「おのれ仮面ライダー! 姑息な手を使いおって!!」
「俺は利用されたに過ぎなかったのか……? 創世王様!!」
概要
演・CV:吉田淳(『BLACK』)
暗黒結社ゴルゴムの戦士で、古代魚ビルケニアの大怪人。ゴルゴム幹部の三神官達に勝るとも劣らない実力の強者。
第18話「剣聖ビルゲニア!」より登場するが、登場当初の顔面は素の肌色のままで青いアイシャドウ程度の化粧だった。しかし迫力不足と見られたのか「復活直後の体力低下から回復した」という設定で第22話から白塗りになった。pixivのタグは単に「ビルゲニア」とも付けられている場合が多い。
3万年前の日食の日に生まれたが、まだこの頃は創世王の代替わりの時期でなかったためキングストーンを与えられず世紀王になれなかった。それを不服として三神官に反旗を翻したが、創世王の逆鱗に触れ棺に閉じ込められていた。その後、仮面ライダーBLACKこと世紀王ブラックサンの反逆と、その制裁にまつわる三神官の度重なる失敗により、創世王に命じられた三神官の手によって復活。彼らとは会うなり険悪な雰囲気になるが、打倒ブラックサンのため一時休戦を誓った。封印されたのではなく幽閉だったためか、棺の中でも意識を保ったまま外の様子を把握できていたようである。
復活後は仮面ライダーBLACKを倒してキングストーンを奪うことで自身が世紀王となることを最優先の目的として行動。自らの目的のならば三神官の作戦を妨害したり怪人を犠牲にする事も厭わなかったため、その挑発的な態度もあってか三神官とは対立する場面も多かった。(劇場版『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島に急行せよ‼︎』ではカメレオン怪人とBLACKの戦闘に割り込んだことで創世王の怒りを買って作戦への介入を禁じられ、撤退を余儀なくされた)
対象となる人間の目を見ることで、その人間を殺害して容姿や肉声などを写し取る「顔盗みの術」という技を持つ。黒松教授をこの技で処刑して姿を写し取ることでゴルゴムから亡命するふりをして仮面ライダーBLACKに近づいたほか、運び込まれた病院の医師にもこの技を使う事でブラックの不意を突こうとした事もあった。また、倉持と名乗る人間の姿をしていた事もあるがこれがビルゲニア自身の人間態なのか別の人物から写し取った姿なのかは不明。
武器は剣「ビルセイバー」と、盾「ビルテクター」。ビルセイバーは、風速200mの突風「ダークストーム」を発生させる事が可能。ビルテクターは、当初はライダーキックをも防ぎ切った強力な盾である(後のエピソードでは防ぎきれず、罅を入れられた描写がある)。
嫌味な言動が特徴で、事あるごとに三神官の作戦に茶々を入れたり、失敗を揶揄したりした。地位の上では三神官の方が上位にあるため敬語を使いつつも、何の敬意も込めていない慇懃無礼ぶりが際立っている。三神官やブラックのやり方をしばしば「姑息」と嘲るわりには前述のとおり自分もそのような手段をよく使っている。
ブラックにとってはシャドームーンが登場するまでの強力なライバルキャラクターであり、初登場時はキングストーンを持たないながらも高い実力を示しブラックを圧倒。しかし、始めこそブラックが苦戦する描写が目立ったがブラックが実戦経験を重ねたために力関係は変化し、第25話ではバイク戦で敗退、第28話では直接対決で惨敗を喫した。
そしてシャドームーン復活が近づくと、用済みとして処分されることを恐れ創世王とそれを後継する資格を持つ世紀王だけが扱えるはずの聖剣サタンサーベルを求める賭けに出る。見事これを入手すると、その魔の力を利用しつつビルセイバーとの二刀流でブラックを苦しめた。
