演:小高恵美
概要
「ゴジラVSビオランテ」から「ゴジラVSデストロイア」までの6作品に登場した超能力者。
平成VSシリーズを象徴するヒロイン的な存在と言える。
精神科学開発センターに所属するもっとも強い能力者で、テレパシーで動植物とコンタクトを取ることが可能。そのため、怪獣の意思を感じ取ることもできる。
劇中で確認できる能力は、第六感的に人間では感知することが出来ない波長や精神感応を感知する能力、コスモスといった同じ能力を持つ者同士の交信(※1)、スーパーメカゴジラ搭乗時に発揮した透視能力(※2)、物体を自在に操るテレキネシス(※3)、怪獣の行動コントロール(※4)等。
小説版ではゴジラに撃墜・撃沈されて戦死する戦闘機のパイロットや軍艦の乗組員たちの今際の感情も感じ取っており、悲しみと恐怖でパニックになりかけたりもした。
劇中での活躍
「VSビオランテ」での初登場時には、演じた小高氏がまだ10代だったことから「ちゃん」付けで呼ばれていたり、何処か掴みどころのない不思議な少女といった感じだった。一方、ゴジラの侵攻から大阪を守るためにテレパシーで立ち向かう勇気も見せている。
「ゴジラVSキングギドラ」では国立超科学研究センターゴジラチームの一員として登場。未来人からゴジラ抹殺作戦のメンバーに選定され、太平洋戦争時代へのタイムトラベルを経験した。前作より大人っぽい女性に成長したようだが、ドラットを見た際には「可愛い!」とはしゃいでいた。
「ゴジラVSモスラ」では国家環境計画局Gルームに移籍。ストーリー的にはあまり目立たないものの、攫われたコスモスの居場所をテレパシーで探り当てている。
「ゴジラVSメカゴジラ」では国連G対策センターへ移籍。Gフォースが開発したスーパーメカゴジラのクルーに任命される。これまでは「ゴジラを倒す事が人類のためになる」と考えていたようだが、ベビーゴジラとの交流を通して戦いへの迷いを感じ始める。
「ゴジラVSスペースゴジラ」では主人公の新城功二とロマンスを演じたり、彼女の超能力を狙う企業マフィアに誘拐されるなど、名実ともにメインヒロインとして描かれた。ラストシーンでは新城といい雰囲気になったものの、演者たちは「淡い恋で終わった」「(新城では)ゴジラに敵わないので別れた」と解釈している模様。
シリーズ最終作「VSデストロイア」では、前作で交流を深めたリトルゴジラの捜索に奔走。リトルが成長したゴジラジュニアと再会を果たすも、Gフォースはデストロイアとバーニングゴジラを戦わせるための囮としてジュニアを利用する事を決定していた。最終的にデストロイアは倒され、バーニングゴジラはメルトダウンを起こして融解。ジュニアがその際に放出された大量の放射能を吸い取りゴジラになったのを見届けた(もっとも作中でそれを感じ取ったのは彼女ではなく同僚の小沢芽瑠だが)。
その後の消息は不明(※5)
映画以外の媒体での活躍
サンリオピューロランドのアトラクション「怪獣プラネットゴジラ」では、惑星探査ステーションの職員として登場。彼女からステーションやアース号についての紹介を聞ける。平成VSシリーズと同一の世界観なのかは不明。
平野俊弘による漫画版「ゴジラ1990」では1984年に東京へ上陸したゴジラに交信を試みるも、通じなかったうえに両親を殺されたという過去が描かれている。
コミックボンボンで連載された川石てつやによる漫画版「ゴジラVSモスラ」にのみ、弟の三枝晃司が登場し、やはりモスラやバトラの声を聴いている。
一方、坂井孝之によるコロコロコミック連載版「ゴジラVSキングギドラ」から「VSデストロイア」には登場していない。同作者の同人誌版「VSデストロイア」では、黒木特佐の要請でモスラ幼虫殲滅作戦に参加するも、モスラからのテレパシーで脳にダメージを負って植物状態に陥っていたという経緯が明かされている
注釈
※1 劇中ではコスモスの歌をテレパシーとして感知しており、さらにバトラとの共闘シーンではモスラとバトラが何かを伝え合っていること(内容までは把握していなかったが)を感知している為、その気になれば彼女もモスラを呼べる……のかもしれない。
※2 「VSメカゴジラ」で披露。発動には自身の能力のみではなく、ヘルメットに装着された(暗視ゴーグルのような)「サーチ・アイ」という専用の器具が必要となる。
※3「VSスペースゴジラ」にて初披露。周りには「ずっとできなかった」と語っていることから、あまり得意ではない模様。事実、専用の器具が必要な上述の透視に比べると汎用性が高いにも拘らず、披露したのはこの作品のみで、次作の「VSデストロイア」では見せていない。
※4 「VSスペースゴジラ」で使用。透視と同様に自身の能力のみではできず、テレパシーを増幅する「サイコトロニック・ジェネレーター」と「テレパシー受信装置」(怪獣側に埋め込まれていなければならない)を必要とする。「VSデストロイア」では同じく超能力者の小沢芽瑠と二人がかりだった為か、それらの器具を必要とせずにジュニアを誘導している。
※5 バーニングゴジラがメルトダウンした際に高濃度の放射能が放出され、未希は付近を飛行するヘリからゴジラの戦いを見守っていたため、被爆した可能性がある。もしそうなら本編終了後に原爆症で亡くなった可能性もあるが、「VSデストロイア」以降の時系列を描いた作品が無いのでそうした設定も存在しない。