LIVE A LIVEの隠しシナリオ「中世編」に登場。
CV:程嶋しづマ(リメイク版)
概要
藍色のロングヘアーで、水色のローブと赤いマントを着込んだ魔法使いの青年。
中世編の主人公オルステッドの親友であり、ルクレチア王国武術大会の決勝で彼と戦った。友であろうと手加減をよしとせず、全力で戦うようオルステッドに誓わせ、ついに両雄は激突。
しかし、後一歩のところで敗れてしまい、優勝者への褒美である王女アリシアへの求婚の権利をオルステッドに譲ることになる。
その後、魔王にさらわれたアリシアの奪還に向かうオルステッドに同行し、先代勇者のハッシュ、賢者ウラヌスを仲間に引き入れて魔王山に向かうのだが・・・
作中の活躍
しかし、討ち取った魔王は偽者だったあげく、病を患っていたハッシュは力尽きてしまう。
さらには直後の地震で天井が崩落。オルステッドたちと共に逃げようとするが、1人逃げ遅れて圧死してしまった・・・。
ところが・・・
実は圧死したように魔法で細工し、1人で魔王山の奥へと足を進め、オルステッドを出し抜いてアリシア救出を果たしたのである。
魔王の偽物を倒した後、ストレイボウはアリシアの行方の手がかりを探した結果、部屋にある魔王像の中の隠し通路を発見する。
この時、他に誰も隠し通路を知る者がいないことに気づいた彼の心の中で、オルステッドとの友情の裏に隠れていたものが滲み出てきた・・・
このままオルステッドと共にアリシアを助ければ、アリシアが感謝するのは求婚の権利を持つオルステッドであろう。
共に戦ってきた自分にはなぜ何も報酬がないのだろうか。何故だ。なぜだ。ナゼダ・・・思い返せば、昔からオルステッドにはいつも先をこされっぱなしだった。
日のあたることの無い「主人公の友人」。そんなポジションを自覚してしまった彼はついに・・・友人という立場を放棄する。
そして、アリシア救出の功を得るだけでは飽き足らず、王女奪還に失敗して失意の中にあったオルステッドたちを魔法で騙し、王殺しの濡れ衣を被せるという暴挙に至る。
しかし、オルステッドはウラヌスの命がけの魔法によって助かり、再び魔王山に姿を見せた。
頂上で再会したストレイボウは、オルステッドにいつも先を越され続けてきた日陰者としての憎しみをぶつける。
この時の科白「あの世で俺に詫び続けろオルステッドーーー!」はかなり有名。
そして今度こそオルステッドを倒し、引き立て役だった過去と決別するために戦いを挑むが、力及ばず敗北。最期まで勝てないまま命を落とした。
この行動やオルステッドへの同情的観点、そしてその後のルクレチアの惨状から、人によってはアリシアと共に、もしくは彼女以上に嫌われているキャラクターでもある。
また、人によっては魔王山の邪気によってアリシアと共にオルステッドを憎むようになったという声もある。
実際、魔王山の隠し通路を偶然見つけたのと同時にオルステッドへの嫉妬と憎しみに突き動かされており、あながち的外れとは言えない。
最後
そんな彼の魂は他のルクレチア国民の魂と一緒に、最終編のとある場所に幽閉され、そこで「俺の・・・せいなのか・・・ あいつが・・・ あんなになってしまったのは・・・」と己の行いを後悔している(※)。
しかし、全ては手遅れだった・・・どこにもいなかったはずの最凶の魔王を生み出してしまったのだから。
まさに、「人間」であり、今もあの世でオルステッドに詫び続けているのだろう。
しかし、その懺悔は決して彼には届かないのである・・・。
※:リメイク版では死して憎しみが抜け出した事でより自身の犯した罪を自覚しているセリフ「……俺の…せいなのだ…あいつが…魔王になって…しまったのは…」と後悔の度合いが増している。
能力
かくしてボスキャラとして戦うことになる彼だが、最低Lv16まで上がっているため最強技まで修得済みになっていること、こちらも完全にオルステッド一人で戦うことから相応の難易度はある。
また、パーティ時とは異なり電撃フィールドを吸収する状態になっており、その状態で広範囲の電撃フィールドを生成しつつダメージを与える「アンバーストーム」という攻防一体の戦術を多用するほか、中距離までの攻撃に対して強力な反撃をする「ブラックアビス」を張って攻撃を待ち構えている。