サタンサーベルとビルセイバーを交差させる事で破壊光線「サタンクロス」を放つ他、第35話では若者の悪意を増幅して略奪・破壊行為を行わせている(なお、ブラックにライダーキックを浴びせられると元に戻っている。この時の若者の一人を岡元次郎氏が演じている)。
だがサタンサーベルは創世王候補以外には完全に力を引き出すことは不可能であり、キングストーンを持たぬ身なりに二刀流での新技を編み出すなど使いこなすべく努力した様子はうかがえるものの、シャドームーンが使っていた剣先から放つ光線や相手を拘束する反重力ビームなどの能力をビルゲニアは使っていなかった。また、前述の通り創世王及び世紀王の専用剣であるため、仮面ライダーBLACKとの戦闘中にシャドームーンにサタンサーベルを引き寄せられ奪われている。もしもブラックが戦闘中に「サタンサーベル!」と叫んだら同様に奪われていた危険性もあった。
また、世紀王専用マシンとしてブラックとシャドームーンが乗りこなせたバトルホッパーをコントロールすることも出来なかった。(タマムシ怪人の分身に寄生されて暴走したバトルホッパーを乗っ取ろうとした)
最期
第35話「対決!二人の王子」にて二刀流でブラックと戦うが、右手で操っていたサタンサーベルが突如消失してしまい、そのスキを突かれライダーキックを肩口に受け負傷する。連撃のライダーパンチは左手のビルセイバーの柄で受けてクリーンヒットを防いだものの撤退を余儀なくされた。
サタンサーベルの消失を三神官の妨害と考え激怒してゴルゴム神殿に帰還したが、そこにはエネルギーを使い果たして干からびた三神官と、その力で復活したシャドームーンが奪い取ったサタンサーベルを持ち、待ち構えていた。手負いのまま愛剣ビルセイバーでシャドームーンに戦いを挑むが、もともとの実力差、武器の性能の差に加え、手傷を負った身体では到底シャドームーンの相手にはならず、一歩も動かない彼に簡単に剣を弾かれ逆に盾のビルテクターごと一刀のもとに身体を切り裂かれてしまう。死の間際に、「自分は世紀王シャドームーンを復活させるための捨て駒に過ぎなかった」と悟り、無念の絶叫とともに消滅。シャドームーンはそんな彼の死を「所詮キングストーンを持たぬ者に創世王の座などかなわぬ夢だったのだ」と嘲笑した。
その後の作品にて
その後の作品での再登場は滅多になく、スーパー特撮大戦2001などの映像作品以外での活躍が殆どであった。
そして26年後の2014年。映画仮面ライダー大戦のバダンの再生怪人として登場…するも出番は一瞬だけだった。
仮面ライダーBLACKSUN
演:三浦貴大
『BLACK』のリブート作品である『仮面ライダーBLACK SUN』にも同名のキャラクターが登場。『BLACK』のビルゲニアとは別人物。
古代甲冑魚怪人へと変身する。
全身黒い服に身を包んだ青年。人間としての本名は不明で終始「ビルゲニア」と呼ばれている。
怪人の身体能力を活性化させる特殊なゼリー「ヒートヘブン」を摂取しているため50年前から老化していない。
尚、どう甘く見積もっても百歳を超えている秋月博士と昔からの知り合いだったり、まだ幼い光太郎の口から「ビルゲニアの兄ちゃん」という言葉が出ているため、相当長い年月を生きていることが示唆されている。
怪人の権利を主張し、怪人が人間と同等以上の関係で暮らせる世界を望んでいる。味方への情は篤いが、暴力的で敵に対しては冷酷非道、差別を行う人間への憎悪も強い。
「人間が怪人になる瞬間は、いつ見てもたまらない」と発言したり子どもを怪人に改造する様を親に見せつけた挙句殺害するなど、嗜虐的な一面もある。
変身後の姿は黒い鎧を身に纏ったような姿で、異形の姿が多い『BLACKSUN』の怪人としては珍しく人間の顔が出ており、原典での姿を思わせるようになっている。
