スペック
全長:76.7m
重量:8500t
出力:1600万馬力
動力:λ2000
概要
時間保護局が、大規模な非常時を想定して開発した、Tレックス型の巨大生体メカ。
開発はタイムロボよりも前から進められ、西暦2994年までに完成を見ていたが、同年に行われた時間移動実験に失敗。時間流を彷徨っていた末に時空パルスの裂け目より、西暦2000年の世界へと姿を現すこととなる。
特徴・能力
同じく時間保護局によって開発されたGゾードとは、怪獣(恐竜)型の生体メカであること、自己修復機能(※)を備えていること、そして動力源としてλ2000と呼ばれる高純度エネルギーが使用されているという点で共通しているが、プロトタイプともいうべきGゾードとの大きな違いとして、「2つのモードへの可変機構」が実装されているという点が挙げられる。
ブイレックスには、前述の通りティラノサウルスを模した通常形態の他、人型ロボット形態の「ブイレックスロボ」というもう一つの形態を持ち、これらはパイロットたるタイムファイヤーの持つブイコマンダーからの音声入力によって、任意にモードの切り替えを行うことが可能となっている。
変形に留まらず、操縦や攻撃の指示もこのブイコマンダーによる音声入力で行われるというのがブイレックスの特徴の一つである。このためタイムロボのようにコックピットに搭乗せずとも、外部から遠隔操作が可能という利点を持ち、同時に初起動の際に声紋を登録したタイムファイヤー以外の操作を受け付けないという、一種のセキュリティ的な役割も果たしている・・・のだが、この音声入力についてはちょっとした「落とし穴」も存在しない訳ではない(詳細はブイコマンダーの記事を参照)。
本形態での武装として、両肩の長大なブースターより毎秒20発のエネルギー光弾を発射する「レックスレーザー」を有する他、牙による噛みつき(ハイパーファング)や尻尾による打撃(テールアタック)も得意とする。必殺技は頭頂部に乗ったタイムファイヤーのディフェンダーガン、そしてレックスレーザーを同時に最大出力で発射する「マックスバーニング」。この他、作中ではタイムロボαを背に乗せての合体戦法も披露している。
(※ その都合上、一定量のダメージを負うと強制的に修復モードに入り、24時間は操縦ができなくなる)
作中での動向と秘められた事実
前述の通り2000年の世界に出現後、市街地で暴走に及んだブイレックスはその際に負ったダメージにより一時休眠状態に入るが、その間にタイムレンジャーとギエンとの間で、ブイレックスの制御装置(ブイコマンダー)を巡る争奪戦が展開される。が、争奪戦を制したのはそのいずれでもなく、シティガーディアンズ隊員の滝沢直人であった。
ブイコマンダーを手に入れた直人は、タイムファイヤーへの変身能力とブイレックス、そして自らの出世のための足がかりを手中に収め、これ以降はシティガーディアンズ所有の格納庫を20世紀での住処とし、その戦力として物語最終盤まで運用されることとなる。
・・・しかし、ブイレックスは単に「過去の世界に迷い込んだ巨大メカ」というだけの存在では終わらなかった。物語最終盤において、2001年に起こるとされる「大消滅」に絡み、ブイレックスに秘められていた2つの「歴史的事実」が明らかにされたのである。
その一つ目は、「大消滅の直接の引き金がブイレックスである」ということ。厳密には、ブイレックスの動力源として用いられている高密度のλ2000が、大消滅を引き起こす時空間の歪みを誘発する要因であり、これがギエンの体内にある高密度のλ2000と共鳴することで、時空間の歪みを加速させた結果発生したのが、2001年の大消滅であった。
そしてもう一つの歴史的事実、それは「2001年2月3日にブイレックスのパイロットが死亡する」というものである。これにより、タイムファイヤーとして戦ってきた直人はその事実通りの末路を迎えることとなるのだが・・・その裏では本来のパイロットによる「歴史修正」が密かに行われていたことが、直人の死後になって判明することとなる。
ともあれ、直人というパイロットを喪ったブイレックスは、彼からブイコマンダーを引き継いだタイムレッドこと浅見竜也に託されることとなり、共に大消滅を食い止めるべくギエンの操縦するネオ・クライシスと戦うこととなる。
前述の通り、大消滅の原因の一端を担っていたブイレックスであるが、最終決戦に際してタイムレンジャーの働きにより、体内のλ2000が時空間には無害な「ζ3」へと変換され、一転して大消滅を食い止める切り札として、ネオ・クライシス撃破の立役者となった。
作中でその後、ブイレックスがどうなったかについては触れられていないが、後に制作されたVシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』ではクライマックスの歴代レッドメカ勢揃いの場面において、タイムレッドのメカという扱いでブイレックスも登場しており、同じモチーフの守護獣ティラノザウルスとの共闘も果たしている。これをそのまま『タイムレンジャー』TVシリーズと地続きの出来事であると見做すならば、TVシリーズ以降もそのまま21世紀の世界に残され、活動可能な状態にあると考えられる。
関連タグ
豪獣神:『海賊戦隊ゴーカイジャー』に登場する巨大ロボの一体。タイムファイヤーを経由する形で、タイムレンジャーの大いなる力を受け継いだ機体であり、ブイレックスと同様に恐竜をモチーフとした形態も有している
ゼンカイジュウオー:『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場する巨大ロボの一体。直接的には明言されていないものの、デザインモチーフの一つとしてブイレックスが採用されていることが、公式にて示唆されている