概要
TVアニメ『美少女戦士セーラームーンSuperS』に登場する設定。
人は誰でも美しい夢をもつ。
『SuperS』の悪役であるデッド・ムーンの魔の手から逃れ、人間界に逃げ込んだ一角天馬(ペガサス)は、そのような人々の美しい夢の中に身を寄せるしかない。
夢の鏡とは、それを知っているデッド・ムーンが逃げ出したペガサスを探し出すため、その宿主候補者の夢を具象化したものである。
TVアニメシリーズ3作目『セーラームーンS』の「ピュアな心」、5作目『セーラースターズ』の「スターシード」と似た位置づけであり、『SuperS』は基本的に毎回ゲストキャラの夢の鏡が暴かれ、駆けつけたセーラー戦士たちが敵を倒し、その人を助ける流れになる。 セーラー戦士たち自身の夢を暴かれる回もある。
・大多数の人の夢の鏡は淡いピンク色のフレームである。
・『SuperS』後半にさしかかるとペガサスが宿った夢の鏡はゴールデン・クリスタルの影響で金色に輝いた鏡ゴールデン・ミラーになることが判明する。
・夢を見失ってしまった人の夢の鏡は暗くくすんだ色合いに変わってしまう。
・物理的な衝撃を受けるとガラス同然にたやすく割れる。夢の鏡を破壊された人は生ける屍のようになる。
「見せてもらうわね…あなたの美しい夢」
『SuperS』後半になるとゴールデン・ミラーの存在が明かされ、実は夢の鏡の外観をひと目見ただけでペガサスの宿主か確認できることが判明する。
それに基づいて後半の敵幹部アマゾネス・カルテットの目的はペガサスの宿主の条件であるゴールデン・ミラー捜索であり、「玉突き」でターゲットから弾き出した鏡の色を確認する。
つまり出た鏡が黄金色以外であればデッド・ムーン的にはハズレなのだが、物語前半の時点では知らされておらず、前半の敵役アマゾントリオは色を気にすることなく毎回上司が選んだターゲットから暴き出した夢の鏡の中を覗いて直接探す方法をとる。
その際
1、宿主候補者(ターゲット)の背後に真っ赤な台が出現する
2、ターゲットの四肢が台に磔に拘束される
3、ターゲットの悲鳴とともに、ターゲットの体内から夢の鏡が引きずり出される
という流れをかならず踏襲する。
夢の鏡を引きずり出されたターゲットはたいてい脱力状態になるか、怯えながら「やめて、見ないで」という旨の懇願をするかのどちらかになる。(この時点ですでに気絶している場合もある)
そしてアマゾントリオのメンバーが夢の鏡の中に顔を突っ込むとターゲットは頬を高潮させた切ない表情で悶え、悲鳴を上げる。
夢を覗かれた後は磔にされたままグッタリと虚脱状態になる(もしくは気絶する)。
女児向けアニメとは思えないようななんともエロティックな演出であった。
ちなみに前半のうちに本作の主人公であるうさぎや仲間たち、衛がターゲットにされる回もあり、アマゾントリオに上述の流れで夢の鏡を暴かれ見られた。
ファンアートにおいて『SuperS』には登場しないキャラクターや、一種のテンプレートとして別作品のキャラクターが夢の鏡を暴かれるパロディ作品も制作される。
アマゾネス・カルテットに比べるとアマゾントリオのこの方法は目的(ペガサス捜索)に対して迂遠であったが、彼らがこのようにして美しい夢に触れ続けたことは演出のインパクトだけでなく物語上も意味をもち、名シーンへとつながるのである。
夢の鏡は原作には登場しない、『SuperS』のみの独自設定だが、上述のような演出が視聴者に印象付けられたためか、かわいらしくちびうさとペガサス(エリオス)のつながりや「夢」という無形のテーマの表現としてもわかりやすいからか、ミュージカル版などにも採用されている。
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