概要
日本語吹き替え版の声優は八代駿→高橋和枝→ダン小路→肝付兼太→佐藤せつじ。
体が青がかった灰色のオス猫で、ジェリーのケンカ友達。体色はシリーズによって異なる。目の色は黄色で瞳は緑、短めの尻尾と手足の先は白である(因みに毛皮は着脱可能で脱げた際には赤いシャツやステテコを着ている事が多い)。フルネームはトーマス・キャット、略されてトム・キャット(オス猫を意味する英単語)とも呼ばれる。
主人は不明(と言うか一貫していない)だが、前期では黒人の召使い、後期では白人の夫婦+子供二人の存在が確認されている。従兄弟にはトムにそっくりでネズミが嫌いなジョージ。交友関係としては悪友のブッチ等がいるが、時に無関係であったり、同居している設定であったりと適当。
何か悪巧みをしてジェリーに返り討ちされる事が多いが、逆にジェリーやジェリーが面倒を見る事になった動物の悪巧みやイタズラによる被害を受ける事も多く、それでトムが「何もしていないのに」巻き添えに遭った挙句に負ける事も多い。特に「失敗は成功のもと」では、トムが「何でいつも俺ばっかりこうなるの?!」と言う台詞が普段の状況を端的に表していると言えよう。
しかし、ある回ではトムの逆転及び完全勝利の回もあり、その多くがサブキャラの介入(前述のジョージやニブルス、スパイク等)がある。
また、図々しい子猫や代わりの猫が現れた時等、ジェリーとの利害が一致した時には共闘し、ジェリーの知力とトムの行動力が合わさりある一種の勝ちフラグが立ち、ほぼ100%勝利・成功してみせる(それでもかなわなかった回は「おじさんに降参」のジェリーのおじ・ペコスと「赤ちゃんは知らん顔」の赤ちゃんのみ)。
回によってまちまちだが、基本的には飼い猫としての立ち位置が多く、しかも当時の見解からしても飼われている家はかなりの豪邸。しかし、信頼関係は複雑な様で、大抵はジェリーに手玉を取られてしまい、すぐ追い出される状況に終わることもしばしば(当然、次話では何事も無かったかの様に話が進むが)。その一方で、「夢と消えた百万ドル」の様に主人の100万ドルの遺産を相続する権限すら与えられる事もある等、優遇されているケースもある。
また、その他にも能力を理解して家事を強要する事がある等、人間寄りな存在として認知されている面も少なくない。
初期は「ネズミに対する捕食者としての猫」と言い表せる様な凶悪な面が目立ったが、回が進むにつれて性格は徐々に丸くなっている。お人好しな一面もあり、赤ちゃんが脱走した時はジェリーと協力して世話をし、「ネズミの学校」ではニブルスに対して優しく接してあげたり、「素敵なママ」では自己犠牲を厭わないアヒルの子を見て感動して改心して立派な親になりきる等、そう言う性質も見られる。勿論、相手がジェリーでも例外では無い。
その為、かなり丸くなった現在でも何もしてない時(昼寝等のんびりしている時)や真面目に仕事をしている時も負けて(ジェリーに食料や役職を奪われる)事が多い=「真面目に働いている事が多いトムが敗北して全てを失い、盗み等を働くジェリーが勝って全てを手に入れる」構成が大半を占めており、「理不尽」と同情される事も増えている。
逆に、トムが仕掛けて勝利した場合はジェリーの様に物を奪う事は無く、「完全にやり返した」程度で留まる事が多い他、ジェリーの住処自体に問題がある(ビリヤード台のポケットやピアノの弦等)事も多々ある。
と言うよりも、ジェリーに対してその気質が強く表れている様で、「トラになったトム」では酔い潰れた際には役目そっちのけで友好的に接していた。
また相手が強い立場になると急に弱気に陥りやすいのか、「なかよし」ではカナリアがその場に落ちてた銃を拾った際にカナリアが落とした時に何故かそのまま返したり、「お好みサンド」等でもハエ叩きで4回も叩かれ堪忍袋の切れたジェリーに怯んでそのままハエ叩きを渡したりしている(なおこのパターンは他の作品や他のキャラでもよく見られる)
ジェリーもそうだが、彼はメスの同族に大変惚れっぽく、そういった性格からドタバタが繰り広げられることもある。
特技・好物
非常に多芸多才で、特にピアノ演奏は天下一品。友達と一緒に演奏する事もある。後には歌にも力を入れた様だ。
