曖昧さ回避
キャラクター
- 特撮作品『仮面ライダーBLACK』に登場するキャラクター。→剣聖ビルゲニア
- 上記のリブート作品である『仮面ライダーBLACKSUN』に登場するキャラクター。本項で解説。
概要
演:三浦貴大
全身黒い服に身を包んだ青年。人間としての名は不明で終始「ビルゲニア」と呼ばれている。
怪人の身体能力を活性化させる特殊なゼリー「ヒートヘブン」を摂取しているため50年前から老化していない。
尚、どう甘く見積もっても百歳を超えている秋月博士と昔からの知り合いだったり、まだ幼い光太郎の口から「ビルゲニアの兄ちゃん」という言葉が出ているため、相当長い年月を生きていることが示唆されている。
怪人の権利を主張し、怪人が人間と同等以上の関係で暮らせる世界を望んでいる。味方への情は篤いが、暴力的で敵に対しては冷酷非道、差別を行う人間への憎悪も強い。
和泉葵の両親を拉致し、父親をカニ怪人に改造し葵へさし向ける、葵をカマキリ怪人に改造する様を母親に見せつけた挙句殺害するなど、嗜虐的な一面もある。
古代甲冑魚怪人へと変身する。変身後の姿は黒い鎧を身に纏ったような姿で異形の姿が多い『BLACKSUN』の怪人としては珍しく人間の顔が出ており、原典での姿を思わせるようになっている。
警察官が使う普通の拳銃でも致命傷を負う程度の防御力しかないものがほとんどの本作の怪人の中では距離を置いた拳銃弾程度なら難なく弾く規格外の堅牢さを持ち、警官隊を隻腕の状態で蹂躙する、銀殿様飛蝗怪人と互角に渡り合う等戦闘力も非常に高い。
70年代の闘争の中で「創世王を守るための剣だから最も創世王への忠誠心が強いビルゲニアに相応しい」と託されたサタンサーベルを得物とする。
1970年代では怪人の社会的地位向上のために結成された活動集団「護流五無」の一員として活動。
三神官となるダロム、ビシュム、バラオムと同等の幹部であり、集まった同志の前で堂々と演説するなど、ある意味ではカリスマ的な存在と言える。
幹部の中では戦闘の指南役も担っており、光太郎や信彦の戦闘訓練も教導していた。
怪人の権利確保のため、時の総理大臣・堂波道之助の孫・堂波真一をダロムらとともに拉致。
冬の屋外で彼を縛り上げ、ろくに食事も与えない、トイレを求めても服を着たまま放置してそのまま排便させるなどの酷い扱いをしていた(これに関しては光太郎を含めた他のメンバーも同様だが)。
しかし、ダロムたち三神官が道之助との交渉の末に「怪人に一定の権利を与える代わりに、創生王の管理権などを政府に与え、そのエキスで生まれた怪人を生物兵器として海外に売り渡す。さもなければ全ての怪人を滅ぼす」という二者択一を迫られた結果前者を選んだため、三神官と決別。光太郎、信彦、ゆかり、オリバーとともに創世王を守り、人間と徹底抗戦する道を選ぶ。
しかし、ゆかりの目的が創世王を殺し、更なる第一世代怪人が生まれることを防ぐことで争いを終わらせることだと知り、彼女を裏切者と断じて粛清。
結果、オリバーや光太郎に逃げられ、ゆかりを愛していた信彦にも見限られた挙句三神官によって捕まり、同じく捕まった信彦ともども投獄される。
やがて時が経ち、与党・民の党の議員となった真一から「汚れ仕事に就くものを探している」と言われ、今生きている怪人を守るために彼に従う道を選んだ。
現代パートでは先述の通り、現役総理大臣となった真一に仕える。裏での活動における手足となっており、キングストーン捜索でかつての同志であったオリバーを容赦なく拷問した後に殺害した。
会見の場でも少し離れた場所から真一を見守る護衛もしているが、他のSPと違い、黒コートにサタンサーベルを帯剣するという物々しい出で立ちをしている。
真一の忠実な部下として活動し、拉致した和泉葵を怪人に改造した結果光太郎の怒りを買い、完全体に至った彼の初戦の相手となった。
この戦いで左腕を失い、ビシュムに連れられて撤退。
その後、護流五無を乗っ取った信彦と組もうと手を差し伸べる。しかし過去の遺恨からか、真一の下で手足となって働いていたことからか「人間の匂いが染みついている」と拒絶され護流五無を追放されてしまう。ならばと真一の元に逃げその報告をするも、相手にされず足蹴にされ、キングストーンを取り返してこいと吐き捨てられる。
さらには名誉挽回とばかりに葵からキングストーンを奪おうとするも、怪人の力を使いこなしつつあった葵の奇襲を受け、返り討ちにされてしまうなど、今まで行い続けてきた所業のツケが回ってきたかのように転落。護流五無の古株怪人としても、真一の懐刀としての立場も失うことになってしまった。
それでもキングストーンを奪うために葵をつけ狙うが、その先で秋月博士と再会し、そこで創世王の真実と「創世王は不要」という博士の考えを知って愕然とする。
この一件で吹っ切れたのか憑き物の落ちたような様子となり、葵の護衛をするようになったり、堂波道之助が人体実験に加担していた証拠のフィルムをデータ化して彼女に渡したりと協力的な態度を取るようになった。
ただし過去の経緯から葵には忌み嫌われており、「いつか殺すから」と言われている。
最期
国連でライブ配信にて怪人の真実を暴露する葵。だが配信中である廃バスを、真一から差し向けられた警官隊が取り囲む(その中には怪人に同情的な黒川も居た)。
しかしそこにビルゲニアが立ち塞がり、サタンサーベルを振るい警官隊へ単身戦いを挑む。いくらビルゲニアと言えど、相手は武装した多数の警官隊。数の暴力の前に追い詰められていく。
戦ううちに警官隊のシールドに突き刺さったサタンサーベルが抜けなくなるが、自らの誇りとも言える剣を足で踏み砕き、半分以下となったサタンサーベルを振るい戦い続ける。
しかし黒川から密着状態での銃撃を受け致命傷を負い、孤軍奮闘の戦いの末に警官隊と相討ちとなる形で立ったまま死亡した。
その後、異変に気付いて近寄ってきた葵から初めて「ビルゲニアさん」と名前で呼ばれたが、その時点で彼は既に事切れており、その言葉が彼の耳に届くことは無かった。
残されたサタンサーベルは葵へと託され、本作の物語に一つの終止符を打つことになった。
小説版
過去にて原典ビルゲニアと同じく創世王になりたがっていたが、既にカイジンである為体内のストーンの除去が難しく、そこに2つのキングストーンを入れるのは危険である為断念されたことが明かされた。