サイズが1×1のグリッドであるため、ピンポイントの座標に攻撃を当てるには的確に動く必要があるが、インケイジやヘキサフランジといった範囲技にうまく巻き込むことは可能。サイズの小ささは逆手に取れば縦横斜めのライン外をキープしやすいことでもあるため、将棋でいう桂馬のような位置取りをキープしつつ攻撃すると安全。
相手の攻撃を覚悟で短期決戦を決めるなら、ジャンプショットで大ダメージを狙うのもいいだろう。その場合、心配ならばなおり草を大量に用意してこまめに回復しよう。
なおアンバーストームやブラックアビスはパーティ時でもレベルが高ければ扱えるが、余程意識してレベル上げをしないと覚えないうえ、前者は自分も電撃フィールドに巻き込まれてダメージを受けてしまう。
リメイク版では「ブルーゲイル」などの厄介な状態異常を持つ中堅技も使うため危険度が上がっている他、耐性を持つ属性が増えており、明らかに変化が生じているのがわかる。ただしHPが大きく下がっており、回復アイテムなしでも普通に勝てるようにはなっている。
しかしそれ以前に、戦いに入る際の演出が「充実した魔力により白く光っていた姿」ではなく「憎しみに囚われて黒く濁った姿」になっており、各種オディオと同じく赤い瘴気に覆われている。それどころか全身が黒い瘴気で覆われており、もはやその姿は「ストレイボウの形をした真っ黒な体で赤く目を光らせながら憎しみを人間ではない声で咆哮する、もはや魔法使いとは異なる何か」である。
これまでの7体のオディオより酷い状態であり、声も姿も直後に魔王と化したオルステッド(最終編オルステッドの描写)とほぼ同質の変化。中世編における「憎しみ」は他の物語と比較してもひときわ強いことを察せる。
倒した際も、初戦と違って戦闘不能アイコンがないことから、オリジナル版と違って味方時のデータの流用ではないようである。
だが、PVでも見られた「あの世で俺に詫び続けろぉ〜〜〜!!」までなら、まだ「人間の声」だった。
本当に狂い始めるのはバトルに突入してからであり、人ならざる声で「イクゾイクゾイクゾイクゾォォォォ?」「ソラソラソラソラァ!」「ドンナキモチダァ?」「クッソオオオオ!!」「ッ⋯テメエエエエ!」「ジョウダンジャネェゾォォォ!」「ウォオオオオア!」「モウ、オワリカ? ハハハハハハ」「ウソダウソダウソダウソダ!!」といったものになり、そこには冷静な魔法使いだったころの面影はない。
元ネタ
彼が登場するシナリオ「中世編」は、元々「FF4のセシルとカインの立場が逆だったら」という仮定から生まれたもの。したがって、彼はもしかしたらセシルが辿ったかもしれない道を示した可能性もある。
たしかにFF4TAでのセシルの変貌振り、そして暗黒面に落ちた彼の感情は、唯一の兄はもとより、妻や息子をも平気で手にかけるほどの凄まじいもの。あながち、ハズレではないのかもしれない。
さらに言うならば、GBA版FF4で追加された「竜騎士の試練」ではカインをオルステッドの立場に据えられた形となり、試練の出来事とはいえバロンの町で起こった殺人事件の容疑者として孤軍奮闘を余儀なくされる程の窮地に陥る。
だが、本当の試練はストレイボウ側に立った状態で欲望のままに親友に手を掛けるか否かの選択を迫られるというもの。つまり、もしストレイボウがオルステッドを倒していたらという仮定も可能であり、こちらの場合は現実ではないにしろ非常に後味が悪く、しかも二度と試練に挑戦できなくなってしまう。つまり、もしもストレイボウがオルステッドを手に掛けた=勝利したとしても取り返しのつかない未来があったということになる。
元ネタではないが、似た話がFF6のオーディンにあり、ある王国に起こった悪の魔導士と正義の騎士(オーディン)の死闘において魔導士が放った魔法で騎士が敗れ王国の崩壊に至った逸話がある。
余談
上記の通り、オルステッドへの憎しみと赤い瘴気からか『中世編のオディオはストレイボウなのではないか?』と言う考察が存在する。
また、いつもオルステッドに勝てなかった彼だが、闇堕ちの度合いでさえオルステッドに及ばなかったという笑えない皮肉も。ただ、中世編の転落からわかる通り憎しみの連鎖が既に始まっており、言うならば中世編に登場した一部を除いた人間達もまたオディオだったと言える。
