蒸留酒
じょうりゅうしゅ
醸造酒を蒸留して作った酒。スピリッツとも呼ばれる。
概要
穀物、果実などを発酵させて作った酒(醸造酒)を、さらに蒸留、濃縮してアルコール分を20度以上に高めた酒。スピリッツ(spirit)とも呼ばれる。
ウィスキーやラム酒のように香味成分が失われないよう蒸留し、さらに長く貯蔵することで芳醇な風味を付けたものもあれば、
一方でウォッカや甲類焼酎のように原料の風味を残さない「飲めるエチルアルコール」と言った塩梅のものも存在する。
社会情勢と蒸留酒
蒸留酒は生産コストのわりに高いアルコール度数から、古くより過酷な生活環境に悩まされる貧困層が安く手っ取り早く酔える酒として愛好された。イギリスではジンが泣き止まない子供をおとなしくさせるために飲まされたり、ソ連崩壊後のロシアでは経済混乱の果てにウォッカがタバコと並ぶ通貨の代替品として機能した時期すらあった。
不況と不安の21世紀、日本にもおいても本気半分ネタ半分でされている酒は存在する。いずれも当時の社会で貧乏くじを引いてしまった労働者が憂さを晴らすためにコスパ重視の強い酒を求めた結果である。
なお、2020年のこの騒動は消毒用アルコールが不足してしまい、その(スピリッツの)アルコール度数の高さから表向きはスピリッツとしながらも手指消毒用アルコールとしての使用目的を暗喩した形で酒造メーカーから生産された事がある(消毒用とすると薬事法に触れる為)。
騒動が終息せず消毒用アルコールの需要が高止まりしているため、厚生労働省もやむなく追認しており、現在でも販売されている。