スポーツの面でもビリヤードを始め、ボーリングやテニス等もやってのけるが、唯一ゴルフだけは下手な様子。
他にも料理や開発、赤ちゃんの世話等、実用性の有無に関わらずあらゆる才能を見せつける(女主人曰く「色々と役に立っている」)が、僅かにジェリーには敵わない。
それ故、ニコニコ動画等では良くネズミ取り以外の何でも出来るネコと言われる事がある。
彼は牛乳が大好物で、朝イチに配達の牛乳の交換をしては嗜んでいる。しかし、時々ジェリーに邪魔される事もある。逆にジェリーの好物であるチーズは苦手であったが後に克服。
腕力は、ジェリー以上スパイク未満でこれも各回によってまちまちと言える。集団のネズミにタコ殴りにされる事もあれば、何十キロのダンベルを軽々と持ち上げられる等差が激しい。だが、日頃からジェリーを追いかけてるだけあって脚は速い。
その他の運動神経も高く、「夢と消えた百万ドル」では連続バク転を決めてソファまで座ると神業を披露している。
基本的には体力も力関係もジェリーより上だが、かなりドジでアホな為、頭が良いジェリーにやられてしまう事が多い。
潰されてぺちゃんこになったり、燃えて黒焦げになったり、体が別の物や形に変形する事も多いが、直ぐに元に戻る事が多く、時には「真っ二つにされる」「バラバラになる」「破裂する」「切り刻まれる」「大爆発に巻き込まれる」等一般的なギャグ補正では済まないレベルの致命傷を受けても死なずに直ぐ復活程生命力が非常に高い。一応痛覚はある様で、尻に針が刺さったり、足に重い物が落ちて来たり、尻尾が扉やネズミ捕りに挟またり切断されたりすると凄まじい悲鳴を上げる(劇中の描写からして尻尾が一番痛いと思われる描写が多い)。逆に銃で打ち抜かれたり、飲み込んだキツツキの赤ちゃんに腹の中から突かれても痛みは感じていない様子だった。
また「パーティ荒らし」や「ネズミ捕り必勝法」等、一部の回では実際に死亡した様な描写が見られた(次の回では何事もなく復活するが)。
ジェリーとの関係
勝敗に関わらず作中では争っているシーンが多いが、前述の様に協力して立ち向かうシーンも多く、ジェリーに何かアクシデントがあった際には迷わず救ってみせる。
長編等では共に仲良くなった人間を助ける為に協力し合ったり悪人を懲らしめたりと名コンビとして描かれる事も多い。
「共同作戦」や「淋しがりや」、「うらぎり者は去れ」の様にアッサリ対立する事もあるが、一方で「強敵あらわる」ではイナズマを討伐した際にはジェリーに褒美としてパイの半分(体格的にジェリーが得している)をあげ、「悲しい悲しい物語」では2匹でジュースを飲んでいるシーンがある等、徐々に仲良くする事も増え始め、只の「ケンカ友達」では無い事を窺わせる。
関連イラスト
関連タグ
関連キャラクター・作品
トムニャン:同じく「トム」の名前を持つ猫キャラ繋がり。
ドナルドダック:「外国出身の有名なアニメキャラクター」で「自分より小さい生き物に高確率で酷い目に遭わされている」共通点がある。
骨川スネ夫:過去の主要となる声優の中の人繋がりであり、相方の声優と共に藤子不二雄作品に深い縁を持つ。
ニャース:アニポケで、ネズミがモチーフの相手にいつもやられる者同士。そしてどっちも憎めない。
堀町タカシ:トムやドナルドダックと同じく相方となる主人公に毎回不幸な目や酷い目に遭わされている主役キャラつながり。
関連項目
ゴムゴムの実、バラバラの実:食べているのかと思わせる程に身体が自由自在。
モンキー・D・ルフィ:『ONE_PIECE』の主人公。作者の尾田栄一郎氏は青山剛昌氏との対談にて、ギア5のカトゥーン的な描写は『トムとジェリー』に由来していると述べている。これ以前にも『トムとジェリー』を参考にしたと思われる描写は、ルフィの腕が伸びる様や水を大量に飲んで膨らむ様、ギア3の腕を風船の様に巨大化させる等、要所要所で散見されて来た。また、「D」のイニシャルをミドルネームに持っている点も類似している。
対魔忍アサギ:凌辱等のダーク系要素の強いアダルトゲームなのだが、登場人物が球体やキューブ型になるといったトムを彷彿とさせるシーンがあるため、某SNSでは対魔忍トムというネタがある。