概要
出血熱(しゅっけつねつ)は、高熱と重篤な出血症状を伴う危険なウイルス感染症の総称である。
感染源は主に動物(猿、コウモリ、ねずみ、蚊、ダニなど)で、ウイルスの種類によっては患者の血液や排泄物からうつる場合もある。
主にアフリカや南米の熱帯地域・発展途上国で流行している。ちなみに現在の日本ではSFTS以外の出血熱は発生していない。
症状
初期では高熱、頭痛、筋肉痛など、重いインフルエンザに似たような症状があらわれる。嘔吐や下痢といった胃腸症状を伴うことも多い。また、ウイルスの種類によっては肝臓の機能が低下し、皮膚が黄色くなる(黄疸)こともある(特に黄熱病)。
熱が下がったあたりから出血症状が始まる。軽い場合は鼻血や歯茎の出血程度だが、進行すると全身があざだらけになったり、胃腸から出血して吐血や血便を起こし死亡することもある。
有効な治療法がない(点滴などの対症療法のみ)ために致死率は総じて高く(10%以上)、特にエボラ出血熱は50%以上の致死率である。
予防方法
海外、特にアフリカの発展途上国では野生動物に近づかない・肉は十分に加熱してから食べる・蚊やダニなどの虫に刺されないよう注意する・患者との接触はできるだけ避けることを心がけたい。
また、黄熱病に関しては予防のためのワクチンが存在するので、黄熱病の流行地域(アフリカ、南米)に旅行する際は、ワクチンを打っておこう。
主な出血熱
ここでは出血熱として有名な病気を例示する。この中でもエボラ、マールブルグ、クリミアコンゴ、ラッサ、南米の5つの出血熱は感染症法で1類感染症に指定されており、患者は強制的に隔離病棟に入院させられる。