概要
『美少女戦士セーラームーン』の原作漫画第四部、90年代版テレビアニメ『SuperS』、劇場版『Eternal』に登場するキーアイテム。
地球の王国「ゴールデン・キングダム」に伝わる秘宝。太陽のような光を放つ黄金色の宝石で、銀色に輝く月の王国の秘宝「幻の銀水晶」と殆ど同じ力を持つ。
原作漫画とテレビアニメで外見に違いはあるが、黄金色に輝く宝石で無限のエネルギーを秘めていることは共通する。
原作漫画
地球の王国ゴールデン・キングダムに守護されていた聖石(クリスタル)。
ずっと昔から封印され、地球の王子エンディミオンの生まれ変わり・地場衛(タキシード仮面)も存在を知らなかった。
地球の聖地・エリュシオンから来たエンディミオンの守護祭司・エリオスによると、「月の光に守られた乙女」がゴールデン・クリスタル復活の鍵になるらしい。
しかしどこにあるかも分からず、手がかりは乙女が月野うさぎ(セーラームーン)かちびうさ(セーラーちびムーン)であることだけだった。
※以下ネタバレ注意
銀水晶を持つ月の王女の生まれ変わり・セーラームーンは、今までの経験からゴールデン・キングダムはきっと衛の体の中にあると確信を持つ。
セーラームーンの言葉を信じた衛の胸の中からゴールデン・クリスタルが出現、その形もうさぎの銀水晶と同じ花弁型だった。そして銀水晶の力と共鳴してセーラームーンをエターナルセーラームーンにパワーアップさせ、ネヘレニアを封印した。
余談
第三部でタキシード仮面をパワーアップさせた胸の奥から溢れる力の正体は、衛の中に眠っていたゴールデン・クリスタルの伏線と思われる。
ちなみにゴールデン・クリスタルは地球の秘宝だが太陽の力を宿し、そのせいか衛も地球の王子でありながら太陽の加護を持つ。それについては守護祭司のエリオスの由来が太陽神であることから、衛の中にエリオスの太陽の守護が入っているという説があるらしい。
テレビアニメ(SuperS)
地上の人間達の「美しい夢」を守護するペガサス(エリオス)の角に宿り、聖地エリュシオンや「水晶の森」の中で守られている。エリオス曰くゴールデン・クリスタルは持つ者を自分で選び、美しい夢の持ち主なら手にできるがそうでなければ悪しき心の持ち主として罰せられてしまう。
見た目は菱形で片手で掴めるくらいの大きさ。普段は見えないが実は二重構造で、内側に一回り小さな複雑なカットの石が入っている。力を発動させると外側の石は透き通り、内側の小さい石が輝く。
ネヘレニアによると「暗黒の力でも美しい夢の力でも輝かせることができるエネルギーの集約装置」(テレビアニメ第一期でクイン・ベリルが銀水晶はクイン・メタリアも使えると発言したため、銀水晶とほぼ同じ物と考えてよいと思われる)。
ネヘレニアの強い暗黒の魔力では大きな力を発揮したが、人間の美しい夢を原動力とする場合は夢の力が弱いと発動しない。セーラームーンにも使えなかったが、セーラーちびムーンに祈りを届けられた美しい夢を持つ人々の力で発動してネヘレニアの力を奪った。
最終決戦後、ネヘレニアに突き落とされたちびムーン救出に向かったセーラームーンの「一緒に大人になろう」という願いに応え、再び発動して二人の命を救った。
余談
原作漫画と違って地場衛の持ち物ではなくなっているが、これはテレビアニメでの幻の銀水晶が「月の歴代女王の間でシェアする」設定である事に関係する可能性がある。
テレビアニメでのエリオスとゴールデン・クリスタルは人の美しい夢を好んで悪しき心を嫌っているが、「人々の美しい夢に憧れて影から見守る」というエリオスの立ち位置は、シルバー・ミレニアムの月の人間が地球を見守っていた姿勢に似ている。
まずゴールデン・キングダムが滅んだ経緯は不老長寿と無限の力を欲した地球の人々が月を侵略して反撃を受けたためであり、それはエリオスが言う所の「悪しき夢」である。
もしかしたら、そこで守護するべき王族を失ったゴールデン・クリスタルとエリュシオンは、地球に残された人々の美しい夢に支えられて細々と生き残り、美しい夢を守護するように変質したのかもしれない。
また、劇中ではエリオスの意識が王子形態の衛の意識を呼び出したり、衛が金色の光でヒーリング能力を使う描写があり、エリオスと衛の関係にはある程度原作設定が反映されているのかもしれない。