概要
自民党所属の参議院議員。保守系政治家としては珍しく表現の自由と二次創作活動の保護に注力していることで知られている。
政治家になる前は製造業のコンサルティング業で、表現規制問題に関心を持つようになったのは娘が腐女子であったためとのこと。
名前が某元参院議員に、小太りの体型に蝶ネクタイと眼鏡の外見が某嫌韓活動家にそれぞれ似ているため、たまに彼らと混同される風評被害を受けることがある。
経歴
2010年7月、参議院議員選挙にみんなの党から出馬するも落選、2012年12月に繰り上げ当選した。
2014年12月の同党の解党により2015年1月「日本を元気にする会」を結成。
2016年1月に日本を元気にする会が政党要件を満たさなくなり、参院選出馬の手立てを模索する中、同年2月14日、政治団体「表現の自由を守る党」を設立する。
その後、おおさか維新の会に入党し、4月26日に公認候補予定者として発表されるも、政治活動方針への考え方の相違から同27日に離党届を提出(党側は離党を認めず、除名処分)。
6月8日に新党改革の推薦で比例で出馬することが発表された。
同年7月の参議院選挙で野党の比例候補としては異例の29万票以上を集めるも、新党改革自体の得票数が伸びなかったため落選。
その後は会社経営の傍ら、政治活動を在野で行ない、「表現の自由を守る会(「~党」から改名)」を運営していた。
2019年2月に「(同年夏の)参院選に出馬する」意向を表明。
与野党各党(自民、国民民主、維新、希望)との接触があったものの、3月1日、自民党に全国比例候補(予定者)として公認された。
党側から組織をつける申し出などもあったが断り、ネットでの口コミ(Twitter等)や動画サイト(ニコニコ動画、YouTube)を用いた宣伝を駆使して戦った。7月21日に投開票が行われ、当選を果たして議席を取り戻した。
直後に一部の自治体で「他候補との票の取り違え」ミスがあったことが発覚。当選結果には影響しなかったものの、得票数が二転三転した(※7月22日開票完了時に53万9566票⇒7月25日迄の再集計で54万77票)。
何故絵師からの強い支持を受けているのか?
表現規制反対派ということで絵師やオタクからの支持が強く、選挙シーズンになるとTwitterなどを通じて彼への投票を訴えかける者も珍しくない。
何故表現規制反対というだけで毎回「山田太郎」の名前ばかりが挙がるのかを不思議に思った人も多いのではないだろうか。
実は、これまで「表現規制問題」に取り組んできた政治家は枝野幸男にしろ福島瑞穂にしろ、主要政策を別に持っていた。山田太郎は「マンガ・アニメ・ゲーム等の表現の自由を守ること」を最優先課題に掲げた初の政治家なのである。
また、山田太郎は表現規制に単に「反対」するのみならず、実際に規制を阻止する成果を出している政治家でもある。下記はその成果の一部である。
・児ポ法改正による二次元創作表現の規制推進阻止(2013年~2014年頃)
・TPPとそれに合わせた法改正による同人誌等の二次創作壊滅阻止(2014年~2016年頃)
・軽減税率制度による「有害」な表現の規制阻止(2016年~2018年頃)
・ネット利用委縮に繋がり得る広範なDL規制(いわゆる「スクショ違法化」案)の阻止(2018年~2019年頃)
コミックマーケットでは会場前で街頭演説をするのが恒例となっており、サークル出展も行っている。
自民党と「表現の自由」
2019年参院選での当選以降、山田太郎は自民党に所属している。
だがかつては自民党や保守派が表現規制派で、むしろサブカル文化人にリベラル派が多かったり、表現反対派がいた時代があることは、政治史を知る人にはよく知られている(記事)。
21世紀になってからも、問題に取り組んできた議員は上記の枝野や福島のように野党に多く、自民党議員はあのローゼン麻生ですら規制推進派 (記事)である。
しかし文化大革命等の影響を受けた「1968年革命」の影響でリベラル派中央に対して「マイノリティの立場を考えていない」という糾弾が繰り返され、ポリティカル・コレクトネス論やジェンダーフリー論などに与しないと反動認定されるという状況になっていき、保守が規制反対でリベラル派とその亜種ネオリベラル派が表現規制を推進するという逆転が生じるようになってしまっている。
このため経緯を知らない当時の若者世代から見ればリベラル派が終始規制派であったように見えてしまい、オタク文化のミリタリー要素と憲法9条の相性の悪さも手伝って、表現規制においてはむしろ天敵と言ってもいい存在である自民党が、ニコニコ動画ユーザーを筆頭にオタク層に支持されるという現象が起きた。
自民党は本当は規制推進派であるという見方は強かったが、2019年に山田太郎が大量得票で当選したことは、自民党に反表現規制派が食い込むターニングポイントとなったと言える。実際に山田は自民党の表現規制計画を骨抜きにしたとされる。
2022年には表現の自由を掲げる漫画家、赤松健も自民党議員として比例区で立候補。山田も赤松を応援し、結果は52万8053票と断トツの獲得票数で当選。国会内に心強い仲間を増やすことに成功した。
表現規制問題以外の政策
政治家である以上当然だが、表現の自由問題以外にも取り組んでいる。
の2点が主な主要政策。このうち「こども庁」に関しては賛否両論あるものの、2021年に菅義偉首相が設立に意欲を示し、菅の後継を決める自民党総裁選で河野太郎らが公約に掲げたことからにわかに注目を集めることになった。
関連項目
無修正 - アニメ・漫画・ゲーム等の規制には合理性がない。実写であっても 本人の承諾さえあれば修正をする必要はない
赤松健 - 漫画家。同じく自民党所属の参議院議員で、共にアニメ・漫画における表現の自由や作家として生活する人々の権利や負担削減のために尽力している。
おぎの稔 - 東京都大田区の区議会議員であり、自らもバーチャルYouTuberや同人活動を行っているという筋金入りのオタク政治家。山田太郎議員の参議院当選を後押しした。