半熟英雄の3作目である「VS3D」のプロローグのボスはオディオだがキャラの性格にはストレイボウのそれも混じる。
また両作とも時田氏が制作しており、「ただのお遊びではないか」とも言われている。
あくまでパロディであるため、ただのボスの1体であり結局は倒されてその後は平和な王国を築かれてしまう。それでも周年イベントの掛け声を見るにやっぱり扱いは特別なものであった。
なお、リメイク版では程嶋しづマが声の担当をするが、実は過去に中世編を元にした演劇『魔王降臨』でもストレイボウを演じていた事がある。また、程嶋氏はDS版以降のセシルの声を担当している上にキャスティングは時田氏直々の任命によるものなので、十中八九、故意であろう。
オルステッドを陥れた事件については、SFC版の時点で、事件発生前は見張りの兵士が5人であったのに、事件発生後に駆け込んできた兵士は6人、つまりいつの間にか1人増えていたことから、この兵士の正体がストレイボウではないかという考察があった。さらに、増えたと思わしき兵士の台詞は「(国王だけでなく)もしや、勇者ハッシュもストレイボウも、みなオルステッドが!(殺したのでは)」というもので、「幻術にかかって王を間違って殺した」という真相に迫ろうとする行動を先手で封じにかかってきており、架空の余罪を上乗せすることによりオルステッドに王殺しの罪を着せる「ダメ押し」として的確に機能しているのである。
当時はただの憶測にすぎないものだったが、それでもこの「増えた1人の兵士」は上記の科白を言う時だけいるので、考察としてある程度の信憑性はあった。それがリメイク版にて該当の兵士のCVが程嶋しづマなのではないかという指摘があり、いよいよもって疑いが濃厚になっている。さらに加えて、この兵士が「オルステッドが陛下を…!?」というセリフまで単独で担当しているため、もしストレイボウであればさらに念入りにオルステッドを追い詰める策を展開していたということになる。
関連タグ
- マッド・ドッグ-同じくライブアライブの西部編に登場する直接対決ではいつも主人公に後れをとるライバルキャラ。但しこちらはサンダウン・キッドとのエースキラーな技のラインナップに対して分が悪いだけで、能力値そのものはライバルと互角であり雑魚の群れの処理能力ではマッド・ドッグの方が勝る。そしてライバルを嵌めたり一般市民を巻き込むようなことはせず、寧ろ彼らに”西部の人間”としての生きざまを説いて目覚めさせ結果的に街を救った もう一人の英雄と呼べる存在である。
- ジャン・アンガルド - 同じスクウェアエニックスのRPG「ブレイブリーセカンド」の登場人物で主人公の親友であり、裏切るキャラ。壮絶な過去による憎しみを主人公とその一族に持っている。彼にしてみればストレイボウの憎しみなんて本当にただのコンプレックスに見えるレベル。しかし、LALの場合はその「ただのコンプレックス」から一大事になってしまったことがむしろ重要なのである。「誰もが魔王になりうる」というオルステッドのセリフは、彼のコンプレックスが常人にありうるレベルだからこそ成り立つのだ。
- デスピサロ - 同じスクウェアエニックスのRPG「ドラゴンクエストIV」の登場人物。時田氏がこのキャラクターを作るうえで影響を受けたキャラクターのひとつ。主人公は喋らないのに敵の主要人物が喋るため、主人公よりも人間味を感じたとか。
- ホメロス - 同じく「ドラゴンクエストXI」の登場人物。親友に対するコンプレックスから悪堕ちする点が共通。なおⅪSから彼のCVを担当している櫻井孝宏氏はリメイク版の今作で功夫編のオディオであるオディワン・リーを演じている。
- セシル・ハーヴィ - 同じく時田貴志が出がけたスクウェアエニックスのRPG「ファイナルファンタジーIV」の登場人物で、声優繋がり。
- 加古川飛流-主人公から全てを奪い、孤立無援の絶望に突き落とした者繋がり。こちらは自身が魔王に成り果てており、半熟英雄版に近い。
- ???(東方ライブアライブ):実質的な同存在である嫉妬の末に外道に堕ちきった魔法使い。当作品のボスであるレイジ(東方ライブアライブ)にも該当しており『ストレイボウ=中世編のオディオ』説を参考にしたものと思われる