジマンからは、「ゴズマに利用されている可哀想な宇宙生物」と思われるようになり、敵意を持たれなくなった。また当初その立場の低さゆえに、憂さ晴らしの相手としていたゲーターもまた、ギョダーイの寂寥感を理解し優しく扱いようになった。
ともあれその後もゴズマに属し、物語終盤に至るまで与えられた役割を全うしていたギョダーイであるが、最終話でのゴズマとの最終決戦に際してゴズマードが爆発する際、同乗していた伊吹長官やナナ達と共に救出され、チェンジマンの仲間に加わることとなる。
実はこの時点までに、長い戦いの中で宇宙獣士を倒すパワーバズーカの発射音を耳にすると条件反射で目を覚まし、巨大化光線を発射するという習性を備えるようになったことが判明しており、ゴズマスターにおける星王バズーとの最終決戦ではこの習性をチェンジマンが逆に利用したことで、彼らが窮地を脱する上で思わぬ活躍を見せている。
ゴズマの壊滅後は、伊吹長官達と共にシャトルベースに同乗し、宇宙へと旅立っていった。
備考
デザインは出渕裕が担当。ギョダーイの外見上のもう一つの特徴として、身体と不釣り合いな細長い両腕が挙げられるが、これは前年の『超電子バイオマン』で出渕がデザインを手掛けたクモカンスでの、シルエットを変化させるための「両手で杖を突かせる」構造が上手く行ったのを受けてのものである。また口内の単眼については、出渕にとっての「わかりやすい手札」の一枚であるといい、グロ系のデザインになるとこれに逃げる傾向があるとも語っている。
造形物は前述した杖を突く方式での両腕に加え、口や瞼の開閉、それに眼球や指先など、様々な部分に細やかなギミックが内蔵されたものとなっている。
関連タグ
芋長:『激走戦隊カーレンジャー』に登場する店舗の一つ。この店の商品の一つである芋羊羹が、ギョダーイと同様に敵怪人を巨大化させる働きを持つ他、最終決戦において重要な役割を果たしたという共通項も有している
ビッグバンプログレス/ビッグバンビーム←ギョダーイ→クラーゲン