警察官が使う普通の拳銃でも致命傷を負う程度の防御力しかないものがほとんどの本作の怪人の中では距離を置いた拳銃弾程度は難なく弾く規格外の堅牢さを持ち、警官隊を隻腕の状態で蹂躙する、銀殿様飛蝗怪人と互角に渡り合う等戦闘力も非常に高い。
70年代の闘争の中で「創世王を守る為の剣だから最も創世王への忠誠心が強いビルゲニアに相応しい」と託されたサタンサーベルを得物とする。
1970年代では怪人の社会的地位向上のために結成された活動集団「護流五無」の一員として活動。
三神官となるダロム、ビシュム、バラオムと同等の幹部であり、集まった同志の前で堂々と演説するなど、ある意味ではカリスマ的な存在と言える。
幹部の中では戦闘の指南役も担っており、光太郎や信彦の戦闘訓練も教導していた。
怪人の権利確保のため、時の総理大臣・堂波道之助の孫・堂波真一をダロムらとともに拉致。
冬の屋外で彼を縛り上げ、ろくに食事も与えない、トイレを求めても服を着たまま放置してそのまま排便させるなどの酷い扱いをしていた(これに関しては光太郎を含めた他のメンバーも同様だが)。
しかし、ダロムたち三神官が道之助との交渉の末に「怪人に一定の権利を与える代わりに、創生王の管理権などを政府に与え、そのエキスで生まれた怪人を生物兵器として海外に売り渡す。さもなければ全ての怪人を滅ぼす」という二者択一を迫られた結果前者を選んだため、三神官と決別。光太郎、信彦、ゆかり、オリバーとともに創世王を守り、人間と徹底抗戦する道を選ぶ。
しかし、ゆかりの目的が創世王を殺し、更なる第一世代怪人が生まれることを防ぐことで争いを終わらせることだと知り、彼女を裏切者と断じて粛清。
結果、オリバーや光太郎に逃げられ、ゆかりを愛していた信彦にも見限られた挙句三神官によって捕まり、同じく捕まった信彦ともども投獄される。
やがて時が経ち、与党・民の党の議員となった真一から「汚れ仕事に就くものを探している」と言われ、今生きている怪人を守るために彼に従う道を選んだ。
現代パートでは先述の通り、現役総理大臣となった真一に仕える。裏での活動における手足となっており、キングストーン捜索でかつての同志であったオリバーを容赦なく拷問した後に殺害した。
会見の場でも少し離れた場所から真一を見守る護衛もしているが、他のSPと違い、黒コートにサタンサーベルを帯剣するという物々しい出で立ちをしている。
真一の忠実な部下として活動し、拉致した和泉葵を怪人に改造した結果光太郎の怒りを買い、完全体に至った彼の初戦の相手となった。
この戦いで左腕を失い、ビシュムに連れられて撤退。以降しばらくは落ち目が続き、護流五無を乗っ取った信彦と組もうとして拒絶される、そのことを報告して真一から暴行を受ける、挙げ句自分が怪人にした葵に怪人の力で叩きのめされる等転落していく。
それでもキングストーンを奪うために葵をつけていた先で秋月博士と再会し、そこで創世王の真実と「創世王は不要」という博士の考えを知って愕然とする。
この一件で吹っ切れたのか、葵の護衛をするようになったり堂波道之助が人体実験に加担していた証拠のフィルムをデータ化して彼女に渡したりと協力的な態度を取るようになった。
そして国連で怪人の真実を暴露する葵に差し向けられた警官隊から彼女を守るために単身戦いを挑み、孤軍奮闘の戦いの末に相討ちとなる形で死亡した。
その後、異変に気付いて近寄ってきた葵から初めて「ビルゲニアさん」と名前で呼ばれたが、その時点で彼は既に事切れており、その言葉が彼の耳に届くことは無かった。
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