「怪人と人間の命の重さは地球以上だよ。1gだって命の重さに違いはないから」
「怪人が怪人のまま生きられる世界のために、私は永遠に戦うから」
演:芋生悠
概要
『仮面ライダーBLACKSUN』の登場人物の1人。
1972年パートに登場するヒロイン。
怪人ではなく、通常の人間。
怪人の人権確立のために活動する集団「護流五無」に所属する。
その後の描写からすると、人間でありつつも、三神官やビルゲニアに次ぐ中核メンバーであったようである。
南光太郎と秋月信彦がオリバー・ジョンソンに連れられて初めて行った集会で、参加者としてその場におり、彼らの心を惹きつけた。
二人が正式に護流五無に入った後、一緒に護流五無の旗を作ったときには、団体名の下に無限大(∞)のマークを書き込み、「無限に戦う」という意思を示した。
護流五無が政府に人権を認めさせることを目的に、時の総理大臣・堂波道之助の孫・堂波真一を拉致するも、逆にダロムら三神官が道之助に取り込まれた際は、ビルゲニアが反発したため、彼や光太郎、信彦、オリバーとともに真一を連れて山中に隠れ潜む。
その中で、自分に惹かれていた光太郎と信彦に、真の目的を明かす。
ゆかりの目的は、怪人の王である創世王を殺すことであった。
創世王は、人間を怪人に改造するための材料であるエキス(怪人を不老にするヒートヘブンの材料でもある)を生み出す唯一の存在であり、彼を殺せば新たな怪人は生まれず、今いる怪人は普通の人間のように老いて死ぬことになる。
このまま怪人が人間相手に戦い続けても、数に負けて、ずっと逃亡者でいなければならない。
それであれば、ただの人間のように年を取り、子をなして生きていくべきだと考えていた。
ゆかりの考えに賛同した光太郎と信彦は、自分たちの肉体に埋め込められていた、次の創世王を生み出すキングストーンをゆかりに渡す。
今の創世王が倒れた後、新たな創世王が生まれないよう、彼女が人知れず隠せるように。
もちろん、創世王を神のように崇めているビルゲニアが、そんなことを認めるはずがなく、目論見を看破されたゆかりはビルゲニアに粛清される。
このことが原因で、信彦は心の底からビルゲニアを恨むようになる。
また、その現場を偶然目撃したオリバーは、もはや護流五無はバラバラになってしまったと判断し、ゆかりの遺志を継ぐべく、キングストーンを持ってその場から去った。
ゆかりが生前から口にしていた「怪人と人間の命の重さは地球以上。1gだって命の重さに違いはない」という言葉は、オリバーを通じて川本夫妻へ、そして川本夫妻の娘である和泉葵に伝えられ、彼女が第1話冒頭において国連での演説の中の一節として、全世界へ発信された。
そして、創世王を殺すという願いもまた、光太郎と葵によって叶えられるとともに、「永遠に戦う」という想いも、葵に受け継がれたのだった。
だが、2022年パートで信彦を捕らえた堂波真一の口から、ゆかりはキングストーンを入手するために堂波道之助が送り込んだ二重スパイだったという衝撃の事実が明かされる。劇中ではそれが真実かどうかは明確に描かれないので、信彦に屈辱を与えるための真一の嘘だったという可能性も無くはないのだが、それが事実だとすれば怪人の人権に対する前述の言葉も任務遂行のための偽装ということになる。護流五無メンバーはそんなものに50年間振り回され怪人同士で内輪揉めをしていたわけで、怪人にとってはある意味では堂波父子以上に質が悪い存在だったと言える。
小説『仮面ライダーBLACKSUN異聞/イブン』
小説版では堂波道之助のスパイであることが明言され、光太郎と信彦からキングストーンを奪う命令を受けていた。オリバーも同じくスパイだったが、互いに正体を知らされなかった為後にオリバーから正体を明かされても警戒して連携が取れずにビルゲニアによって命を落とした。
彼女の家庭は裕福で、父は銀行幹部、祖父は銀行の頭取を務め、自身も高校から頭脳明細で国立の大学に通い、差別と戦いというスピーチをしたことすらあった。
だが大学に入った頃から道之助との愛人であるという噂があり、なぜ裕福であるはずの彼女がそんな危険な任務に着いたのかは不明である。
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明日香愛:役回りが似ているライダーヒロイン。